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光城精工から車載用の第2弾。PUREコンディメンタ登場

昭和の日の休日ですが、昨日、注目の機器のニュース・リリースが届いていたので紹介します。大人気のカーオーディオ用仮想アース、VE-01(26,000円/税別)を開発した光城精工がカーオーディオ用製品の第2弾としてピュア・コンディメンタ、Nve-03(39,000円/税別)を発表。6月1日から発売します。

ピュア・コンディメンタとは聞きなじみのないネーミングですが、要するにカーオーディオ用電源フィルタと仮想アースを組み合わせたもの。電源フィルタによって電源のノイズをクリーンにして、VE-01と同じ仮想アースによってボディアースのノイズ低減も行います。このような新発想のコンディショナがピュア・コンデメンタというわけです。

電源フィルタを構成しているフィルム・コンデンサには、同社ホームオーディオ向け製品にも採用されている、高周波特性に優れた岡谷電機製のノイズサプレッションキャパシタ、およびTDK製EMIサプレッションキャパシタを採用。高信頼性パーツによる優れたノイズリダクション効果が期待されます。

聴感上の特性を重視したのも特徴。ノイズリダクションという観点では、幅広い周波数帯域に対して減衰効果を発揮することが望まれますが、オーディオの場合は帯域を広げることで聴感上の特性にも影響を及ぼすのが難しいところ。そこで試聴先行で開発を行い、その結果どのような結果になったかという測定データも公表されているので安心感がありますね。

Nve-03に採用されたフィルタの減衰特性ですが、200kHz付近から減衰が始まり1MHzあたりで約-40dBに達しています。これは1Vのノイズレベルがあった場合100分の1の0.01Vまで減衰させる能力があるということなので、大きなノイズ低減が期待できますね。

従来の電源フィルタはおもに大容量のコンデンサやチョークコイルとの複合回路。これらは比較的低い周波数帯域に対して、大きなノイズ低減効果を発揮します。一方、最近の車載機器はデジタル化が進み、車内はさまざまな高周波ノイズが渦巻いています。Nve-03はこのような高周波ノイズに対応するべく高周波特性に優れたフィルムコンデンサを容量別に配列しているため、インバータやスイッチング電源、内部クロックなどが発生するノイズを減衰してくれます。

入出力の端子台は5端子タイプ。電源入力の±および出力の±に加え、中央にVE-01を増設するための端子を備えています。Nve-03にもVE-01同様のバーチャルアース機能を備えていますが、VE-01を追加することで、さらなる音質向上が測れるというわけです。また従来タイプの大容量コンデンサやレギュレータを組み合わせるのも可能。これで音質は一段とグレードアップするでしょうね。

VE-01の人気の高さからもわかるようにバーチャルアースの実力の高さは折り紙付き。そのバーチャルアース機能を備えながら、電源フィルタによりノイズを低減するのだから、音質向上は確実。しかもバーチャルアースを増設するのも簡単です。今のシステムをよりアップグレードして音質向上を図りたい人には必須のアイテムです。

クラウド対応のドライブレコーダーがLISWAYから

新型コロナウイルスのせいで新製品の開発が遅れていたり発表を延期したり、さまざまな影響が出ているようですが、そんな中でもLISWAYは新しいドライブレコーダーの発売を始めました。

それが、4G/LTEクラウド対応の2カメラ・ドライブレコーダー、DR750-2CH LTE(参考価格52,300円)です。製品の説明の前にLISWAYの説明から。この会社は、2011年から高性能かつコストパフォーマンスに優れたドライブレコーダーを世界のベンチャー企業の集めて販売してきました。このところのドライブレコーダーの普及に寄与してきた会社です。

そんなLISWAYに最近多く寄せられているのが「クラウドサービスに対応したドライブレコーダーが欲しい」という要望。ドライブレコーダーは運転中の周囲の状況等を記録できますが、それだけではなく駐車中の盗難やいたずら対策などにも対応したクラウドサービスが欲しいという声が増えてきたというのです。

そこで販売に至ったのが今回のDR750-2CH LTE。ナノSIMのスロットを装備しているので、そこにSIMを差し込んでおけばクラウドサービスへ直接ログインして利用可能です。これにより、スマートフォンやパソコンでリアルタイムに映像を見たり走行中の位置や速度、異常等の確認もできるというわけですね。もちろん駐車中の監視も可能です。

Wi-FiやGPSモジュールを内蔵しているので、外付けの装置は不要。フロントカメラは1080P/60fps、リアカメラ は1080P/30fpsで同時記録が可能。と資料には記載されていますが、実際は29.5fps/59fpsでフロント&リアともに西日本のLED信号にも対応しているみたいです。センサーはソニー製のSTARVIS。改良型ナイトビジョン機能を搭載しているので夜間の映像もクリアで鮮明です。

32GBのmicroSDカードを付属していますが、最大256GBのmicroSDに対応。最近のドラレコにしては高価ですが、クラウドでリアルタイムに映像を見られるのは魅力。盗難時にも心強い味方です。どこにいるのかはバレバレになりますが(笑)安心感の高いドラレコかと思います。

ラディカル・オーディオの薄型パワードサブウーファー

ラディカル・オーディオではこんなモデルも出しています。薄型設計のアンプ内蔵サブウーファー、RA-8M(35,000円/税別)です。

20cmユニットを搭載したモデルで、ボディサイズは幅290×奥行245×高さ70mm。最近のクルマはシート下の隙間があまりないので、シート下に置けるケースは少ないかもしれませんが、ちょっと古いRV車などでシート下に余裕のあるクルマなら置けるかもしれません。低音が加われば音楽の豊かさと迫力が増し、より音楽を楽しく聴けます。

