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カーナビの試乗インプレッション、カーオーディオ機器の試聴。気になる製品を徹底的にテスト!

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位相を含めてオートチューニング。ETANI ONEがすごい

このところ連日、用賀へ行っているついでに、イヤマオートプロモーションへも行ってきました。イヤマオートプロモーションはエタニ電機のDSP、ETANI ONEを扱っている関係で、11月29日に行われる愛知・あま市の専門店、コルトレーンで行う予定のイベントの最終打ち合わせのためです。

新型コロナウイルスの陽性者がここ最近、一気に増えているため、やるかやらないかも議題に上りましたが、3月の予定を一度延期していることもあり、感染防止対策に十分に気をつけてやる方向で動いています。ただし前日の夜に予定していた打ち合わせを兼ねての会食は無し。ごく少数の店舗スタッフとひっそり打ち合わせをすることにしています(笑)。まあ、今後の感染状況もあるので最終確定ではありませんが、現時点ではやる方向で動いていますので、名古屋〜あま市周辺のかたは楽しみにしておいてください。

で、今回の打ち合わせついでにETANI ONEのWAVE EQによるオートチューニングについて簡単にレクチャーしてもらいました。最大のキモは位相特性まで制御して整える技術なんですが、これが思いのほか簡単。全自動といいつつ、クロスオーバーの設定は必要ですが、これさえ済めば10分ほどでオートチューニングが終了します。

試したのは会議室に置いてあるヤマハの2ウェイスピーカーで。試聴位置にマイクをセットし、タブレットを操作することでまずは各ユニットの周波数特性やインパルス応答特性を測定します。それが済んだら目標特性になるような補正フィルターを計算しDSPにセット。その後、ユニットごとに補正時の特性を測定したあと左チャンネルと右チャンネルの総合特性を測定して完了というわけです。

補正前と補正後の音を瞬時に切り替えることはできないんですが、補正前と補正後を聴き比べてみると、音の違いに愕然。補正前はよく聴くコンパクトな2ウェイシステムの音でしたが、補正後はすべての楽器の音がはっきりとし、低音も力強く躍動感ある鳴り方になります。エンクロージャーに組み込まれたホーム用のスピーカーだから、それで完成品だろうと思っている人も多いでしょうが、位相を含めて補正するとこれだけ変わることがわかります。スピーカーの取り付け場所に制約が多いカーオーディオだと、この恩恵は大きいでしょうね。

たとえばあるショップでカロッツェリアのCSTドライバー、TS-HX900PRSとサブウーファーだけでオートチューニングを行ってみたところ、ラゲッジルームに置いたサブウーファーの音が見事にダッシュボード上のTS-HX900PRSの音に乗ってきて素晴らしい音になったとのこと。これは極端な例ですが、デモカーのC-HRもスムースで違和感のまったくない良音を楽しむことができます。

高額な商品なので、手に入れられる人は限られると思いますが、音を聴いたらほとんどの人は驚いて気に入ると思いますし、凄さがわかるような試聴イベントにしたいと思っていますので、11月29日は感染防止対策を行いつつコルトレーンまで足を運んでください。お待ちしています。

すべてが変わったアルパイン・ビッグXの凄さ

今日はアルパイン・ナビの個別試聴のため再び用賀へ。11型モニターを搭載したフローティング・ビッグX、EX11NXです。このモデルは一度、平面バッフルでも試聴しましたが、今回はアルパインがいわきから持ち込んだB&Wのホーム用スピーカーでの試聴です。

平面バッフルで聴いた時にも、ずいぶんアルパインの音は変わったなぁという印象でしたが、細かく説明を聞いてその理由がよくわかりました。ナビのプラットフォームだけではなく、オーディオ部分もまるっきり変わっているんです。

