彩速ナビ2020モデルはフローティング機構の大画面

ケンウッドの彩速ナビも新製品が登場しました。タイプMの4モデルですが、注目は9型モニターを採用したMDV-M907HDF。ケンウッドで初めてフローティング機構を採用した大画面モデルです。

フローティング機構とは画面部分が本体から浮いたような作り。パナソニックのダイナビッグのような感じです。本体部は2DINサイズでその前に9型のHDパネルがくっつきます。そのため装着可能な車種は230車種以上。コレまで大画面化を諦めていたクルマでも9型の大画面を取り付けできる可能性があります。


見た目もパナソニックとは違います。パナソニックは画面の上部にキーを配置し、モニター正面はすっきりしたデザインですが、ケンウッドは画面の右サイドに操作キーを配置。フライド なシンプルなデザインは同様ですが、操作性に関してはケンウッドが一歩優っていると言えるでしょう。

その分、画面サイズはパナソニックの10型に対してケンウッドは9型。またパナソニックは左右に角度調整が可能なスイングディスプレイなのに対して、ケンウッドは上下の角度調整のみです。画面を動かすのが手動なのはどちらも同じ。またパナソニックはブルーレイ・ディスクが見られるモデルもあります。対してケンウッドはMQAを再生できるなどハイレゾ再生では1枚上手。どちらを選ぶかは、ユーザーの好み次第です。

話はそれましたが、ケンウッドの新製品に戻ります。1280×720のHDパネルは彩速ナビの最上級モデル、タイプZの約1.3倍の高輝度カスタムLEDバックライトを搭載。明るさを増して、くっきり鮮明な映像になりました。つまり上位モデルよりも画像が良いってことですね。視野角も広く上下左右170度をカバーしているので、斜めから見てもくっきり見えます。コレで首振り機構がない弱点をカバーしているわけですね。

みなさんが気になるのはハイレゾ対応かと思います。D/AコンバーターにはAKMのプレミアムDAC、AK4490という32bitDACを採用し、全ソースを192kHz/32bitにアップコンバートしたのちに再生します。ファイルはFLACからWAV、DSDまで多彩。もちろんMP3やAACなどの圧縮音源もアップコンバートして再生します。

またMQA-CDも再生可能。折り紙の理論はまだちょっと理解できていないですが(笑)アナログ信号をデジタルに変換する時に起きる音のボケを排除して、音を忠実に再現するそうです。さらにLDACにも対応。従来と比べて約3倍相当の最大伝送レート990kpbsで伝送できるため、Bluetoothのワイヤレスでもハイレゾ相当の高音質で音楽が楽しめます。さらにDSPはAKMのAK7738というチップを採用。低位相ノイズマスタークロックなども採用し、ハイレゾ音源の膨大な情報量も正確に処理して高音質の再生を行います。

彩速の名前の通り、操作レスポンスもスピーディ。スマホと同じ感覚でドラッグやピンチイン/アウトなどの操作が行えます。オーガニックGUIと名付けられたインターフェイスやinfo画面も、情報が一目で確認できて便利。新感覚が味わえます。

6軸慣性センサーや環境補正プログラムなどによって、測位性能も上々。ケンウッドでは業界トップクラスと自信を持っています。マイルートアジャスターも便利な機能。有料優先、道幅優先、渋滞回避のほか、踏切考慮、信号考慮といったさまざまな条件について優先度を設定でき、ルート学習も可能。思っていたルートと違うということが少なくなると思います。

HDMIの入出力を装備しているのでリアモニターにHDMIで接続すればHD画質でのミラーリングも可能。スマホ連携機能も充実していて専用アプリのKENWOOD Drive info.を使えば、スマートループ 渋滞情報を得たり開通予定情報をダウンロードしたり、天気予報を検索したり、さまざまな情報をリアルタイムで得ることができます。ただし、一部有料の情報もあるので、使う時はご確認を。

490円/月で1000を超える音楽専用チャンネルをスマホ経由で楽しめるサブスク・サービス「SMART USEN」にも対応。ナビ画面からチャンネル選択ができるので便利です。9型大画面で、これだけ多彩な機能があって、ハイレゾも楽しめて価格は135,000円前後の予想(オープン価格です)。これはお買い得としか言いようがありません。