再生周波数は20〜150Hz。20Hzが何dB落ちなのかは明記されていませんが、可聴帯域の最低限まで再生するそうです。ホントか!? というスペックですが、本当なら素晴らしいスペックです。

内蔵アンプの最大出力は150Wで、SN比は90dB。これが35,000円(税別)ならものすごくお買い得だと思います。BASSボリュームリモコンも付属しています。この手のパワード・サブウーファーは室内に置くのが基本で、ラゲッジルームに置くとどうしても音が弱く感じることがあります。その点では使いづらい面もありますが、手軽さは魅力。アンプ内蔵DSPのDSP-35Aにセパレート2ウェイ・スピーカーのR650Cをつなぎ、このRA-8Mを加えれば金額はちょうど10万円(税別)。これでDSPを使った緻密なサウンド調整が可能なフロント2ウェイ+サブウーファー・システムが完成するわけですから、ものすごくコストパフォーマンスに優れたシステムをマイカーに導入できます。

ラディカル・オーディオの手軽なスピーカーです

途中、ブラムの新製品情報を挟みましたがラディカル・オーディオに戻ります。リーズナブルなセパレート2ウェイ・システムが出ています。

このR650C(20,000円/税別)は、25mmシルクドーム・ツィーターと165mmウーファーを組み合わせたセパレート2ウェイ・システム。ウーファーの振動板はPPコーンで、65〜22,000Hzの範囲を再生します。

インピーダンスは4Ωで定格入力は60W。ハイパワーなアンプじゃなければ、外部パワーアンプにも十分対応します。また出力音圧レベルは90dBとわりと高いので、内蔵アンプを使っても鳴ってくれると思います。

ウーファーの取り付け奥行きは64mmだからインナーバッフルでも取り付けられそう。いかにも「オーディオを替えました」的な取り付けじゃなく、純正グリルのままさりげなく音が良いというクルマ作りにが似合いそうです。価格的にも、ライトなシステム用でしょう。まだ試聴はしていませんが、カタログによると価格を抑えながら本格的なヨーロピアントーンが楽しめるそうです。

アンプ内蔵DSPのDSP-35Aとパワードサブウーファーを組み合わせれば、ぴったり10万円(税別)。手軽にDSPによる本格的なサウンド調整が可能なシステムが完成するのは魅力的です。

ブラムはパワーアンプもラインナップしています

ブラムの新製品情報の続きです。Relaxシリーズからリーズナブルなパワーアンプが2モデル出ています。

4チャンネル・アンプのRA754D(36,000円/税別)とモノラル・アンプのRA251D(27,000円/税別)の2台で、コンパクトなボディが特徴。RA754Dは幅188×奥行92×高さ36mmなので幅は1DINサイズよりも1cmほど大きい程度。RA251Dは幅152×奥行92×高さ36mmなので、MaxとかPlusが付いた大きいほうのiPhone並みの表面積。とにかくコンパクトです。
   RA754D
   RA251D

このコンパクトなボディから発生する出力はRA745Dが50W×4(4Ω)、4Ωブリッジ時で150W×2。RA251Dは4Ω時150W、2Ω時は250Wです。一瞬「なんだ、4chモデルは内蔵アンプと変わらないじゃん」と思うかもしれませんが、内蔵アンプの表記は最大出力。対してこちらは定格出力ですから、全然違います。輸入モノには最大出力出力の表記はありませんが、もし最大出力を表記していたら、定格出力の倍近い数値になっているんじゃないでしょうか。

出力インピーダンスは2〜4Ω(ステレオ時)なので、ブラムの2Ωスピーカーも問題なく使えます。両モデルともクロスオーバーを内蔵。RA754Dはハイパス100Hz、ローパス120Hzの固定式で、クロスオーバーを使わずフルレンジの再生も可能です。RA251Dはサブウーファー用なのでローパスのみ。周波数は35〜500Hz可変で、45Hzを0〜12dBの範囲で調整できるベースEQも内蔵しています。またRA251Dのみリモートコントローラーを付属。サブウーファーの音量を手元で調整できます。

コンパクトだから取り付け場所を選ばないし、お手頃価格なのもうれしい点。外部パワーアンプを使ったグレードアップは感じられると思います。Relaxシリーズのスピーカーと組み合わせて、お手軽に音楽を楽しむシステムを構築してみてはいかがでしょうか。

ブラムのサブウーファーが計7種類登場

Liveシリーズ、Relaxシリーズともにリニューアルしたブラムですが、サブウーファーもLiveシリーズ、Relaxシリーズともに一新しています。

Liveシリーズは25cm口径のLS P25(34,000円/税別)と20cm口径のLS P20(26,000円/税別)の2種類。インピーダンス2Ω×2のデュアルボイスコイル・タイプです。出力音圧レベルはLS P25が92.5dB、LS P20が89.4dBで再生周波数帯域はLS P25が30〜500Hz、LS P20が35〜500Hz。両モデルともシールド・タイプのエンクロージャーを推奨していて、容量はLS P25が15〜45リットル、LS P20は10〜25リットルが推奨です。
   LS P25
   LS P20

取り付け奥行きはLS P25が140mm、LS P20が122mm。オーソドックスなサブウーファーですが、ギーさんが作ったものだから期待ができます。実はギーさん、無類の低音好きなんですよね(笑)。まだフォーカルにいてカーオーディオ部門の責任者をやっていた時代、フランスでのセミナーに取材に行ったことがあり、そこでギーさんのクルマの音を聴く機会があったんですが、その低音の音圧とクオリティには驚きました。そんなギーさんが作ったサブウーファーだから、悪いわけがないと思うわけです。