まずオーディオ好きにとって気になるのはハイレゾに対応しているかですが、もちろん対応しています。ハイレゾといえばダイナミックレンジが広くS/Nが良い、再生周波数帯域が広いというスペック上の利点が挙げられますが。それを超えてリスナーに感動を与えることをテーマに開発しています。

目指したのは、スタインウェイの音。ずいぶん大きく出た感じですがスタインウェイのピアノの音は余韻が長いというか音が消えるまでの時間が長いんですね。そこに注目して、ビッグXではノイズレベルまで続く倍音が打ち消されないように様々な工夫をしているんだそうです。

その一つがC.N.D.F回路を採用したデジタル・パワーアンプ。デジタル回路の周辺にはさまざまなノイズ成分が発生して、それが不協和音になっていますが、音楽に不必要なノイズを取り除くことで音階が蘇り、自然でアコのこない響きを奏でることができるんだそうです。

また同じくデジタル・パワーICに採用したP.S.F.I回路もそう。これはピタゴラスの定理に基づいた瞬時位相調整回路で、位相ズレによる不要な高調波を都に覗くことで基本波のみを再現できるそうです。

D.R.A.S.という、日本ケミコンとの協業で完成した高音質アルミ電解コンデンサも音にかなり効いています。30Gの圧力にも耐える高耐性で、小型ながら1900μFの大容量を実現。大音量で急激に負荷変動があっても過渡応答特性が良く素早く復帰するので、安定した電源供給が可能です。

またV.P.N.P方式のミルムコンデンサも高音質に貢献しています。不純物の無い真空環境でコンデンサを作ることに成功した世界初の技術で、不純部物も参加もゼロなため、オーディオ信号の通過を妨げることなく正確に伝えることができます。

さらにフーリエの熱拡散理論を応用したC.B.T.F構造という冷却システム。2つのファンによって空気を吸って排出しているんですが、熱効率の良いD級アンプを使用していることもあって、朝からけっこうな音量で試聴を繰り返しているというのに、午後になっても(僕は15時スタートでした)筐体は冷たいまま。そのおかげで、熱だれのような音への悪影響はないし、熱による経年変化も防げます。つまり長持ちしそうと言えます。

このように、ほぼすべてが変わったアルパイン・ビッグXは、従来モデルに比べて音が洗練された印象。以前のモデルにあった低域の勢いは減った感じですが、中域が充実して低音のピッチもクリアに再現してくれます。そして響きがいい。これは位相を徹底的に突き詰めたおかげでしょう。

平面バッフルで聴いた時は「あれっ? アルパインの音変わったなぁ」という印象でしたが、説明を受けながら改めて試聴すると、なるほど、そういうことだったのねという理解がどんどん深まるし、凄さが伝わってきます。一応、ラインアウトも別売で用意していますが、たぶん内蔵のデジタルアンプで再生するのが、ビッグXの良さをもっとも引き出せると思います。

ところで、旭化成の延岡工場火災の影響も尋ねてみました。やはり相当影響が大きいようで、旭化成は自動車メーカーへのパーツ供給を優先するため、市販メーカーへは後回しになる模様。少なくとも半年くらいはパーツが回ってこない恐れもあるそうで、アルパインの製品も、ショップ間で在庫の取り合いになっているようです。

つまりパーツの在庫が切れたら作れなくなるし、それが無くなったら欲しくても買えない状況になります。だから購入を検討している人は、早めに決断して在庫を見つけたらすぐに購入がいいでしょうね。ただ、転売ヤーから高値で出始めているという話も聞くので、そのへんは注意しながら購入するのがいいかと思います。

助手席足元に置けるパワードサブウーファー、聴きました

今日も用賀へ。本来の目的はカロッツェリアTS-Z900PRSの個別試聴だったのですが、メーカー担当者が新しく出たサブウーファーのTS-WX010Aを搭載したデモカーを持ってくるとのことだったので、早めに用賀へ行きデモカーを試聴してみたわけです。

