絶対に失敗しないスピーカー選びのコツとは?

スピーカーを選ぶ基準はいろいろあります。ワイドレンジかナローレンジか、解像度が高いかそうでもないか、レスポンスが良いかそうでもないか、音色がドライかウェットか、音が軽快か重いか…etc。さまざまな基準がスピーカー選びにはあるわけです。となると、多彩なブランドや価格の中から、お気に入りの1台を選ぶにはけっこう難しいもの。そこで、失敗しないスピーカー選びについて考えていきましょう。


まずは、自分の好きな音を知ること。これが一番重要かと思います。たとえばネットで評判が良いスピーカーを買ってみたらそうでもなかったとがっかりしたり、コンテストで上位に入賞したクルマに付いていたからと入手したら、確かに音は良いんだけど好みの音とはまっったく違っていたというのは良くある話。やはり、自分の耳で聴いてみて納得した上で購入することが重要です。なので、ディスプレイでさまざまなスピーカーを聴き比べられる環境のあるショップに出かけて実際に音楽を聴いてみることが重要。自分で普段良く聴いているCDなりのメディアで聴き比べできる環境があるなら、なお良いと思います。

そして予算は重要です。まず上限いくらまでというラインを決めて、それを超えない範囲に収まるスピーカーをいろいろ聴きまくること。たとえば10万円というラインを決めたら、上限ギリギリのものから2〜3万円クラスのものまで、とにかく聴きまくるのが良いでしょう。あんがい、安いスピーカーからお気に入りのものが出てくることもあり、それはそれで儲けもの。予算の余り分は、美味しい食事に回すのも良いし、CDなどの音楽に回す手もあります。他の機器に回して、さらにグレードアップを図るのも良いですね。お好きに使いましょう。

では実際に音を聴くポイントです。まずはレンジが広いかどうかですが、これはハイレゾ音源を聴いてみるとわかると思います。20kHz以上は人間の耳には聴こえないと言われているし、ましてや加齢によってさらに高域が聴こえなくなっている人も多いとは思います(笑)が、聴こえない帯域でも皮膚で感じることができるもの。そのへんの感覚を生かして、高域の伸びを確認したいものです。ただし、いくらスペック上では高域が出ていたとしても、可聴帯域の限界付近で周波数特性のディップがあったりすると、なんか詰まった音だと感じる場合もあります。そんなスピーカーは避けたほうが無難かと思います。

解像度は聴けばわかりますよね。細かい音、弱い音まで浮かび出るように聴こえてくれば解像度が高い音だし、そのあたりがもやもやしてスッキリしなかったら、解像度はあまり良くないと言えます。レスポンスはドラムスのアタック音とかホーンの音の出だしなどを聴けばわかると思います。ざっくりいうとスネアなんかの音の立ち上がりがスパーンとしていてはっきりした音がレスポンスが良く、音の立ち上がりが弱くてはっきりしないのがそうでもないスピーカーとも言えます。

音色がドライかウェットか。これはアメリカ系のブランドが総じてドライ、ヨーロッパ系のスピーカーがウェットとも言われますが、実際に聴いてみて判断してください。録音自体が、ドライ系だったりウェット系だったりの録音ということもありますので、音源によるものもあります。そのあたりを聴き分けるには、いろんな音楽をたっぷりと聴くことが重要です。

音が軽快か重いかも実際に聴いて判断しましょう。バスドラムの音を聴けばだいたい判断できると思います。バスドラムの音がドフッと腹に響くなら重い音、バスドラムの音がパンパンと軽ければ軽い音と言えます。

あと高域重視か中域重視か低域重視かというテーマもあります。これは音を聴いた時の第一印象で、どの帯域に耳が行くかで考えると良いと思います。どの帯域も満遍なくフラットに出ているのが理想ですが、シンバル等の音に耳が行きがちなら高域重視、声や ホーン等が印象的なら中域重視、それよりも低いベースなどの音が充実していれば低域重視と言えるでしょう。ボーカル系の音楽を良く聴くなら、中域重視のものが良いだろうし、リズム系、ビート系の音楽が好きなら低域重視が良いかもしれませんね。

他にも2ウェイか3ウェイか、サブウーファーを加えるかなど、システム的な問題もあります。3ウェイは、もともと純正で3ウェイ構成のスピーカーが付いているならわりと楽ですが、後からミッドレンジを加えるとなるとハードルは一気に高くなります。サブウーファーは、もともと加えるのが前提ならフロントスピーカーの低域はさほど気にしなくて良いし、サブウーファーは付けないというならフロントだけで十分な低域が鳴らせるスピーカーを選ぶべきだと思います。

さらに低域から高域まで、音色に統一感があるかというのも大問題。高域だけ音色が違っていて浮いて聴こえるとか、低域と高域がはっきり分かれて聴こえるというのはあまり良くないことで、やはり低域と高域がスムースにつながって一体感のある音が良いと思います。そういう意味では、ウーファーとツィーターの振動板に同じ素材を採用したダイヤトーンなどは有利かと思います。

個人的にはワイドレンジで高解像度、レスポンスに優れて音色はニュートラルな2ウェイ・スピーカーが理想ですが、それは個人の好みによるもの。人によって、それぞれの好みがあると思います。理想的な音で音楽を楽しむためにも、音楽をいっぱい聴いていろんなスピーカーを聴いて、自分の好きな音を見つけ出しましょう。そして、最も重要なのはそのスピーカーのポテンシャルを100%引き出すことができるお店を見つけること。実は、ここが大事なのでお店とのコミュニケーションは大事にしましょう。