Relaxシリーズのサブウーファーはユニット・タイプが3モデル、ボックス・サブウーファーが1モデルです。ほかに、25cm薄型サブウーファー用のボックス単体(ユニット無し)も用意されています。
   R12

ユニット・タイプは30cm口径がR12(16,000円/税別)とRS12(18,000円/税別)、25cm口径のRS10(16,000円/税別)の計3種類です。R12は取り付け奥行き138mmとオーソドックスなサブウーファーですが、インピーダンス2Ωで出力音圧レベル94dBの高能率。推奨容量20〜50リットルのシールド・ボックス、または30〜50リットルのバスレフ・ボックスのどちらでもOKな使いやすさがあります。

RS12とRS10はスリムなボディが特徴。取り付け奥行きはRS12が67mm、RS1066mmとLiveシリーズの165mmウーファーよりも短い奥行きです。Relaxシリーズの165mmウーファーと比べても3〜4mm長い程度でしょうか。
   RS12
   RS10

だから取り付けスペースに制限のある車にはぴったり。薄く仕上げたエンクロージャーでも迫力の低音を再生してくれます。再生周波数帯域はRS12が30〜500HzでR12と変わらず。RS10でも35〜500Hzと、低い方が5Hz上がっただけですから、十分でしょう。

推奨エンクロージャーはシールドで、RS12が15〜40リットル、RS10は10〜30リットルでOK。RS10専用の別売ボックス、CR25(15,000円/税別)もシールド・ボックスでユニットが下向きに付いてゲタを履いたようなスタイルをしています。おそらくラゲッジルームの床をプレッシャーボード代わりにして、低音を車内全体に広げる造りなのでしょう。これなら上に荷物を載せても大丈夫です。
   CR25

出力音圧レベルはRS12が87.5dB、RS10で86.2dBと、R12に比べると少し低いですが、この薄いボディは魅力。サブウーファーになるべくスペースを取られたくないから導入を悩んでいる人には強い味方です。

最後にボックス・サブウーファーのCR30(34,000円/税別)。これはバスレフ・エンクロージャーにR12を入れたモデルですが、インピーダンスが4Ωなので2Ω対応ではないパワーアンプでも使いやすいと思います。サイズは幅500×奥行200×高さ360mm。3万円台のお手頃価格で手に入れられる、気持ちの良い低音です。
   CR30

ブラムで最もリーズナブルなRelaxシリーズも進化

昨日はブラムの主力スピーカー「Liveシリーズ」のモデルチェンジを紹介しましたが、ベーシック・スピーカーの「Relaxシリーズ」も同時にリニューアルしました。

新発売されたのはセパレート2ウェイシステムの165RX2(27,000円/税別)と165RS2(22,000円/税別)、そしてコアキシャル2ウェイの165RC2(18,000円/税別)は近日発売予定となっています。ウーファーはすべて165mm口径。これは型番からも想像できますね(笑)。
   165RX2
   165RS2

従来の165RSや165RX、165RCがリニューアルしたパターンですが、ツィーターの振動板を日本製のシルクドーム素材に変更するなど、マテリアルの選択を見直しながらアップグレードを行なっています。
   165RC2

スペックを見ると全モデル同じで、再生周波数帯域は60Hz〜25kHz。入力インピーダンスは2Ωで、出力音圧レベルは95dBと高能率な数値を持っています。これなら、外部アンプを使わずデッキやカーナビ等の内蔵アンプに繋いでも軽々となってくれるでしょうから、内蔵アンプを使った簡単なシステムで手軽に音質向上を図りたいという人にもぴったりかと思います。この場合、内蔵アンプが2Ωに対応しているかが気になりますが、今の内蔵アンプは優秀なのでほぼ大丈夫だと思います。

ツィーターのシルクドーム振動板が日本製に変わったとはいえ、狙っているのはフレンチ・サウンド。クリアなヴォーカルやタイトなキックドラム、繊細かつソフトでノビのある高域など、音楽の楽しさが詰まった作りです。そこには設計者のギー・ボンネヴィル氏の音楽好きとしての思いが込められているのでしょう。音楽の新たな魅力を発見できる、手軽で楽しいスピーカーです。

注目のブラムから一新したLiveシリーズ・スピーカー

最上級のシグネチャー・マルティックス・シリーズの評判が良く、それとともに人気が高まっているフランスのブランド、ブラム。その中核となる「Live」シリーズが、一新しました。

新しいLiveシリーズには、同じ165mmの口径ながら、音の好みや用途に応じてさまざまなタイプが用意されています。もっとも上位のモデルがL165P(63,000円/税別)。これはパワー・ユーザー向けの製品で、高いパワー・ハンドリングが重量感のあるサウンドを生み出します。

   L165P

ウーファーの振動板は軽量かつ高剛性のファイバー・ブラス。エクストラ・ロングボイスコイルは32mmと大きく、85mm×20mmの大型可動部アセンブリを持っているのが特徴です。これが、重量感のある低音と迫力たっぷりのサウンドを生み出す秘密でしょう。

付属のクロスオーバーネットワークはウーファー用とツィーター用が分かれたセパレート・クロスオーバーなのでバイアンプ接続も簡単。それぞれのネットワークが小さいので、取り付けも楽です。25mmツィーター用のハイパス・クロスオーバーにはレベル調整機能も装備。クロスオーバー周波数は4kHzでスロープはウーファー側のローパスが-6dB/oct、ツィーター用のハイパスが-12dB/octの非対称型という設計です。