デモカーはニッサン・リーフ。助手席の足元のスペースにTS-WX010Aが置かれていました。写真だけではサイズがいまいちイメージできなかったんですが、実物を目にすると思ったよりも小さい! シートを一番後ろにすると僕の足の長さではTS-WX010Aまで足が届きません(笑)。身長が2mくらいの人だと普通に足が届きそうですが、フットレスト代わりになって良いかもしれません。

この幅230×奥行116×高さ70mmのコンパクトなボディの中に11cm×5cmのトラック型スピーカーや内蔵アンプが組み込まれています。最大出力は160Wとスペックに書かれていますが、定格は50W程度でしょうね。

これで、ホントに低音が鳴るの? と思う人もいるでしょうが、意外や意外、わりとしっかり低音が鳴ります。もちろん大口径のサブウーファーのような本格的な低音ではないし、ローエンドまで伸びる感じはありませんが十分に低音の量感を加えてくれます。

というのも、コーナー音響効果が効いているから。ホームオーディオでも使われる手法ですが、隅っこにサブウーファーを置くことで空気を振動させやすくサイズを超えた低音を再生できるんですね。これも助手席足元という隅っこに置くことで、低音を増強できるんでしょう。従来のサブウーファーとは異なり、ベース・サウンド・クリエイターという呼び方をしていますが、なかなか気が利いたネーミングかと思います。

フロント・スピーカーのすぐそばの、助手席足元にあるのもいいんでしょうね。サブウーファーというと、どうしてもラゲッジルームなどリスナーの後方の離れた位置に置くことが多いため調整も大変なんですが、このサブウーファーはわりとすんなりフロントスピーカーと音がつながります。

最初はフロントスピーカーに120Hzでローカットをかけて、サブウーファーはハイカットせずに出しっぱなしだったんですが、これでも普通に聴けます。もう少し調整してみようとヘッドユニットに使っていたディスプレイオーディオの内蔵クロスオーバーで調整してみたんですが、わりとリニアに音が変わります。結局のところ、リーフの場合はクロスポイント100Hz、-6dB/octで落ち着いたんですが、急峻なスロープで切るよりも-6dB/oct程度のゆるいスロープのほうが良い感じで、クロスポイントは高めのほうがよさそうです。

フロントスピーカーはベーシック・グレードのカスタムフィット・スピーカー、Fシリーズのセパレート2ウェイでヘッドユニットは9型モニター採用のディスプレイオーディオ。総額12万円くらいで、スピーカー+サブウーファーだけだと3万円程度のリーズナブルなシステムです。が、この程度のシステムではものすごく効果のあるサブウーファーです。

もちろん、より本格的なサブウーファーは多々あるし、もっとローエンドの帯域を再生できないと物足りないという人もいるでしょう。そんな人には、より本格的なサブウーファーを導入してもらうとして、安価で手軽に低音を加えたいと思っている人にとっては、調整も楽だし良い製品だと思います。特にビートに重みや厚みを加えたい人には効果的でしょう。

その後、試聴室で聴いたZ900PRSは、カロッツェリア・サイバーナビXシリーズ+RS-A99Xとの組み合わせだったんですが、音像の実在感が素晴らしく時間の制約がなければずっと聴いていたくなる、心地よい音でしたよ。

今日も急遽試聴へ。オーディオテクニカ聴いてきました

今日は試聴日ではなかったんですが、散歩がてら用賀のステレオサウンドへ出かけてきました。天気が良かったので、30分くらい歩いて(笑)。なにの試聴かというと、オーディオテクニカの車載ハイレゾ・メディアプレーヤー、AT-HRP5です。

この製品は前回の試聴でも聴いていました。が、どうやら量産前のテスト機だったらしく、どうにか音は出たんですがすんなりは出ず、設定を変えると「再生できるファイルがありません」とコーションが出っぱなしで無限ループにはまり込んだり、本来の接続とは別の設定にすると音が出たり、別売の外部D/Aコンバーターを間に入れないとDSPから音が出なかったり「大丈夫?」という部分がありました。それをオーディオテクニカの担当者に伝えたら、今日新品に入れ替えたとの連絡が入り、確認のため行ってきたわけです。

