車内で音楽を少しでも快適に楽しみたいなら?

かつては、クルマを替えたら純正のヘッドユニットを外して市販品に替え、当然のようにスピーカーも入れ替えるというのが当たり前のように行われていました。が、今は難しい時代ですよね。

そもそも、かつては定形だった1DINとか2DINのスペースがないクルマが増えていて、純正ヘッドユニットを外したからと言って無加工で簡単に入れ替えるというわけにはいかないクルマも多いし、純正ヘッドユニットを外したとたんにクルマが動かなくなってしまうものもあります。

これじゃ無加工では1DINや2DINサイズのヘッドユニットを付けるのは無理ですね

となると、簡単にカーオーディオをグレードアップするというわけにはいかなくなりますよね。それで、カーオーディオをいじる人がどんどん減っていると…。クルマが自動運転に向かいどんどん高度化が進んでいる時代だからしようがないとはいえ、カーオーディオ好きには受難の時代といえるでしょう。

では、本気でガッツリとオーディオを組むという人以外は、多少の不満があっても純正オーディオのままで過ごすのか。一度でもカーオーディオをグレードアップして、その音の激変ぶりや楽しさを味わったことがある人なら、そんなわけにはいかないと思います。でも、以前は気軽にできたカーオーディオのグレードアップが、今のクルマだと加工が大掛かりになるから100万円超か…と思うと二の足を踏みますよね。わかります、その気持ち。

じゃあ、どうするか。スピーカーだけでも替えてみるとか、手軽に済ませる方法はいくつかあります。その中でもっともお勧めしたいのは、今ならアンプ内蔵DSPを導入する方法じゃないですかね。
オーディソン Prima AP F8.9bit

アンプ内蔵DSPを出しているメーカーはイタリアのオーディソン 、ドイツのマッチ、国内ではμ(ミュー)ディメンションとかビーウィズのプラグ&プレイとかいくつかあります。カロッツェリアでもマツダ車専用などのユニットを出していましたね。予想を越える売れ行きで品薄のようです。アンプ無しのDSPのみのユニットですが。

なぜ、アンプ内蔵DSPがイチオシかというと、加工が少ない、配線が比較的にラクなど理由は多数ありますが、最も大きいのは音の変わり幅が大きいからです。もちろん、調整が確実にできていないと、その音は良くなりようがありませんが、適切なセッティングが行われているという前提で話を進めると、純正の状態とは音がまったく変わります。

もちろん、スピーカーも交換すればさらに音のクオリティが高まることは確実ですが、純正スピーカーのままでもバランスを整えてやれば聴きやすくなるし、音場の出方は格段に変わります。ステレオってこうだよなっ、という立体的な音場表現が、クルマの中で可能なんです。

これが、スピーカーを高級機に変えただけだと、こうはいきません。確かに、スピーカーが良くなったぶん、より高解像度でクオリティの高い音が鳴る可能性はあるのですが、音の入り口が純正のままでは、そのクオリティの音しか出ないんですね。純正スピーカーに合わせてチューニングしているぶん、スピーカーだけ高性能化してもバランスが崩れて聴きづらくなってしまうこともあります。しかも調整機能が純正デッキのものしか使えないから、きめ細かいチューニングはできません。けっきょく、音を良くするにはヘッドユニットも入れ替えるしか無くなるんですね。

その点、アンプ内蔵DSPなら、イコライザーで車内の音響特性をフラットに戻したのちに好みのバランスに変えることができるし、タイムアライメントを使えばまるで左右のスピーカーの真ん中の、理想的なポジションで音楽を聴いているようなステレオ音場が得られます。なんか、右側のスピーカーだけがやけにうるさいなぁという感じがなくなります。これ、重要です。

要はバランス。そりゃ、すべてのアイテムを高性能品で揃えて組み上げるのが理想ですが、そうするのが難しい場合はバランスを整えることが大事。それがラクに、比較的低予算でできるのがアンプ内蔵DSPなんです。

ま、すでにガッツリとカーオーディオをシステムアップしている読者も多いでしょうから釈迦に説法的な気はしますが、カーオーディオをどうしようかと悩んでいるお友達がいたら、迷わず教えてあげてください。