インピーダンスは3Ωで、出力音圧レベルは91.7dBだから大型ボイスコイルの割には高能率。再生周波数帯域は50Hz〜25kHzです。取り付け口径は142mmで、取り付け奥行きは76.2mm。奥行きが長いのでトレードインでは簡単に付けられないクルマも出てきそうですが、それでもブラムならではの迫力あるサウンドを楽しみたい人におすすめです。

   165LQS

165LQS(45,000円/税別)は振動板の素材に、竹繊維で補強されたセルロース・パルプを採用。1980年代のアナログ・レコードのサウンドを彷彿とさせるウォームなサウンドが特徴のスピーカーです。入力インピーダンスはウーファー2Ω、ツィーター3Ωで出力音圧レベルが93.3dBという高能率。デッキやカーナビ等の内蔵アンプでもダイナミックに鳴ってくれるモデルです。

付属のクロスオーバーネットワークはL165Pと同じセパレート型でクロスオーバー周波数およびスロープもL165Pと同じ。取り付け口径も142mmと同じですが奥行きは71.2mmと若干短くなっています。そのためか再生周波数は74Hz〜25kHzと、低域側が弱くなっていますが、アナログ・サウンドをウォームに楽しむなら十分だろうし、もの足りないならサブウーファーを加えれば問題ないでしょう。古くからのアナログ・サウンド好きには気になるスピーカーです。

L165S(58,000円/税別)は軽自動車などドアの奥行きが少ないクルマや、インナーバッフルを使って見た目を変えずにさりげなく音質の向上を図りたいユーザーに向けたシャロウ・ウーファー採用のモデルです。ウーファーの取り付け奥行きは62mmだから、多くのクルマに楽に取り付け可能。それでも見た目に反してパワフルなサウンドを生み出します。

   L165S

クロスオーバーはツィーター用のハイパスのみで、ウーファーはローパスをかけずに自然な減衰に任せる仕様。インピーダンスは3Ωで出力音圧レベルは90.6dBです。再生周波数帯域は55Hz〜25kHz。わりと低い周波数まで再生します。さりげなく高音質を狙う人にはおすすめのスピーカーです。

最後にL165A(53,000円/税別)とL165C(42,000円/税別)。これらは新LiveシリーズのベーシックともいえるモデルでL165Aがセパレート2ウェイ、L165Cがコアキシャル2ウェイです。アコースティック楽器のサウンドにフォーカスし、ディテールやダイナミズムを重視。快活なサウンドを生み出します。

   L165A


   L165C

スピーカーの振動板はファイバー・グラスを採用。L165Aの付属クロスオーバーネットワークはセパレート・タイプで、バイアンプ接続に対応しています。取り付け奥行きは両モデルとも71.2mm。インピーダンスは基本2Ωで、L165Aのツィーターのみ3Ωとなっています。出力音圧レベルはL165Aが92.8dB、L165Cが93.2dB。両モデルとも能率が高く、内蔵アンプに接続しても元気に鳴ってくれるでしょう。

ブラムの魅力は音楽性の高さ。音楽を生き生きと楽しく再現してくれる良さがあります。新しいLiveシリーズはライブ・コンサートのエモーションを再現し、リアル・ミュージックのセンセーションを正確に映し出すことがコンセプト。音楽ファンには大注目のスピーカー群です。

6チャンネルアンプ内蔵DSPもあります

スイスが発祥の新ブランド、ラディカル・オーディオの続きです。DSP内蔵アンプがもう1モデル出ます。

こちらのモデルはDSP RA6(65,000円/税別)。6chパワーアンプを内蔵しています。またRCAプリアウトを2ch装備しているのでDSPでは8ch分の調整が可能です。入力はハイレベルのみの6ch分。昨日紹介したDSP-35Aはパワーアンプ内蔵DSPという肩書でしたが、こちらはDSP内蔵アンプ。構成的にはアンプの出力数が違うだけで同じだと思うのですが、DSP-35AはDSPがメインでパワーアンプはサブ、DSP RA6はその逆であくまでもパワーアンプがメインということなんでしょうね。

そのアンプは定格出力が75W×6。DSP-35Aの内蔵アンプと比べて定格出力が倍増以上です。クラスDの動作を採用しているのでボディはコンパクト。幅223×奥行160×高さ49mmは1DINサイズより4〜5cmほど幅が広いですが、コンパクトなのに違いはありません。

DSP部分はDSP-35Aとほぼ同じ内容で、32bitプロセッサーと24bit D/Aコンバーターを搭載。クロスオーバーは-6、-12、-18、-24、-36、-48dB/octのスロープに調整でき肩特性は3種類から選べます。タイムディレイは0〜15ms(0〜518.99mm)の範囲で調整可能。31バンド・パラメトリックイコライザーはCH1〜6が20〜20,000Hzの周波数を-15〜+15dBの範囲で上下できQは0.3〜15の範囲で設定可能。サブウーファー用のCH7〜CH8は20〜200Hzの範囲を-15〜+15dBで調整できQは0.5〜15の範囲で設定できます。

SN比は90dBだからDSP-35Aよりもわずかに向上。歪率0.01%と、こちらはDSP-35Aのほうが良好な数値ですが、聴感上はどうなのかはわかりません。もっとも大きな違いは光と同軸のデジタル入力を各1系統ずつ装備していることでしょうか。そのためDAPなどの外部オーディオプレーヤーを接続できます。ハイレゾに関する記載はないのでネイティブで再生できるかは不明ですが、DACが24bitなので可能性はあります。