音自体は前回でもとっても良くダイヤトーンのスピーカーからかなりのクオリティの音が出ていました。パワーアンプはザプコで、ディスプレイはケンウッド彩速ナビのHDMIを使いました。以前、RCAでつながないと音も出てこない状態で、メニューはけっこうにじんでいたんですが、やはりHDMIはクリアですね。これが本来の姿です。

ファイルの読み込みもかなりスムース。以前のものは曲が表示されるまでかなりの時間を要しましたが、新品はUSBを差し込むとちょっとの間で曲が表示されます。そして曲を選べばすぐに再生。カーナビの画面に曲名等が表示されると、ついついタッチパネルを触ってしまいそうになりますが(笑)リモコンを使ってスムースに操作できます。

音に関しては、ちょっとハイ上がり気味かな? と思う部分もあり、設定でデジタルスルーを切り替えると明らかによりハイ上がりになる傾向があるのと、やはりデジタルスルーを切り替えた時になぜか音量がマックスになってびっくりしたこともありましたが、そこに気をつければ、使いやすいもの。

30万円とか50万円とか80万円とかするDAPよりもリーズナブルだし、カーナビの画面に表示できるので、HD画面かつHDMIなら表示も大きくきれい。車載専用ならではの良さがあります。純正システムをベースにDSPをつないでグレードアップを図るなら、これをDSPにつなげばいいわけで、今後は純正システムにHDMIが付いているかが重要になりそうな気配。純正ナビでもHDMI付きは増えているようだし、オプションのケーブルを用意しているメーカーもあるので、クルマを購入する際はHDMIが接続できるかを確認しておきましょう。

久しぶりに嬉しい悩み。ASWGPの集中試聴が終了

昨日でオートサウンドWebグランプリ選出に向けての2日間の集中試聴が終わりました。他の選者の負担軽減のため、試聴用のエントリー・リストから外すか残すかの選別も行っているため、試聴したのは25台。このうち18台が最終エントリーに残りました。ふぅ。

「どうせAVナビがグランプリをとるんでしょ」という声も聞こえるなか、今年は悩んでいます。今回は、いい意味で。スピーカーもアンプも、魅力的な製品が多いんです。

カーナビだけで選ぶなら、昨年ゴールド・アワードを受賞したサイバーナビは相変わらずの良さだし、彩速ナビはコストパフォーマンスを考えたら抜群に優秀だし、ストラーダは有機ELに切り替わって映像のインパクト抜群。サウンドも想像以上に向上しています。そしてアルパインはハイレゾ再生に対応し内蔵アンプもデジタル・アンプに変更。何もかも新しくなっています。これだけでも悩んでしまいます。

パワーアンプは90万円のダモーレやら180万円のマイクロプレシジョンやら、超弩級のパワーアンプが揃いました。その中に混じったオーディソンのエントリー・アンプも、コンパクトでカワイイ。さすがに音では90万円や180万円のものにはかないませんが、価格差を考えるとこれでもいいかな? と思える部分もあり、ここでも悩んでしまします。

そしてスピーカーもかなり悩みます。今回はパッシブ・クロスオーバーを使用したスピーカーは2chのダモーレ・アンプを使用して聴いたんですが、このアンプが良かったのか、6万円台のブラムや9万円台のイートンなど、比較的リーズナブルなスピーカーでも魅力的な音がします。そしてカロッツェリアのスピーカー。この圧倒的な音場感は、聴いていて久々に鳥肌ものでした。

そればかりではなくイートンの3ウェイやモレルの3ウェイもあります。こちらは価格が上がりますが、それぞれ素晴らしい音を出していました。価格を度外視して純粋に音だけで選ぶのか、車載ということを十分に考慮したうえで、車載に適したものを選ぶのかは大いに悩むところです。

