ロックフォード・フォズゲートが長い時間をかけて開発してきたフラッグシップ・スピーカー、T5652-S（252,000円）が発売されました。
ロックフォードのフラッグシップ・スピーカーといえば、イース・コーポレーションが企画・開発したJ3652-S（147,000円）がありますが、新しいT5652-Sはアメリカのロックフォードが企画・開発。価格もグレードもワンランク上の製品です。
16.5cmウーファーと25mmトゥイーター、左右一体型のクロスオーバー・ネットワークを組み合わせたセパレート2ウェイ・システムで、ウーファーの振動板はLCPF（リキッド・クリスタル・ポリマー・ファイバー）を採用。ウーファーの中心には銅のフェイズプラグが装備され、これがネオジウム・マグネットを使用した磁気回路と連結。磁気回路にはIDHS（インダクティブ・ダンピング・ヒート・シンク）が装備され、ボイスコイルを効率よく冷やすとともに、熱を拡散させて歪みとEMFを抑える役目を持つそうです。
トゥイーターは、リング・ラジエーター型。中心にフェイズプラグを装備し、音波の位相を整えます。高域の周波数特性が40kHzまで伸びるワイドレンジ設計で、嗜好特性にも優れたトゥイーターです。そしてクロスオーバー・ネットワーク。オーディオ・グレードの高級パーツを使用しているほか、ウーファーのクロスオーバー周波数を2段階（2.5kHz/3kHz)）に切り換えらたり、スロープを変更（-6dB/octまたは-12dB/oct）できたり、トゥイーターのアッテネーションを4段階（-4dB/-2dB/0dB/+2dB）に切り換えられたり、トゥイーターの位相（0°/180°）を切り替えられたり、細かい調整ができます。コントロール部がモジュール式になっていて、延長すれば運転席で音を聴きながら調整できるのも便利です。
実は、このスピーカー、2年前のCESで、すでに参考出品されていました。銅フェイズプラグを採用したウーファーや、磁気回路に装備されたIDHS、リング・ラジエーター型のトゥイーター、左右一体型のクロスオーバー・ネットワークと、基本形は変わっていませんが、当時の振動板は黄色。アラミド繊維系だったと思います。それがLCPFに変更。このことからも、より良い音を求めて、様々な素材を試し、試聴を繰り返して、時間をかけて開発してきたのがわかります。設計を担当したのは、確か元ダイヤモンド・オーディオのエンジニアだったと思います。昨年発売されたパワーシリーズの
T3652-S（100,800円）も評判がいいだけに、このT5652-Sも期待していいんじゃないでしょうか。
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