新しいマツダ3、オーディオ車のベースとしても良さそうですね

マツダ・アクセラがフルモデルチェンジにより、グローバルに通じるマツダ3の名前で日本でも売られるようになりました。それが、オーディオに力を入れているというので話題を呼んでいるというので、調べてみました。


調べてみると、思いのほか真剣にオーディオに力を注いでいることがわかってきました。通常マツダでは、クルマ設計の初期段階ではシャシーやエンジンをレイアウトして骨格が出来上がった後、空いたスペースにどのようにスピーカーをレイアウトするかを考えてきましたが、マツダ3では開発の初期に、エンジンやシャシーと同時にスピーカーレイアウトを決めたそうです。このおかげで、音響性能のための理想のレイアウトを確保できたとのことです。

これが現れているのが、ウーファーの位置。今、僕らはフロントのウーファーはドアに付いているのが当たり前のように思っていますが、マツダはその位置さえも一から考え、低音が効率よく鳴るポジションを解析。その結果を考慮して、カウルサイドと呼ぶ、Aピラーの付け根の下あたりに決定したのです。

ドアから低音を鳴らすウーファーを無くしたことで振動にも有利。また開口部が少なくなり、クルマ全体の静粛性もアップしています。これでオーディオを聴く環境としての性能も向上しており、一石二鳥。カウルサイドのウーファーは3リットル程度のエンクロージャーに入れられており、外への音漏れが少ないのもいいですね。

このスピーカーレイアウトは、オーディオメーカーが決定する前にマツダが独力で検討したそうで、これによりオーディオメーカーに依存しないで全マツダ車共通のコンセプトを実現できるという強みも得ました。つまり今後のマツダ車には、マツダ3で培ったノウハウを生かして、マツダ車共通コンセプトのもとで音創りを進めていくのでしょう。今後も楽しみです。

ドアの上部には8cm口径のミッドレンジが組み込まれ、ドアミラー裏のスペースには2.5cmツィーターが埋め込まれていますが、これは極力、反射音を無くして直接音を聴くという狙いから。まるでプロショップによるインストールのようですが、これが純正で付いているのだから、システムアップもしやすくなりそうです。

しかも、新しいマツダ3ではタイムアライメントも採用。システムには運転席用と全席用の音を選択できるようになっています。このあたりも、プロショップ的ですね。反射音を減らしてできるだけ直接音を聴くような中高域のスピーカーレイアウトだと、定位も出やすく音像がはっきりわかりそうです。これは期待大です。ちなみに、この「マツダ・ハーモニック・アコースティックス」という純正システムのスピーカーはパイオニア製とのこと。ソースユニットは、もう一つのP社という噂です。またボーズのプレミアムオーディオも用意されています。

これなら純正でも十分かな? と思うでしょうが、やはり音楽好き、オーディオ好きならシステムアップしますよね(笑)。ということで、考えてみました。

フロント3ウェイのスピーカーは当然入れ替えたいと思います。ツイーターとミッドレンジは、各メーカーから出ているし、価格帯も様々なので、好きなオーディオ・ブランドや予算に応じて選べば良いかと思います。問題なのはウーファー。12cm口径ということなので、頑張って13cmスピーカーが入れば問題ないのですが、もし入らなければけっこう面倒なことになりそうです。
ブラムの8cmミッドレンジ、MS3.55は55,000円(ペア/税別)

約3リットルのエンクロージャーも、そのまま使えるかどうかが気になるところ。3リットルだから、そんなに大きなスピーカーは組み込めないだろうし、場合によっては背圧処理の工夫も必要かもしれません。個人的には、ここでの低音は欲張らず、12〜13cmのスピーカーを組み込んで、サブウーファーを追加してより低い周波数を鳴らす構成にすると思います。

ヘッドユニットは外して市販機に入れ替えるわけにはいかないでしょう。マツダ・コネクトはカーナビからオーディオ、インフォメーション、コミュニケーション、設定まで総合コントロールができるし、Apple CarPlayやAndroid Autoにも対応していて、一度これを使ったら、やめて市販機にというわけにはなかなかいかないと思います。

もしそうしたいといっても、インパネの大加工をしなければならないでしょう。ここは純正システムに追加できるDSPやDSPアンプの出番かと思います。DSPアンプは、オーディソン のプリマ・シリーズやマッチなどがありますし、DSPはやはりオーディソン のbitシリーズやヘリックスのDSPプロからブラックスのBRAX DSPまで、最近数がものすごく増えているので、こちらも予算や好みに合わせて選べます。
オーディソン のアンプ内蔵DSP、AP8.9bit 100,000円(税別)

純正スピーカーはフロント3ウェイ+リア左右の計8スピーカーシステム。ボーズのシステムになると、これにサブウーファーはリアのサテライトスピーカーなどが加わるようですが、オーディオのシステムアップが前提だと、ボーズは選ばなくていいですね。

マツダが「好みの音量で聴けるポテンシャルを持ち、音楽に忠実な再生を行うことで音楽再生の土台を提供する」ことを目標に開発したマツダ3。スピーカーレイアウトを含む設計段階からオーディオに力が入っているので、スピーカーの入れ替えやDSP(アンプ)の追加だけでも、かなりの音質向上が期待できそうです。こちらも参考にしてもらうとして、早くどなたか試してみてください(笑)。