他にもDSPやDSPアンプ、車載デジタル・メディアプレーヤーなどもあります。こちらも驚きが続きました。今回、ブラックスのような超弩級モデルはないんですが、たとえばヘリックスのDSPウルトラなんかも良音だったし、ザプコのプレーヤー内蔵DSPも勢いのある鮮明な音でした。オーディオテクニカのプレーヤーも、ストレートで鮮度の高い音。今後のカーオーディオを考えると、これらが主役になっていくはずで、これらも無視できません。やはり悩みます。

いっそのこと、ジャンル別にしてそれぞれにゴールド・アワードを与えるようにしてもらえると気が楽なんですが(笑)、たぶんそうはならないでしょう。オートサウンドWebグランプリの発表は11月末から12月頭にかけてだと思います。その前に選出と座談会が行われますが、そこまで大いに悩みます(笑)

試聴してみてわかった最新AVナビの進化ぶり

昨日は久しぶりの引きこもり取材。オートサウンドWebグランプリ選出に向けての試聴でステレオサウンド試聴室にこもっていました。今年のエントリーは20数台というところでしょうか。その中で、AVナビやDSP、DSPアンプなどを中心に半分ほど試聴しました。

詳しい話はオートサウンドWebグランプリが公開された時まで待っていただくとして、今回は試聴の雰囲気がわかるエッセンスを。まずAVナビから試聴を始めたんですが、今年はケンウッド彩速ナビ、パナソニック・ストラーダ、カロッツェリア・サイバーナビ、アルパイン・ビッグXの4台がエントリー。そのほかに、リファレンス機に使うかもということで、サイバーナビのXシリーズ(サイバーX)も借りてきていました。

試聴室に入った時、テーブルの上にずらりと並んでいたんですが、まあ画面がデカイこと(笑)。数年前までは7型モニターの2DIN機ばかりだったのでテーブルの上に載ったんですが、いまやそれでは済まず2段のテーブルの下段も使用しています。なにせ、一番でかいのはアルパインの11型ですから。サイバーXも大画面の8型を用意していたのですが、小さく見えてしまいます。

まずもっともリーズナブルな彩速ナビから聴き始めたんですが、けっこう良い音で鳴っています。普通ならこれで十分でしょう。やはりハイレゾの効果は大きいです。ライバルは楽ナビでしょうが、楽ナビはダウンサンプリング再生なので、ハイレゾを高音質で聴きたいならこちらを選んだほうが満足度が高いような気がします。もちろんAVナビなのでナビ性能などその他の部分もありますが、サウンドと操作レスポンスで選ぶなら彩速ナビ、ナビ性能なら楽ナビといったところでしょうか。

ストラーダもびっくりするくらいサウンド・クオリティが向上しています。以前、デモカーで聴いた時には、スピーカーが純正のままだったし調整もなにもしていない状態だったので低音がモコモコで、中高域がクリーンになったかな? 程度の良さしか感じ取れなかったんですが、試聴室で聴くと進化がはっきりわかります。とくに音の匠を入れた時の生き生きした音。さすがミキサーズ・ラボです。

アルパインはハイレゾ音源が再生できるようになり進化しています。音はというと、これまでのアルパインのイメージとはちょっと違っています。なんか洗練された感じ。従来のアルパインのエネルギッシュさは薄れた印象ですが、大人になった落ち着いた感じの音で、こちらも魅力的です。内蔵アンプもデジタルアンプに変わり、何もかも新しくなった印象です。

さて、一番気になるのは新サイバーナビとサイバーXとの比較試聴。当初は行う予定はなかったんですが、どうしても聴き比べてみたかったので用意してもらいました。サイバーXは地図データを最新に替えただけで本体は進化していないのですが、さすがの音の良さです。S/Nは良いし分解能も抜群。新サイバーナビを使った後だと、ハードキーを押す時に古さを感じるし画面の小ささ(といっても8型)にちょっとがっかりするものの、音は群を抜いています。