もちろんDSP-35A同様、別売のBTオーディオレシーバーも容易。これをUSBポートに接続すれば、スマホで再生した音楽をブルートゥースを通じて手軽にワイヤレスで再生できます。DSP RA6用のBTオーディオレシーバーは、DSP-35A用と同じ8,000円(税別)です。

もうひとつ大きな違いは、RCA出力のチャンネル数。DSP-35Aでは6ch分装備されていて外部アンプのシステムアップが可能でしたが、DSP RA6のRCA出力はサブウーファー分の2chのみ。これはDSP RA6はあくまでもパワーアンプとしての機能がメインというところから来ているのでしょう。35W×4のアンプではちょっと非力でシステムアップしたくなるでしょうが、DSP RA6には75W×6のアンプがあるのでアンプのグレードアップは不要という考えでしょう。

ボリューム調整や入力切り替え、設定メモリーの切り替えができるリモートコントローラーも別売で5,000円(税別)。これはDSP-35A用とは異なる専用の横長のデザインです。Webサイトからダウンロードできる無料の調整用PCソフトも、DSP-35AとDSP RA6では異なるデザインのようですね。

6chアンプがあれば、すべてフロント用に使って3ウェイ・マルチアンプ・システムを構成できるし、フロント2ウェイ+リアスピーカーを鳴らすのも可能。サブウーファー用は別にRCA出漁があるので計4ウェイのマルチアンプ構成ができます。これなら出力的にも十分でしょう。65,000円(税別)でこれだけの機能を持っていれば、コストパフォーマンス優秀。純正システムを活かしたまま、オーディオのクオリティアップを果たしたいと考えている人には気になるモデルといえるでしょう。

ラディカル・オーディオの新製品情報です

先日、ちらっと情報をシェアしたRADICAL AUDIO(ラディカル・オーディオ)の情報です。DSPを内蔵したパワーアンプが2種類発売されました。

製品の説明の前に、ラディカル・オーディオの説明を。スイスが発祥のメーカーで、ヨーロッパトーンが心地よいスピーカーやDSPアンプなどをラインナップしているメーカーだそうです。と思って「RADICAL AUDIO Switzerland」で調べてみましたが、どうしてもサイトは出てきません。代わりに出てくるのはマレーシアとかシンガポールのサイトのみ。どうやら、今はアジアを中心に販売を薦めているようですね。ただしここで出てきたシンガポールのRFエレクトロニクスのサイトでは「スイス・メイド」と書いていたので、生産はスイスで行われているものと思われます。

そんなラディカル・オーディオですが、リーズナブルなのが最大の特徴。4chアンプ内蔵のDSP、DSP-35Aがなんと45,000円(税別)という安さです。内蔵アンプは定格出力35W×4でRCAのプリアウトも6ch分装備。プリアウトの出力音圧レベルは4Vなので、十分でしょう。

入力はハイレベルとRCAが各4chずつ。残念ながらデジタル入力はありませんが、別売のBTオーディオレシーバー(8,000円/税別)をつなげば、スマートフォンなどからワイヤレスで音楽を飛ばすことができます。価格から言っても、このような手軽な使い方がメインなんでしょうね。

DSP部分は32bitプロセッサーを搭載し、D/Aコンバーターは24bit。クロスオーバー、タイムディレイ(アライメント)、31バンド・パラメトリックイコライザーの調整ができます。クロスオーバーは-6、-12、-18、-24、-30、-36、-42、-48dB/octのスロープに調整可能。肩特性も3種類から選べます。タイムディレイは0〜15msの範囲で調整可能。調整できるステップは記載されていませんが、cmに直すと0〜519cmの範囲で設定できます。

イコライザーは6ch独立で20〜20,000Hzの範囲を調整可能。-18dBから+12dBまで調整できます。またQも変更可能。0.5〜9の間で好きなQに設定できます。たぶん、Qを緩やかにすると、調整できるイコライザーも制限されるんでしょう。じゃないと、グチャグチャになっちゃいますよね(笑)。

SN比は88dBで歪率は0.005%。サイズは幅175×奥行142×高さ43mmと、DINサイズよりもひと回り小さいコンパクトさなので、デッドスペースを見つけて設置するのも容易でしょう。

内蔵アンプが4chでRCA出力が6chだからちょっと少ないと思うかもしれませんが、これならフロント2ウェイにパワード・サブウーファーを加えてマルチアンプ・システムを構成できます。カーオーディオは調整がとても重要で、手軽な製品を使っていても調整次第で満足できる音に仕上がるもの。このようなリーズナブルなモデルでも、きちんと調整すれば音は良くなることうけあいです。純正システムの音に満足していないなら、これを加えて手軽なグレードアップを図ってみるのも良いでしょう。

オーディソンのパワードサブウーファーがアップデート

トライムの「春の新製品祭り」の続きです。オーディソンのパワード・サブウーファーがバージョンアップしました。

今回バージョンアップしたのは20cm(8インチ)ウーファーを搭載したAPBX8AS2(63,000円/税別)と25cm(10インチ)ウーファー搭載のAPBX10AS2(72,000円/税別)の2モデル。今回のアップデートでは、アンプ・モジュールにDBT(ダイナミック・ベース・トラッキング)という新技術を投入し、パフォーマンスの向上を図っています。

