サイアコのDSPアンプを調べてみました

先日、ちらっとSaiaco(サイアコ)のDSPアンプについて触れましたが、気になったので調べてみました。

サイアコは台湾のメーカー。台湾といえば、今回の新型コロナウイルスの対応でも話題になったようにIT化が進んでいるというイメージです。若いIT大臣を据え、スマートフォンでマスクの在庫状況を追えるアプリを1日で作るなど、物凄いスピード感で対応していました。

サイアコのDSPアンプもスマホを活用したチューニングには長けていて、専用アプリをスマホにダウンロードしておけば、簡単にいつでもどこでもセッティングできるんですよね。これは便利です。


調整機能は、左右独立の左右独立31バンド・パラメトリックイコライザー、タイムアライメント、クロスオーバー調整、位相反転、音調調整。資料にはタイムアライメントがどれだけ細かい刻みで設定できるかとか、クロスオーバー調整の範囲などは書かれていないし、パラメトリックイコライザーで31バンド? などという不可解な部分もありますが、DSPの基本的な機能は備わっているので、細かい調整が可能です。福岡のカーオーディオ専門店、エモーションのブログによるとタイムアライメントは1cm刻み、クロスオーバーは-6dB/octから-24dB/octの範囲、イコライザーはQを可変できるグラフィックイコライザーという感じのようです。

入出力はハイレベル/ライン共に4chの入力とハイレベル4ch、ライン6chの出力と書いてあります。ハイレベル4chの出力とは、内蔵アンプから出た出力ということでしょう。光や同軸、USBのデジタル入力がないのでハイレゾ音源を受ける場所がないのは残念ですが、内部では192kHz/24bitで処理しているようです。またBluetoothオーディオの再生機能を搭載。そのため、スマホで再生した音楽をワイヤレスで再生できます。対応コーディックはA2DP、AVRCP、HFP、TWS、AAC、I2S、APTX、APTX-LL。LDACには対応していませんが、面倒な配線無しに手軽に音楽を楽しめるのは良いですね。

ハイレゾをネイティブで聴きたい人には物足りないかもしれませんが、なにしろ4chパワーアンプを内蔵したDSPが5万円! この金額だから、純正ヘッドユニットの交換が難しくてオーディオのグレードアップを諦めていた人にはものすごくありがたいものだと思います。

5万円のモデルは、HSA-300-31というモデルで内蔵アンプは最大出力50W×4。定格で30W×4です。ライン出力は6chだから、サブウーファーを加えることもできそう。ここにパワードサブウーファーを加えれば手軽にグレードアップが図れます。また 5chアンプを内蔵したHSA-410-31(78,000円/税別)とHSA-800(105,000円/税別)というモデルもありますが、この価格だとちょっと金額をプラスすれば他メーカーのものも手に入りそうなので、手軽にグレードアップを図るならHSA-300-31がおすすめかと思います。

エモーションのブログを読むと、音も悪くなさそう(自分では聴いていません。ごめんなさい)。いずれにしても、純正システムが替えづらいクルマのオーディオ・システムをベースに手軽に音質アップを図るなら、調整機能を手に入れることが重要で、それが可能なアイテムではあります。サイズも幅145×奥行114×高さ40mmとコンパクトだからシート下など、ちょっとした空きスペースに装着できそう。

何度も言いますが、ハイレゾのネイティブ再生はできません。が、ハイレゾを買うよりも、Bluetoothで簡単に音楽を聴けたほうがいいという人も多いはず。そんな音楽好きにはおすすめかと思います。なお、純正システムへ接続するためのハーネスはトヨタ/ダイハツ用、ニッサン/スバル/マツダ用、ホンダ用、ホンダ/スズキ用、マツダ用、BMW/VW用、VW/アウディ用、ルノー用、汎用が用意されていて各4,000円(税別)。注文の際は、実車のカプラー形状を確認してください。