対して新サイバーですが、聴感上のS/NではけっしてサイバーXにひけをとりません。いや、むしろ新サイバーのほうがいいんじゃないか? と感じたほどです。少し弱いのは低域の力強さ。この辺は、圧倒的にサイバーXが優っています。となると、どっちを選ぶかは悩むところ。このあたりは、音をとことん突き詰めるか、Wi-Fiを使って多彩なコンテンツを大いに楽しむか、使う人の好き好きで良いかと思います。

僕がどっちを選ぶかといえば、難しいところですが新サイバーナビのほうかなぁという感じ。やはりWi-Fiを容量無制限で使えるのは魅力的だし、インターネットラジオやYouTubeなど多彩なコンテンツも楽しめます。家に置いたNASの音源を、クルマで楽しめるのもいいですね。

低音に関しては、サブウーファーを加えるなど、システムアップや調整によって改善できると思うので、それほど心配はしていません。となると新サイバーナビかなぁというところですが、このあたりは皆さんのお好み次第。色々と聴いてみて触ってみて、お気に入りのものを選びたいものです。

カロッツェリア楽ナビのデモカーに試乗しました

先日のカロッツェリア・サイバーナビと同時期に、楽ナビ2020-2021モデルを搭載したデモカーにも試乗しました。9型の大画面を搭載したAVIC-RQ911を装着したN-BOXです。

昨年モデルの楽ナビは8型モニターが最大画面だったんですが、今年は純正オーディオもどんどん大画面化しているので、9型を追加しました。しかも画質はHDの高画質。N-BOXの車内に装着すると十分以上の大きさです。

別売の車載Wi-Fiルーターも装着していたので、スマホを介してインターネット・ラジオも楽しめます。まあWi-Fiを前提に作られたサイバーナビのような手軽さはありませんが、価格を考えると楽ナビ+車載Wi-Fiルーターの組み合わせでも十分といえるでしょう。
   楽ナビでマッキントッシュ・オーディオを聴くことも可能(笑)

初代楽ナビといえば、音声操作できることが最大の話題でしたが、数年前から音声操作は無くなりました。それでも「高性能を簡単な操作で」のコンセプトは生きていて、わりとすんなり使いこなせます。しかもスマートループのおかげでナビ性能は優れています。渋滞情報はVICSよりも圧倒的にきめ細かいし正確。このあたりは他社のカーナビにはない魅力です。

音に関していえば、やはりサイバーナビにはかないません(笑)。音質にこだわってシステムアップを図りたい人なら、やはりサイバーナビとかXシリーズとかダイヤトーン・サウンド・ナビなどの、音質を重視したモデルを選ぶべきでしょう。

とはいうものの、予算があると思います。10万円台で使いやすくそこそこ音が良いカーナビを狙っているひとにはおすすめ。ケンウッドの彩速ナビほどの操作レスポンスの速さはありませんが、十分に使えると思います。

カロッツェリア・サイバーナビのデモカーに乗りました

カロッツェリア・サイバーナビの2020〜2021年を搭載したデモカーに乗る機会がありました。9型の大画面を搭載しネットワークスティックを同梱した最上位モデルのAVIC-CQ911-DCを装着したヴェルファイアです。

昨年、フルモデルチェンジしたため、今年はマイナーチェンジ。地図を最新のものに替えたほか、レコーダーアクセスの対応機器が増えるなど変更は少しに止まりますが、それでもなお、機能面でも性能的にもいまあるカーナビとは一線を画す、素晴らしいものであることを実感しました。

サイバーナビの最大の特徴はネットワークスティックです。これはdocomoのin Car Connectに対応し、データ量無制限でLTEのデータ通信を車内で利用できるもの。最大5台まで接続でき、オンラインで音楽や動画を楽しむことができます。

