グラウンドゼロから4chアンプ内蔵DSP登場

純正システムを市販品に入れ替えにくいクルマや、そもそも交換不可能なクルマが増えてきてから、各社が純正システムをベースにグレードアップ可能なアンプ内蔵DSPを開発しています。ドイツのカーオーディオ・ブランド、グラウンドゼロからも、4チャンネルアンプ内蔵の8チャンネルDSP、GZDSP4.80A-PRO(100,000円/税別)が登場しました。


従来はアンプ無しのDSPしかなく、ハイレゾ音源に対応しているのは新しく出たGZDSP6-8X PRO(85,000円/税別)だけでしたが、GZDSP4.80A-PROはそれをベースに開発したような内容。シーラス・ロジック社製の32bit/192kHzシングルコア8ch DSPを内蔵し、最大24bit/192kHzに対応しています。

入植はTOSLINKの光と同軸に対応。D/Aコンバーターの記載がないしハイレゾ・マークも付いていないので、ハイレゾで再生できるのかは不明ですが少なくとも内部処理がハイレゾで行われていることは間違いないです。

DSPはイコライザー 、タイムアライメント、クロスオーバーの調整ができます。イコライザーはA〜Fの6つのチャンネルが20Hz〜20kHzの帯域を31バンドに分け-18dB〜+12dBの範囲で調整可能。Qも0.5〜9で調整できるので、パラメトリックEQの機能も持っています。残りの2チャンネルはサブウーファー用で、調整できる範囲が20〜200Hzに限定。上下できる範囲とQはA〜Fと変わりません。

タイムアライメントは0〜510cm(0〜15ms)の範囲で、0.02msステップで調整可能。クロスオーバーはバターワース・タイプで、-6dB/octから-48dB/octの範囲で調整できます。チャンネル毎のゲイン調整幅は0〜-40dBで0.5dBステップごと。位相を0度か180度に切り替えられる機能も付いています。最大10件のユーザー・プリセットができるのもありがたいですね。

調整はパソコンで。Windows7以上のPCに対応していますが、安定した動作を確保するために、なるべく最新のOSで使用することをお勧めしています。音量調整や入力切り替え等ができるリモートコントローラー、GZDSP REMOTE PRO-X(12,000円/税別)はオプション。またBluetoothレシーバーのGZDSP BT-BOXもオプションで用意しており、これを使えばスマホなどのBluetooth機器で再生した音楽をワイヤレスで再生できます。ただし、フォーマットはSBC方式。LDACには対応していません。

内蔵アンプはクラスDの増幅方式で、80W×4(4Ω)の出力を発揮。2Ωでは130W×4です。出力は4ch分のスピーカー出力のほか4chのラインアウトも装備。パワーアンプのグレードアップもできそうです。入力は2タイプのデジタル入力のほか、ハイレベル入力6系統、RCA入力5系統、3.5mmステレオミニジャックと多数。さまざまなシステム構築が可能です。

普通に考えれば、内蔵アンプでフロントのセパレート2ウェイスピーカーを鳴らし、RCA出力にパワード・サブウーファーを繋ぐのが常套手段でしょうが、グラウンドゼロのアイテムで揃えたら、20万円以内でDSPアンプを加えたシステムを構築可能。純正システムをベースにして手軽に音質の向上を図れるアイテムとして注目です。