このDBTは入力ステージに実装されていて、入力信号をリアルタイムでモニターしています。そしてピークを事前に検知し、人間の聴覚システムに基づいて最適化されたパラメーターを使ってピークのアタックとリリースを事前に処理して歪みを防ぐわけです。その結果、聴感上の音圧や音質を損なわずに、ダイナミックかつ明瞭な低音を、大きな出力でも再生可能。従来の同社パワード・サブウーファーも薄型モデルとはまったく違う本格的な低音を再生していましたが、これはうれしいバージョンアップです。

肩特性がバターワースのローパスフィルターは、カットオフ周波数を50〜300Hzの間で調整可能。フィルターのスロープは-12dB/octです。ボックスは両モデルともシールド・タイプで、内蔵アンプの定格出力は20cmユニット搭載のAPBX8AS2が250W、25cmユニットのAPBX10AS2は400Wのハイパワーです。バスブーストはフェーズ・コントロールも搭載。バスブーストは45Hzを0〜6dBの範囲でアップでき、リモートコントローラーを付属しているので手元での調整も簡単。位相も0〜180度の範囲で調整できます。

サイズはAPBX8AS2が幅380×奥行294×高さ158mm、APBX10AS2は幅460×奥行338×高さ158mm。両モデルとも高さを158mmに抑えているので、ラゲッジルームの横に立てて置いたりすれば、それほどスペースを使わずに済むでしょう。フロアを15cmほど高くして埋め込み、空いたスペースにBit Oneなどのプロセッサーなどを置く手もありますね。これならフロアをフラットに仕上げられます。

音楽を下支えする低音が充実すれば、音楽が厚くなり迫力が高まること確実。純正システムに低音を加えるだけ音はガラリと変わるし、フロントスピーカーを含めてシステムをグレードアップすればクオリティは一気に高まります。低音フェチだからいうわけではありませんが(笑)サブウーファーの追加は、オーディオ・グレードアップの第一歩。ぜひ、サブウーファーの増設をお勧めします。

オーディソンからPrimaシリーズの新スピーカー登場

オーディソンやブラムの製品を輸入しているトライムの「春の新製品祭り」の一品です。オーディソンのPrimaシリーズに、新しいセパレート2ウェイ・システム、APK165P(28,000円/税別)が追加されました。

このAPK165Pは定格入力が115W。最大345Wの耐入力を持つので、DSP内蔵アンプのAP F8.9bitを始め他のPrimaシリーズと組み合わせてハイパワー・システムを構築しても、十分に対応可能です。

ウーファーは、僕が勝手に蟻地獄型と呼んでいるVコーン。オーディソン・スピーカーの独特な形ですが、量感たっぷりの低音を再生します。振動板の素材自体は従来のAPK165と変わっていないようですが、振動板にロゴがプリントされていないのと、エッジがギャザー・タイプから一般的な丸いものに変わっているという違いが見られます。

またツィーターのマウント方法が幅広くなりました。グリルは従来同様のメッシュグリルのほか、上位スピーカーをイメージさせるスポークグリルも付属しています。これは、メッシュグリルがユニット保護を重視しつつパフォーマンスを両立させるためのもの。スポークグリルはより振動板前面のヌケが良くなるため、パフォーマンスの最大化を狙ったものです。

これらはどちらもAピラーへのインストールを意識したものですが、純正位置へ取り付けるためのプレートも付属。またフラッシュマウントやアングルマウントのアタッチメントも装備しているので、さまざまな取り付けに対応しています。これはありがたいですね。

出力音圧レベルは92.5dBと能率が高く、内蔵アンプでも使いやすい仕様。再生周波数帯域は50Hz〜24kHzと、低域側も高域側もAPK165(60Hz〜20kHz)より広がっています。取付奥行きは66.5mm。付属のクロスオーバーはクロスポイントが4kHzで、ハイパス側-12dB/oct、ローパス側6dB/octと非対称のスロープで、高域と低域のつながりの良さを考えた設計です。

AP F8.9bitなどのDSP(アンプ)を使っていればクロスオーバー・ネットワークは不要かもしれませんが、スピーカー単体でも音をしっかりと作り込んでいることは重要。コストパフォーマンスに優れたスピーカーだと思います。

セイワからハローキティのドライブレコーダー

新型コロナウイルスの影響で世の中が沈んでいるなか、ゆる〜いネタをお届けします。みなさん、和んでください(笑)。セイワが4月22日に、ハローキティのドライブレコーダー、KTR2000(13,600円/税別)を発売します。

ドライブレコーダーって、外から見てできるだけ目立たないものが普通と思っていましたが、これは思いっきり目立ちます。ピンク色のリボン付き。しかも耳のあるデザインで、どこからどうみてもキティちゃんです。1.5インチディスプレイの左右に3つずつあるボタンも、キティちゃんのヒゲのように見えてきました(笑)。

どうみてもおもちゃっぽい見た目ですが、ドライブレコーダーとしての性能は万全です。解像度は1920×1080のフルHD録画が可能。画角は対角160度なので、広い範囲を記録できて死角を減らせます。イメージセンサーはソニー製。しかもHDR/WDRを搭載しているので、トンネルの出入り口や高架下の日陰、建物の影など、明暗差が大きい場所でも、白とびや黒つぐれを抑えて鮮明に記録します。

録画モードは常時録画/手動録画/衝撃検知モードの3つ。キーオンにより、常時録画モードで記録を開始し、データは60秒ごとに分割されたファイルで保存。そのファイルは、古いものから自動的に上書きされて、常に新しい動画の記録が可能です。また、録画中にボタンを押せば、上書きされないロックファイルとして保存。さらに録画中に車両への衝撃を検知すれば、その前後の60秒ファイルをロックファイルとして保存するので、事故等を逃さず記録&保存できますね。

