サイバーナビXシリーズも新型が登場(試聴記付き)

ハイエンド・カーオーディオ・ファンにはお待ちかねのサイバーナビXシリーズも、新型が出ました。といっても、中身は前モデルと同じ。地図が最新のものに変わっただけです(笑)

とはいえ、がっかりすることなかれ。ハイエンド・モデルはこのスタンスで良いと思います。技術者が精魂を込めて作りあげ自信を持って出したものが1〜2年で新製品に変わるというのは、逆にありえないこと。現行品のユーザーにも失礼かと思います。今後、モデルチェンジがあるとすれば、新しいメディアが出てきて対応できなくなるとか、通信環境が変わって、ハイレゾのストリーミングが当たり前になるとか、なにか環境が変わった時でしょうね。そうそう、Xシリーズはdocomo in Car Connectには対応していません。

新しいサイバーナビXシリーズは、画面サイズが8V型のAVIC-CL902XS II(278,000円/税別)と7V型画面搭載のAVIC-CZ902XS II(248,000円/税別)の2モデル。前回は時間を空けて2モデルが出ましたが、今回は同時に発表です。発売は11月の予定です。

これで終わるのもなんなので(笑)、短い時間でしたがクルマで試聴した時の感想を述べておきます。会場に用意されたデモカーはスバルWRX。本来はレヴォーグをデモカーとして使用しているのですが、このクルマは取り付けの実験車として使っているものだそうです。


スピーカーはもちろんRSシリーズなのですが、ツィーターの取り付けが特徴的。レヴォーグと比べると、かなり高く近い位置に配置されています。そして取り付け面もフラットで周囲に音へ影響するものを極力排除しているという印象です。見た目はツィーターが大きくて目立つので、正直言って「自分のクルマじゃ、これはないな」と思うものでしたが、実験車なのでよしとしましょう。短い試聴時間だったので、写真はありません。ごめんなさい。

その音ですが、これまで聴いたサイバーナビXシリーズの音となんか違います。もちろん良い意味で。スッキリしているというか、よりクリアになったというか、よりリアルになったというか。

たとえば井筒香奈江さんの曲がデモに使われたのですが、もちろん音像は目の前に立ちます。それはピアノやベースとともに立体感を伴っていて、音場表現がリアル。その上で、少しざらっとした声の感じが、ものすごくリアルに伝わってくるんです。誰かが井筒さんの声を「砂声」と評したことがありましたが、その砂声の感じがしっかりと出ています。

次に聴いたのはヴァイオリン。とっても滑らかで音がきれいに抜けているのですが、弦と弓が擦れた時のなんか引っかかる感じまでリアルに再現していて、その音にゾクッとします。僕はめったにクラシックは聴かないし、とくにクルマを運転しながら聴きたいとはまったく思わないのですが、この時は思わず「クラシックもいいな」と思ってしまいました。マジで(笑)。

となると残念なのがdocomo in Car Connectに対応していないことで、Amazon music HDが始まり、ハイレゾのストリーミングが可能になった時に、なんでXシリーズではそれに対応しなかったんだろうと思います。もちろん、難しいことではあるだろうし、通信を導入することでノイズが増えてクオリティが確保できなくなるという心配もあります。しかし、今後はメディアの時代からストリーミングの時代に移っていくことが予想できるので、是非ともXシリーズでも実現してもらいたいものです。

もうひとつ、ハイエンド・カーオーディオ・ファンには嬉しいニュース。てっきり終わっていたと思っていたカロッツェリアXですが、どうやら企画は生きているみたいです。とはいえ、いつ出るとかどんなものを作るという具体的なものはなく、まだ構想が生きているという段階ですが、完全に無くなったものではないらしいので、ハイエンド・ファンは期待して待ちましょう。

一時はどうなることかと心配されたし、実際、上場廃止をきっかけに会社を辞めた人も多数いて残念ですが、それまではほとんど予算がストップして何も動かない状態だったのが、今は予算が回り出して、色々と動ける状態になっているとのこと。その中の一つにカロッツェリアXも残っているそうだし、今回、サイバーナビを手がけた橋本氏をはじめ主要なメンバーは残っているので、新しいカロッツェリアXに期待したいところです。

話は戻ってサイバーナビXシリーズ。ハイレゾを高音質で楽しむためには、これ以上ないものだし、僕は個人的にハイレゾを聴いたらカロッツェリアXシリーズの音を超えていると思っています。こちらも、注目してください。