カロッツェリアの新サイバーナビがWi-Fiスポットに!?

すでにネット上を賑わわせていますが、カロッツェリアサイバーナビがモデルチェンジしました。まずは大きく変わったレギュラーのサイバーナビ。早くもフルモデルチェンジです!

レギュラーのサイバーナビは計8モデル。9V型ディスプレイを搭載したラージサイズ・タイプがAVIC-CQ910-DCとAVIC-CQ910の2モデルで、8V型モデルがAVIC-CL910-DCとAVIC-CL910の2モデル。7V型モデルは横幅200mmのワイドボディがAVIC-CW910-DCとAVIC-CW910、2DINサイズがAVC-CZ910-DCとAVC-CZ910の2モデルの計8モデルです。実質的には型番末尾に「-DC」がついたモデルがネットワークスティックをセットにしたモデルで「-DC」無しは別売のモデルだから、本体自体は4タイプということです。


で、気になるのがネットワークスティック。これが、新しいサイバーナビのキモの部分です。新サイバーナビは、市販カーナビで初めてdocomo in Car Connectという車内向けインターネット接続サービスに対応し、簡単な設定で、車内にWi-Fiスポットを構築できるんです。しかも高速データ通信が、定額で使い放題。しかも「-DC」モデルには1年間の無料使用権が同梱されているので、最初の1年はまったく無料。データ容量を気にせず使えます。

1年を過ぎたら、1日(24時間)プラン(500円)と30日プラン(1,500円)、365日プラン(12,000円)が選べて、用途に応じて使えます。サンデードライバーなら、出かける都度に1日プランでいいでしょうし、毎日、通勤でクルマを使うなら、365日プランを選ぶ手もありでしょう。まあ、無料で使える1年の間に、自分の使い方をよく考えて選ぶのがよいかと思います。

このdocomo in Car Connectを使うと、なにができるか。まず、常に自動で地図更新ができます。クルマに乗った時に新しい地図更新データがあれば、オンラインで自動的に更新します。なので、これまでのような煩わしさはありません。これで、もう「地図更新はスマホナビにはかなわない」とは言わせませんね。

車内にWi-Fi環境が整っているわけですから、YouTubeなどのストリーミングビデオも見放題です。もっとも、自工会(日本自動車工業会)の規定によって、走行中の動画再生はできないので、表向きには動画を見るのは停車中に限られているわけですが。ほとんどの人は、走行中でも見られるようにすると思われます。もし、そうした場合は、走行中に画面を注視しないよう、十分に気をつけてください。ちなみに、開発時に担当者があちこちを試走してみた限り、通信が途切れることはなかったとか。さすがdocomoの回線網です。

自宅のブルーレイレコーダーにインターネットでアクセスして、録画した番組をクルマの中で楽しむことも可能です。車内で見るために、ディスクにダビングして持ち込むという手間は不要。ダビング時にレコーダーから番組が消えてしまうこともありません。

さすがに対応するブルーレイはパナソニック、シャープ、東芝、それにアイオーデータやバッファローのNAS製品と縛りはありますが、パナソニックが対応しているのは大きいです。ウチもパナソニックですから(笑)。細かい対応機器はカロッツェリアのサイトに掲載されているので、自宅のブルーレイレコーダーが使えるかどうかを確認して見てください。ちなみにソニーのブルーレイレコーダーは未対応。ソニーを持っているかたは残念でした。

接続時はDiXiM Play for carrozzeriaというスマホアプリが必要で、これを使ってレコーダーを登録したあと車内でサイバーナビと接続するなど、めんどうな登録作業が必要ですが登録してしまえば、車内で自宅のブルーレイレコーダーの映像を見られるようになるので、対応機器をお持ちのかたは頑張ってください。なお機器によっては放送の転送をできないモデルもあるので、これを含めてカロッツェリアのサイトを確認してください。

あとAmazon Fire TVをサイバーナビのHDMIに差し込むことで、prime videoを初めとした多彩なコンテンツを楽しむことができます。料金を払えば、NetflixやHuluなどの定額動画配信サービスも見られます。僕はDaznに加入しているので、Fire TVをクルマの中に持ち込めば、F1をクルマの中で楽しむこともできますね。これは便利です。

これらのサービスの中にはスマホのミラーリングに対応していないものも多いので、けっきょくはスマホ本体の画面で見ることになってしまいます。しかも容量が気になります。docomo in Car Connectなら、容量制限がないので容量を気にせず安心して使えます。

またAmazon musicも楽しめるので、HDを楽しむこともできるかもしれませんね。カタログにはHDの文字が入っていませんが、きっと楽しめるはずです。Amazon music HDは6500万曲以上が最低でもCDクオリティで聴き放題。そのうち数百万曲はハイレゾ・クオリティの高音質で楽しめるサービスなので、これは利用しない手はないでしょう。

当然ながら、新サイバーナビもハイレゾ音源のネイティブ再生に対応。CDや圧縮音源も、マスターサウンドリバイブによってハイレゾ相当にアップブレードするので、良い音で楽しめます。なお、基本的には前モデルをベースにブラッシュアップした中身を使っているそうですが、さまざまな改善によって音質はかなり上がっているとか。とくにバッファーアンプを追加したことで、外部出力の音質が上がっているそうです。システムアップを考えているひとには朗報ですね。

デザインも大きく変わりました。表面は完全フルフラット。ハードキーもフラットなディスプレイの中に溶け込んでいます。iPhone Xや11的なデザインですね。これはカッコいい。なんか先進的です。

ナビ機能は前モデルと同じ。メニューが変わったり、インフォガジェットという画面が追加されたりしていますが、大きな部分では変わりません。もちろんスマートループの渋滞情報を利用してサーバーでルート探索を行うスーパールート探索もできますし、オプションのマルチドライブアシストユニットを追加すれば、ドライブレコーダーやターゲットスコープなど、多彩なドライブサポート機能も使えます。このあたりは、サイバーナビならではの機能といえるでしょう。

要するに、カーナビ部分はほぼ完成形に近づいたので、今後はエンターテインメントの部分に力を入れようということなんでしょう。自動運転が実現すれば、よりエンターテインメント性が重視されるのは確実ですからね。このあたりは、パナソニックのカーナビも同じです。地図更新は最大3年間は追加料金なしでバージョンアップ可能で、さらに1年間の延長プレゼント付き。だから最大4年間は無料で地図更新が可能です。最大年6回の配信があるので、地図更新に関しては安心です。

トヨタ・カローラがディスプレイオーディオを標準装備した時点で、そろそろクルマに2DINサイズのオーディオ・スペースがあるという前提は崩れそうにあり、2DINサイズの市販ナビがいつまで続くのか!? という現状ではありますが、クルマの中にWi-Fi環境を築くことは、新機軸になると思います。個人的には、いっそのことディスプレイオーディオ・タイプにして、カーナビもサイバーナビの性能を維持しつつ通信でとも思いますが、そのへんは難しいのでしょう。

いずれにせよ、新しいサイバーナビは、これまでの「この機能、必要?」とか「誰が使うの?」と思う部分がなく、実際にユーザーが使って喜ぶものに仕上がっていると思います。IPS方式を採用したHDパネルは、動画はもちろん高画質なのは当然ですが、地図の合わせこみもあって、鮮明かつクリア。このあたりは、車種専用モデルと見比べてみるとびっくりします。

昨日に引き続き、今日10月3日も18:30から東京・秋葉原のベルサール秋葉原で一般向けの新商品発表会を行なっているので、急な話ですが出かけることができる人は、ぜひ見て触って確かめてみてください。