ワンプッシュで静止画を撮影できるクイック機能を搭載しているので、録画中でも録画を停止せずに写真の撮影が可能。これは、綺麗な風景に出会った時などに便利です。もちろんLED信号の色が消える問題にも対応。東日本と西日本のどちらの周波数にも対応しているので、わざわざ地域設定をしなくてもLED信号はしっかりと映ります。付属のmicroSDカードは16GB。これで約2時間50分の録画が可能です。

ハローキティの声で音声案内するのも特徴。「録画を始めるよ」とか「安全運転を心がけてね」とか「おつかれさまでした」「録画を停止するよ」などと、音声で案内してくれます。これ、男子のクルマだと恥ずかしいというか、ちょっと気持ち悪い感じもしますが(笑)、女子のクルマだと和みますね。ドライブレコーダー録画中のステッカーも可愛さ満載です。

付けるクルマや人を選びますが、女子のクルマには似合いそう。ただ、子どもがいると楽しくて触っちゃって、そのたびに調整するのが面倒な気もしますが(笑)。購入はサンリオオンラインショップで。Amazonでも買えます。

グラウンドゼロから最新セパレート2ウェイ・システム

こんな時期ですが新製品は発表されています。今回は、ドイツのカーオーディオ・ブランド、グラウンドゼロのスピーカー。16.5cmセパレート2ウェイ・システムのGZRC165.2SQ-IV(38,000円/税別)です。

振動板が光ってはいませんが、ウーファーの振動板にはアルミニウムを用いているそう。ツィーターは25mmのシルクドーム型です。特徴はウーファーに3Ωのボイスコイルを採用していること。アンプへの負担はありますが、一般的な4Ωよりも効率が高く能率90dBのエネルギッシュなサウンドが楽しめます。

またウーファー端子の近くにクロスオーバーを搭載しているのも特徴。ツィーター 用のクロスオーバーも別に付属しているので、バイアンプ接続も可能というわけです。DSPを利用したシステムだと、ツィーターとウーファーにそれぞれ別のパワーアンプを接続するわけで、この場合にパッシブ・クロスオーバーネットワークとタイムアライメントを組み合わせることもできるので便利ですね。

ツィーターは砲弾型のハウジングも付属しているので、ダッシュボードの上に置くような簡単な取り付けにも対応。もちろんハウジングを外してAピラーに埋め込むインストールも可能です。ウーファーのフレームはスチール、マグネットはフェライトとオーソドックスな作りですが、ドイツ製らしいダイナミックなサウンドが楽しめると思います。

ツィーターのネットワークには+2dB、0dB、-2dBに切り替え可能なアッテネーターを搭載。まあ、DSPを使っていれば、それでレベル調整ができるので不要でしょうが、ネットワークでの調整も可能です。

ウーファーの取付穴径は142.5mmで取付奥行きは68mm。まあまあ深いほうです。再生周波数帯域は35Hz〜26kHz。定格入力は120Wなので、まあまあ出力が大きいパワーアンプを接続しても大丈夫だし、能率が90dBなので内蔵アンプを使ってもそこそこ鳴ってくれると思います。という意味では、使い勝手は良さそうです。

新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発令されて、出歩くのを自粛している人も多いと思いますが、逆に言えば家で欲しい商品を選ぶチャンスでもあります。最終的にはお店に行って試聴してみるのが一番ですが、その前に気になる商品をじっくり見比べてみて、好みの製品を選んでみませんか。

オーディソンのプロセッサー、Bit One HDがVirtuosoに進化

オーディソンのデジタル・オーディオ・プロセッサー、Bit One HDがリニューアル。Bit One HD Virtuosoとして再登場しました。

オートメッセに展示してあって、そこで初めて目にしたわけですが、最初に思ったのは「なんて読むんだろう?」ということ。正直言うとその時は読めなかったのですが「ヴァーチュオーゾ」と読むそうです。イタリア語、難しいですね(笑)。

この「ヴァーチュオーゾ」とは、名演奏家とか巨匠といった意味があるそうです。この名前の裏には、数々の内部デバイスの変更が関連しています。まず、プロセッサーはアナログ・デバイセズのSHARCプロセッサーを採用。音響用電解コンデンサーにはエルナーのSILMICを使っています。

それ以外にも、オペアンプには低歪みでレスポンス・レートに優れたバーブラウンのSound Plusシリーズを採用し、D/Aコンバーターには24bit/192kHzに対応したシーラスロジックのCS4365とCS4385を搭載しています。さらにWIMAメタライズド・ポリプロピレン・フィルム・コンデンサーも採用し、クリーンでダイナミックな高域再生に貢献しています。SHARCプロセッサーやシーラスロジックのDACなどは従来モデルと同じですが、内部パーツをさまざまグレードアップしたことで、音質も大幅に向上。これが「ヴァーチュオーゾ」のネーミングにつながっているわけですね。

ソフトウェアも大幅にアップデートしています。たとえばFIRとIIRフィルターの切り替え。以前のバージョンでも両方使えましたが、切り替える時にそれぞれに対応したファームウェアにインストールし直すことが必要で、実用上は面倒でした。それが、ヴァーチュオーゾのバージョンではFIR/IIRの切り替えがインストールし直さなくてもできるようになり、使い勝手は大幅に上がっています。

