大阪オートメッセ2013のダイヤトーンのブースにあったスバル・インプレッサを視聴したなら「スピーカーが純正のままなのに、なんでこんなにいい音なんだ?」と驚いた人も多いと思う。それはDIATONE SOUND.NAVIのポテンシャルの高さによるものではあるが、それだけではあのような良い音にはならない。調整機能を使いこなして、しっかりと調整してこそ、あの音が実現する。その調整の仕方を、初心者にもわかりやすいように簡単に説明したい。
iPhoneアプリのETANI RTA。無料。 |
まずはシステムに合わせて初期設定 |
クロスオーバー設定がDIATONE SOUND.NAVI+純正スピーカーでいい音を楽しむキモ |
では、実際の測定方法を。これは、ナビをダイヤトーンに替えたあとよりも、ナビも純正のままのほうがわかりやすいので、カーナビをCIATONE SOUND.NAVIに交換する前の、まったくのノーマルの状態で測定しておくことをおすすめしたい。となると、信号の発生にiPhoneアプリは使えなさそうなのでカーオーディオ・パーフェクト・セオリーブック2「サウンドチューニングMaster」の付属CDを活用してもらいたい。
さて、測定用音源をCDにするとしよう。まず純正デッキではCD内のピンクノイズを再生する。そして測定用アプリを立ち上げたiPhoneをウーファーに近づけて測定を開始。これだけだ。できることなら、トゥイーターのグリルの上に何か音を遮るものを置くと、より数値が明確になるはずだ。音を遮るものは、クッションとかぬいぐるみとかでも大丈夫だ。
ウーファーにiPhoneのマイクを近づけて特性を測定 |
こんな測定をマイクの方向を変えたりして何度か繰り返し、またトゥイーターにiPhoneを近づけた状態でも測定して、平均値をとっていけば、おおよそのクロスオーバー周波数は決まってくると思う。その数値を、DIATONE SOUND.NAVIのクロスオーバー設定に入力すればいい。その前にDIATONE SOUND.NAVIは、システムの初期設定が必要だから、そちらも忘れずに。インプレッサの場合、フロントスピーカーは2ウェイだから【パッシブ2Way】を選ぶが、DIATONE SOUND.NAVIを装着するクルマのスピーカー構成に合わせて設定すればいい。
次はマルチウェイ・タイムアライメントの設定。これは基本的に、リスナーを基準として右トゥイーター、右ウーファー、左トゥイーター、左ウーファーまでの距離を測ってインプットすればいい。最終的に微調整が必要なこともあるが、基本は実測値でいい。これで、それぞれのスピーカーとリスナーまでの距離の違いを補正でき、それぞれのスピーカーから出たおとが、同時にリスナーの耳に届くようになる。そのため、運転席等のピンポイントで、理想的なステレオ音場の再現が可能になる。
タイムアライメント設定の画面。実測値が基本。 |
だから、クロスオーバーネットワークの調整は、マルチアンプシステムよりシビアになってくる。というのも、例えば純正のトゥイーターからは5kHzより高い周波数しか出ていないのに、クロスオーバーネットワークの設定が3kHzになっていれば、3kHzから5kHzの周波数は、ウーファーから出ることになる。ところが、3kHzより高い周波数の音はトゥイーターの距離に合わせて時間が補正されるわけだから、ウーファーから発せされる音のうち3kHzより低い音と3kHzより高い音に時間差が出るというおかしなことになってしまうわけ。だから、マルチウェイ・タイムアライメントにおいて、もっとも重要なのはクロスオーバーの設定。逆に、これがしっかりとできれば、調整は終わったも同然だ。もし、純正スピーカーのままDIATONE SOUND.NAVIを装着し、調整をしないでほったらかし状態の人がいたら、ぜひクロスオーバーとタイムアライメントの調整を行って欲しい。音は見違えるように良くなるはずだ。
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