すでに一部のショップの手元には届いているようですが、ブラックスのフラッグシップ・パワーアンプ、Xシリーズに最上級のMatrix MX4(682,500円)が加わりました。
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ボディはX4よりも大型化 |
このMX4、当初のウワサではX4にデジタル入力が付いただけとのことでしたが、実物はまったくの別物。写真を見ると同じに見えるボディは、幅360×奥行360mmと、X4よりも各3cmずつ大きくなっているし、高さもX4の74mmから79mmへと5mmも高くなっています。重さにいたっては、X4の8.5キロから11.5キロへ3キロも増加。内部の写真を見比べて見ると、レイアウトがまったく違います。しかも、MX4はX4に無かった冷却ファンを搭載。大電流が流れるアンプゆえ、X4はかなりの高熱になりましたが、熱対策も万全です。
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冷却ファンを装備した |
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光デジタル入力 |
そして光デジタル入力を装備し、D/Aコンバーターを内蔵。今のところブラックス・ブランドでは、この端子に接続するための製品はありませんが、ヘリックスのブランドではP-DSPやC-DSPというデジタルプロセッサーを発売していますから、ブラックス・ブランドでも今後、なにかしらの製品を出すのでしょう。それはパワーアンプまで信号をデジタル伝送できるデジタルプロセッサーなのか、ハイレゾ音源に対応したデジタルプレーヤーなのか、対応製品が出てくるのも楽しみです。
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バーブラウンのD/Aコンバーターを4個搭載 |
パワーアンプ部はX4同様、4パラレル・ハイエンドMOS-FETで構成。電源部に12Vラインに計40,000μF、ファイナル電源に計26,400μFの大容量コンデンサーを搭載しているあたりも、X4と同じです。このただしMX4はパーツの微小な製造誤差による音質への影響を考慮し、300以上の検査基準をクリアしたハイエンドMOS-FETを手作業で選別して使用。全チャンネルのバランスを完全にとることで、調和のとれた出力を実現しています。また電源部は合計6個あり、ソフトウェアによって総合的にコントロール。スピーカーのインピーダンスが異なっても同じ出力を維持するように動作させることで、歪みのない音楽再生を可能にしているあたりもX4と同じです。出力はX4の280W×4(4Ω)から275W×4(4Ω)に微減しましたが、ダンピングファクターはX4の800以上から1000以上へと大幅アップ。このスペックからも、スピーカーの制動力がさらに高まったことがわかります。ただし、X4もアイドリング電流6Aと大食いのアンプでしたが、MX4は7Aと、さらに大食いになっています。このアンプの性能を引き出すには、車両側の電源強化がポイントかもしれません。
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X4とは回路レイアウトが異なる |
このMX4は、ドイツのカーオーディオ専門誌、AUTO-HiFiのテストで、満点を獲得する快挙を達成。試聴レポートでも、X4よりさらにパワフルかつハイスピードで、世界最高のパワーアンプとの評価を受けているようですから、期待が高まります。システムアップをやり尽くして、さあどうしようと悩んでいた人には、最適のパワーアンプといえるでしょう。なお、初夏には2チャンネルのMatrix MX2も登場予定です。
【主な仕様】
●RMS出力(13.8V):275W×4(4Ωステレオ)/280W×4(2Ωステレオ)/285W×4(1Ωステレオ)/550W×2(4Ωブリッジ)/560W×2(2Ωブリッジ)●周波数特性:10Hz〜80kHz●歪み率:0.001%以下●SN比:110dB以上●入力感度:1.0〜8.0V●入力インピーダンス:10kΩ●ダンピングファクター:1000以上●アイドリング電流(13.8V):7A●内蔵ヒューズ:150A(25A×6)●外径寸法:幅360×奥行360×高さ79ミリ●質量:11.5キログラム
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エムズライン
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