FIRフィルターは基本的に位相のズレが発生しないため、クロスオーバー・スロープを急峻なカーブに設定しても位相ズレが起こらないし、イコライザーも正確にきめ細かく調整可能。プリエコーを気にする人もいると思うので、そのへんは好み次第ですが、ユーザーの好みに応じて簡単に切り替えられます。

パス・スルー・モードも便利な機能です。これは、サラウンド・システムなど、複雑な純正システムが実装されているクルマ向け。純正で5.1chや7.1chなどのサラウンド・システムが搭載されていても、その機能を損なうことなくBit One HD Virtuosoを中心としたシステムと統合できるんです。Bit Play HDなどの再生機器も用意すれば純正システムを利用したマスター入力とは別のシステム設定ができるので、純正システムの限界に縛られないハイパフォーマンスのシステムを創り上げることができます。

基本的なスペックを紹介しておくと、サイズは幅233×奥行148×高さ43.6mmで、従来モデルと同じ。入力はRCAとハイレベル入力に対応し、オプティカル(光)のデジタル入力も2系統装備しています。もちろんハイレゾ対応で、96kHz/24bitのハイレゾ音源はネイティブで再生できます。アナログのRCA出力は13ch。このあたりは従来のBit One HDと変わりません。

が、内部パーツの見直しによって、サウンドクオリティは大幅に向上。より音楽的な中高域と、俊敏な低域を生み出すことに成功しているそうです。また使い勝手も良くなっていて、まさにVirtuosoの名にふさわしい仕上がりです。この内容で、従来モデルの1万円アップの190,000円(税別)なら、コストパフォーマンスは高いんじゃないでしょうか。

初代のBit Oneといえば、純正システムをベースにしてDSPによる高度なサウンド・チューニングを可能にした元祖のモデル。その血を受け継いで進化した最新のBit One HD Virtuoso。注目です。

ヤマハが「音楽×○○」といえば? をアンケート

ヤマハミュージックジャパンがヤマハミュージックメンバーズの会員を対象に行ったアンケートが興味深かったので報告します。

そのアンケートは「あなたにとって「音楽×○○』といえば?」というもの。全国の601名から回答を得ています。リラックスタイム、通勤・通学など15項目のシチュエーションから選ぶもので、1位は圧倒的にリラックスタイムだったのですが、2位はドライブ。3位の通勤・通学に倍以上の得票差を付けています。

個人的には、ドライブがダントツの1位だろうと思っていたのですが(笑)、やはり音楽とクルマは親和性が高いことが伺えます。それは「音楽×○○」で聴いたり演奏したりするのに一番マッチする曲名を聞いたアンケートにもはっきり現れています。1位は「中央フリーウェイ/荒井由美」、2位は「ハイウェイ・スター/ディープ・パープル」、そして3位は「希望の轍/サザンオールスターズ」。いずれもシチュエーションとしては、ドライブを選んだ人が多いようです。

アーティスト名を見ると、1位バッハ、2位ショパン、3位ベートーヴェンと続きます。これは自分で弾く人も多いヤマハならではの結果でしょうか。いずれにしても、1位以外はシチュエーションの中にドライブが含まれています。

という具合に、音楽といえばドライブを連想する人がこれだけ多いのだから、カーオーディオはまだまだ捨てたもんじゃないということも言えるでしょう。少しでも良い音で音楽を聴けば、よりドライブが楽しくなることは必須。そのような認知を広めるためにも、オーディオをグレードアップしている人ならそうじゃない人をドライブに連れて出かけて音楽を聴かせて、カスタム・カーオーディオの魅力に引き込みたいものです。なにも語らずに音楽を聴かせるだけで、その違いに気づいて引き込まれていくはずです。

そのアンケートの詳細は、こちらのリンクをご覧ください。

JBL製品をもうひとつ。リーズナブルなパワーアンプです

JBLのネタをもうひとつ。エントリー価格のCLUBシリーズに、コンパクトなパワーアンプが登場します。モノラルと4チャンネルの2機種で、価格は両モデルとも25,000円(税別)。軽量&コンパクトで、手軽にカーオーディオをアップグレードしたい人向けのモデルです。

4chアンプのCLUB A754は定格出力が75W×4(4Ω)。型番の数字が分かりやすくていいですね(笑)。2Ω時は100W×4。4Ωブリッジで200W×2でも使えます。サイズは幅320×奥行180×高さ51.3mm。コンパクトといいつつそれなりの大きさはありますが、まあ適度なサイズ感でしょう。シンプルなボディと中央のJBLのロゴは、価格以上の高級感があります。

RCA入力のほか、ハイレベル入力にも対応しているので、ライン出力が無い純正システムにも接続可能です。手軽にアップグレードしたいなら純正システムにこのアンプを加えてスピーカーを替えるだけでも、そこそこアップグレードできるかもしれません。可変式の電子クロスオーバーとバスブースト・コントロールも装備しているので、簡単なチューニングも可能です。

モノラル・アンプのCLUB A600は2Ω時の最大出力が600W。4Ω時は定格出力350W。周波数特性も10〜320Hz(-3dB)と、低域再生に特化した設計(A754は10Hz〜35kHz)です。サイズは幅220×奥行180×高さ51.3mm。こちらはA754よりも10cmほど短くコンパクトな設計です。リーズナブルなボックス・サブウーファーを鳴らすのに良いかもしれないですね。

とにかくJBLのバッジがこのリーズナブルな価格で手に入るのが魅力。アメリカン・サウンドを手軽に手に入れたい人にぴったりです。