1DINボディに9型HD画面。楽しさ満載のDA登場

カロッツェリア(パイオニア)からも新製品が登場しました。1DINサイズのボディにフローティング構造の9型モニターをくっつけた、いわゆるディスプレイオーディオ(DA)のDMH-SF700と2DINボディに6.8型モニターを組み込んだDMH-SZ700です。ともにオープン価格で、想定価格はDMH-SF700が9万円前後、DMH-SZ700は5万円前後の予定です。

注目は9型大画面を備えたDMH-SF700のほうでしょうね。こちらの画面は1280×720のHD画質。フローティング構造なので、1DINボディの取り付けスペースさえあれば、9型の大画面を導入できる可能性が高まります。まあ、最近はクルマからDINスペースという概念が消えつつあり「そのサイズってなに?」ということにもなりかねないのですが。専門店なら加工してでも取り付けてくれると思います。


一般的な7型ディスプレイと比べると、画面サイズは約1.7倍の大きさ。しかもタブレットのように、表面にボタンが無いフルフラットなスッキリデザインは、カッコいいのひとことです。

で、何ができるかというと、手持ちのスマートフォンを繋げばDAの画面で、いつものスマホ同様のタッチ操作ができます。Apple CarPlayとAndroid Autoの両方に対応しているのでOSのバージョンはありますが、ほとんどすべてのスマホが使えると思っていいでしょう。

僕はiPhoneユーザーなのでiPhoneで説明すると、まず地図アプリが使えます。しかもApple純正のMapだけではなくGoogleマップも。普段、街歩きなどではMapではなくGoogleマップを利用している僕にとっては、これは便利。やはり普段使っているアプリを使えるのはありがたいです。それだけではなくYahoo!カーナビやカーナビタイムなども使えるようですね。試してみてはいませんが。ただMapFanは対応していない模様。このあたりは少し残念です。

電話の受信も可能。マイクを付属しているので、これを使って通話します。このマイクはSiriアイズフリーにも活用できます。目的地の検索とか、音楽の呼び出しや再生にも使えるんです。検索はマイクのアイコンにタッチして喋るだけ。Siriは年々頭が良くなって誤認識も減っているので、安心して使えると思います。テキストメッセージの送信にも使えますね。

CarPlay内の音楽再生だけではなくSpotifyやAmazon Music、YouTube Musicなども使えるようです。またインターネットラジオのアプリもいくつかは対応しているようだし、クラウドミュージックのアプリも対応しているものもあるみたいです。またブラウザによってYouTubeも見られます。Car AV Assistというアプリがあって、コレを使えばブックマーク登録なども簡単です。これ、楽しくてデータ通信量がどんどん増えるのが心配です(笑)。Webブラウザの接続はWi-Fiテザリングによるワイヤレスなので、ケーブルを接続する手間も不要です。

Amazon Alexaにも対応。音声で、スムースな操作が可能です。さらにAmazon Alexaアプリ内にはカロッツェリアスキルというメニューがありコレを有効にすれば、音楽ソースの切り替えを音声でできるなど、より快適に操作できます。

肝心のサウンドです。ハイレゾ音源の再生に対応しています。最大96kHz/24bitまでならネイティブで再生可能。これ以上は96kHz/24bitのLPCMにダウンコンバートしますが、192kHz/24bitまでのFLACや192kHz/32bitまでのWAV、そしてDSD64/DSD128の再生も可能です。

Bluetoothでハイレゾ音源を楽しめるLDAC(ハイレゾ・ワイヤレス)にも対応。従来の約3倍のデータ量を伝送できるのでハイレゾの再生もできるんです。ただiPhoneはLDACに対応していないんですよね。一瞬、Androidに変えようかとも思ってしまいました(笑)。

内蔵のDSPはパイオニアがフルカスタムした高性能デュアルコアDSPで、1.4cm刻みで0〜490cmの範囲で調整できるタイムアライメントや13バンド・グラフィックイコライザー、ハイパス/ローパスフィルターの調整ができます。ハイエンド機器のDSPよりは大雑把な調整となってしまいますが、ネットワークモードを搭載しているので、ハイ/ミッド/サブウーファーの3ウェイ・マルチアンプ・マルチスピーカー・システムの構築&調整も可能です。

パワーアンプの電源部には日本ケミコン社製の4700μFフルカスタム・オーディオ用アルミ電解コンデンサを使ったり電子ボリュームのアナログ電源にはルビコン社製のものを使うなど、内部のパーツも厳選。振動の影響を受けないことにも徹底し、高音質化を図っています。このあたりは、実際に試聴してみるのが楽しみです。

HDMI入力を備えているのでHDMIのある映像機器も接続可能。別売ケーブルを使えばAmazon FireTVスティックだって接続できます。最新サイバーナビのようにデータ量無制限の通信は付いていないので、そのあたりの心配はありますが、車内で多彩な楽しみができるのは間違いないでしょう。

フルフラットなデザインはシンプルで上質なもの。画面位置は手前に2cm出すこともできるし、下に最大6cmまで下げることもできます(15mmごと5段階)。また左右に3cmずつずらすこともでき、好みの位置に調整できます。もちろん角度調整も可能。垂直に立った状態から奥に15度、手前に60度の調整ができるので日光の反射などに応じて調整すればよいでしょう。

1DINのボディで9型の大画面を押さえ切れるのか、走行中の振動はどうなのかなど、気になる点は試乗したときに再度報告するとして、昨年のサイバーナビ以降、カロッツェリアのデザインは洗練されてカッコ良いものばかり。ハイエンドな人たちはDSPの部分に不満を持ちそうな気もしますが、多彩なコンテンツが楽しめる楽しいディスプレイオーディオだと思います。

     こちらはDMH-SZ700