20周年目となるCEATECへ行ってきました

昨日の10月17日、2年ぶりにCEATECへ行ってきました。今年で20周年となるエレクトロニスからAI、IoT、自動運転など、さまざまな分野の総合展です。

しかし、昨年は退院まも無い時期だったので歩き回れるかどうか心配で休んだわけですが、1年休むと様相は様変わりしていましたね。以前はエレクトロニクスが中心で、パナソニックを始め大手企業のブースが並んでいたのに、今回はなんと! パナソニックのブースがありません。三菱電機はありましたが、以前はひっそりと展示していたダイヤトーンサウンドナビはありません。なんか、オーディオ的なものを探すのが大変です。

代わりにあったのはAIとかIoTとか自動運転とか、さまざまな技術。これらも話を聞いているととても興味深いのですが、今回は数少ないオーディオ関連を展示していたブースをピックアップしようと思います。

まずアルプス/アルパインのブース。ブースの隅に、車種専用リフトアップ3ウェイ・スピーカーを試聴できるコーナーがありました。このスピーカー、リフトアップ・ツィーターの横にホーン型のスーパーツィーターがセットされていて、ハイレゾ帯域まで再生できるそうです。しかも車種専用だから、純正スピーカーとの入れ替えも手軽。アルファード/ヴェルファイア、ハリアー、C-HR、ランドクルーザー・プラド用が用意されています。


価格は11万円(税別)と、けっして安くはないのですが、アルパインらしい元気で力強く、迫力のある音がしてました。しかも嬉しいことに、いよいよカーナビもハイレゾ再生に対応するようなんです。けっして大きな声では言えないそうなんですが、今回のデモに用意したディーラー・オプションのカーナビはハイレゾ再生に対応しているそうで、いずれ市販品にもそれが投入されそうな予感。これはカーオーディオ好きには楽しみです。

従来モデルも、設計は古いながらさまざまな工夫で良い音を実現していました。とくに低音の厚みと迫力、安定感はダイヤトーン・サウンド・ナビを凌ぐ良さがあり、こちらのほうが好みの人もいるかと思います。そんなアルパインのカーナビが、ハイレゾ再生可能になったらどうなるか、期待したいところです。

TDKのブースにはピエゾスピーカーがありました。これは圧電タイプの薄型スピーカーで、厚みは約0.49mmしかないそうです。これをウインドウなどに貼り付けて、音を再生するわけですね。従来のスピーカーと比べると非常に薄くフレキシブルなので、車内に設置するには便利そうです。

デモではツィーターとして使用しており、実際にも高域用と考えるべきものだと思います。そのデモでは低音用のウーファーを低い位置にセットし、高い位置にセットしたピエゾ・ツィーターをオン/オフできるようにして、音の違いを聴き比べられるようにしていました。

とはいえ、ウーファーの音が「フィルターかかってるんじゃないの?」と思えるくらいにモコモコの音で、そりゃ高音を加えたらよく聴こえるのは当然なので、デモでは質を確認するのは不十分。それでも、ツィーターだけの音を聴いてみると、わりと帯域は広いようで、普通のツィーターよりは低い音が出ているのが確認できました。

ハイレゾ対応なのかも確認したかったので尋ねてみたところ、この素子自体にはハイレゾ帯域を再生可能なポテンシャルはあるのだけど、貼るものによって実際に出てくる音の帯域が変わってくるので、20kHzあたりまでがメーカーとしての推奨値です、とのこと。考えようによっては貼り方の工夫でハイレゾ対応も可能ということか。

いずれにしても、カー用では薄いし場所をとらないし、可能性が高いツィーターだけに、今後の進化に期待したいところではあります。

最後にコータサウンドというプロセッサー。こんなものをたまに見かけるのも、CEATECなんですよね。このプロセッサーは、生の音とスピーカーから再生される音が異なることに疑問を感じ、音声信号自体の研究に長く取り組んできた高橋宏太氏が開発したもの。結論として、音声信号には、質量のあるコーン紙を信号通りに制動する力がないため、正確な再生音が得られないということに気づいたと言います。
   まんなかがコータサウンド・プロセッサーです

そのため、ニュートンの運動の第2法則を演算して、音楽信号通りにコーン紙を制動するための力を信号に持たせ、コーン紙の動作に置ける係数を用いて音声信号のイメージ通りに制動することに成功したのがこのプロセッサー。これにより、生の音に大きく近づくことができたと言います。

実際のデモでは、周りの音がうるさかった上に使用スピーカーが10cm程度と小さかったので、正直、オン/オフを繰り返してもあまり違いがわからなかったし、オンしたときに担当者がボリュームをいじるものだからなおさらわかりづらかったのですが(笑)、実際に説明通りの効果があるのだとしたらとても良いものだと思います。

説明をしてくれた日本舞台音響家協会の人は、オーディオ用というよりもステージのPA用をメインに考えているようですが、スピーカーを正確に駆動するという意味ではPA用もオーディオ用も共通。どうやら価格は30万円前後を想定しているようで、そんな安いものではありませんが、ホーム用やらカー用ならPA用ほどの強度はいらないし、数が見込めたらもっと安くなる可能性は十分にあり。今後の動きを見守りたいものです。