なんと180万円! 超ド級のパワーアンプ誕生

 マイクロ・プレシジョンって、てっきりスピーカーのメーカーだと思っていたら、パワーアンプも作ったんですね。凄いアンプが出ました。Z-Studio 4ch Amplifier version1.1というモデルです。その価格、1,800,000円(税別)!

このパワーアンプは、マイクロ・プレシジョンの主宰者、トーマス・ホフマン氏と4人のエンジニアで構成されたプロジェクト・チームにより、長い年月をかけて生み出されたもの。ディスクリート回路採用のAB級4チャンネル・アンプで、定格出力は150W×4(4Ω)。2Ω時は260W×4の定格出力になり、4Ωブリッジ時は580W×2でも使えます。


音質を左右するパワーサプライ部は、電源回路やアルミケース入りの4つの独立トロイダル電源トランスを厚さ10mmのアルミ製隔離版で分離しつつ、最短距離で電源供給できるように配置しているとのこと。8つのハイスピードスイッチングダイオードはスイッチングノイズを最小限に抑え、大電流フィルターチョークはスイッチング周波数からの干渉を最小限に抑える役目をします。

またムンドルフ(ドイツ)の大容量22,000μFストレージコンデンサ4個と、4,700μFの2次ストレージコンデンサ8個を搭載することでハイスピードかつ強力なパワーサプライを構成。ドライバー段にはトランジスタやFETで構成したディスクリート・オペアンプやAudio Note社(イギリス)のKAISEIカップリングコンデンサを、入力段にはCaddock Electronics社(アメリカ)の精密抵抗器とムンドルフのM Cap EVOなどの厳選素子を搭載し、ディスクリート回路を作り上げています。

この回路基板や素子類すべてが見えるように、トップパネルには透明アクリルを採用。肉厚のアルミ製サイドパネルや大型ヒートシンクを備えたボトムパネルのおかげで、電動ファンは使っていません。そしてトップパネルの中央付近にはデジタルモニターを配置。ここには動作電圧やヒートシンク温度が表示されます。なんともカッコいいですね。


そしてサイドパネルに設置されているロータリーコントローラーを押すごとに操作系統をch1〜ch4まで順番に切り替えることができ、回すことで各チャンネルのゲインを独立して調整できます。パワーターミナルは4AWG対応。スピーカーターミナルはバナナプラグに対応しているので、電源さえどうにかすればホーム用としても使えそうです。

注文を受けてから1台ずつカスタムメイドされる受注生産品なので、発注から納品まで時間はかかりそうですが、その待っている間も楽しいもの。ケースも高級です。1,800,000円(税別)と高価なので、買える人は限られるとは思いますが、お金持ちはどうぞ。僕はとてもとても買えません(笑)

 

スペックは以下の通りです。

●定格出力:150W x 4(4Ω)260W x 4(2Ω)580W x 2(4Ωブリッジ)●周波数特性:5Hz~70kHz(-1dB)●全高周波歪率:0.002%●S/N比:90dB●ダンピングファクター:2700(10W,4Ω負荷)●入力インピーダンス:20kΩ●動作電圧:9V~16V●アイドリング電流:±5A●サイズ(幅×奥行×高さ):325 x 585 x 90mm●質量:11.4kg●実装ヒューズ:30A x 3