たとえばYouTubeを見るならメニューのStreaming Videoにタッチ。これで、カーナビの大画面でYouTubeの動画が楽しめます。スマホのチマチマした画面で見るよりも大きいので迫力あるし、操作もナビ画面のタッチパネルでできるから使い勝手は上々。さすがに、クルマのキーを一度オフにするとレジュームが効かず操作は最初からになりますが、これはスマホでも同じなので良しとしましょう。

自宅のBDレコーダーに録りためたTV番組を楽しむなら、そのとなりのRecorder Accessでできます。インターネット回線を利用して自宅のBDレコーダーにアクセスして車内で楽しむ機能なので自宅の状況に応じてBSやCSも楽しめます。もちろんリアルタイムでの視聴も可能。車内で手軽にBSやCSを楽しめるのは、これまでなかったですね。もちろんバスなんかには有りましたが、大掛かりなアンテナが必要でした。

音楽好きなら家庭のNASに貯めた音楽が楽しめます。NASにハイレゾ音源を貯めておけば、もちろんハイレゾ再生も可能。ちょっと前にCDがUSBメモリーなどに変わったばかりなのに、サイバーナビならメディアをクルマに持ち込まずにハイレゾも動画も楽しめるわけです。この進化はものすごいスピードですね。

音も悪くないです。今回はアルファード/ヴェルファイア専用のチューニングを施していましたが、クリアでヌケの良い音が楽しめます。びっくりしたのはYouTubeを見た時。どうせ音がヤセているんだろうと期待せずに聴いたんですが、思いのほか良い音で楽しめます。もちろん動画の音自体も良かったんでしょうが、これだけ音が良ければハイレゾ音源も高音質で楽しめると思います。

これのライバルとなるのは、同じカロッツェリア・サイバーナビのXシリーズかと思いますが、個人的には断然こっちを選びます。というのは、使い放題のWi-Fiを手に入れたことで車内でのエンターテインメントが大きく広がったからです。もちろん、ポケットWi-FiなどのポータブルWi-Fiがあれば似たような使い方はできますが、やはり最初からWi-Fiがある前提で作ったものと後からWi-Fiを使えるようにしたものでは、使い勝手がまるで違います。YouTubeをタッチパネルで操作できるあたりが、そこですよね。

HDMIを装備しているので、Fire TVスティックを差し込んでおけばNetflixやDAZNなどの定額動画配信サービスも楽します。この操作はタッチパネルではできずリモコンが必要ですが、Fire TVスティック用のスマホ・アプリもあるので、それを使えば少しは使いやすくなるかもしれません。

このようにエンターテインメント面では群を抜く能力を手に入れたサイバーナビですが、いちおうカーナビなのでカーナビ性能についても触れておきます。最近のカーナビはエンターテインメント性を重視してカーナビ部分は似たり寄ったりになっていますが、その点でもサイバーナビは一線を画しています。というのも、以前から蓄積してきたスマートループのプローブ情報を活用しているからです。

たとえば渋滞情報はスマートループによってVICSよりもはるかに多い、全国の全道路の渋滞をチェックしているし、スーパールート探索はリアルタイムのプローブ情報を加味してサーバー上の高度なコンピュータで理想的なルートを導き出します。今回はMAユニットをシステムアップしていましたが、その時に出てくるスマートループアイのスポットも都内ではタイムラグがなく頻繁に出てくるようになりました。

まあ、この画像が実際のドライブに役に立つかどうかは別として、9型の大画面だから画像も見えやすくなっています。ただし、交差点名等の文字は見えづらいし例え読めたとしてもよく通る道でない限り、現在地との関係はわかりづらいという難点はありますが(笑)

ハードキーが無く、全面がフラットなデザインも未来的。インパネにうまく装着できれば、純正システム以上にインテリアに馴染むでしょう。という点でもおすすめできるカーナビです。