取付簡単!純正システムの音がガラリと変わるアドオンDSPアンプ

純正システムを活かしたまま、高音質化を図るアイテムが海外メーカーを中心に増えているが、ヘリックスから登場したPlug&Play PP-50 DSPは、カプラーオンで配線も簡単。それでいて、音質向上効果てきめんのアイテムだ。


PP-50 DSPは幅176×奥行120×高さ42ミリのコンパクトなブラックボックスと、接続ケーブルのセット。これを純正システムのデッキとスピーカーの配線の間に割り込ませて使用する。接続ケーブルはDIN仕様のカプラーが装着されているので、このままでDIN仕様の車種に対応。また33種類の自動車メーカー別変換ケーブルが用意されているので、これを使えば簡単にカプラーオンで、さまざまな車種に接続できる。対応車種はトータル2500車種だそうだ。

ヘリックスPP-50 DSPはDSP+8chアンプのブラックボックスとケーブルのセット
専用サブウーファーのPP-7E
ブラックボックスには、8チャンネル分のパワーアンプと、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)を内蔵。パワーアンプは4チャンネル分がフロント/リア用、残り4チャンネル分が専用サブウーファーのPP-7E用という内訳だ。このPP-7Eはデュアルボイスコイルの18センチウーファーを2セット搭載していて、4チャンネル分のアンプが必要というわけだ。これもPP-50 DSPにカプラーオンで接続できるような設計だ。

DSPはクロスオーバーネットワーク/イコライザー/タイムアライメントの設定が可能。3段階の設定方法が用意されていて、第一段階は20個のディップスイッチによる設定。インピーダンスやサブウーファーの有無、アンプのゲイン、クロスオーバー、車のタイプにあわせたタイムアライメントなどが設定でき、パソコンが無くても、大まかな調整ができる。

第2段階は、メーカーが用意したセッティングデータによる調整。製造元のオーディオテック・フィッシャー社の本国サイトに車種別のセッティングデータをダウンロードできるページがあり、これに掲載されている車種であれば、ダウンロードしたデータをマイクロSDに保存してPP-50 DSPのマイクロSDスロットに差し込むだけで、個々の車種に応じて快適な音響で再生できるようメーカーがセッティングした音が楽しめる。

クロスオーバー、EQなど細かい調整が可能なアプリは
Audiotech Fischer社のサイトから無料でDLできる
第3段階は、パソコンによる調整だ。このアプリケーションもオーディオテック・フィッシャー社の本国サイトから無料でダウンロード可能。これを使えば、フロント/リアのハイパス/ローパス(20Hz〜20kHz、1/6オクターブステップ)、サブウーファーのハイパス/ローパス(40〜150Hz、1Hzステップ)、スロープ(-6〜30dB/oct、6dBステップ)、イコライザー(フロント/リア用=30バンド1/3ステップ、サブウーファー用=10バンド1/3ステップ)、タイムアライメント(全チャンネル0〜-400cm、7mmステップ)、位相(フロント/リア用=0/180度切換、サブウーファー用=0〜180度/22.5度ステップ)など、きめ細かい調整ができる。クロスオーバーのフィルターの肩特性も、バターワース、ヴェッセル、チェビシェフ、リンクウィッツなどに切り替えられるのも特徴だ。

純正オーディオの音には満足していないが、市販オーディオを導入してまで、高音質化を図るつもりはないので我慢している人は、けっこう多いと思う。その理由は、市販システムの導入はコストが高い、オリジナルのインパネのデザインが損なわれるなど、さまざまだろう。このPP-50 DSPなら、少なくとも後者の問題はない。純正デッキを外して、PP-50 DSPの配線をカプラーオンで割り込ませるだけだから、取付は簡単だし、取付時に車両へダメージを与えることもない。操作性も、純正の状態となんら変わらない。それでいて、音は明らかに変わる。純正AVナビ+純正スピーカーにPP-50 DSPを加えたクルマで、PP-50 DSPをオン/オフしながら音楽を聴いてみたが、一度PP-50 DSPオンの音を聴くと、オフの音(ノーマルの純正システムの音)は、あまりに情けなくて聴いていられないほど。スピーカーが純正のままでも、それほど劇的に変化する。

iDrive付きのBMW用カプラーは7,875円
コスト面は、まだ価格が確定していないようだが、本体がおそらく9〜10万円程度(94,500円に決定)。変換カプラーは車種によって異なるが、4000円前後(4,200〜12,075円)から手に入るようだ。それに専用サブウーファーが3〜4万円(39,900円に決定)だと思うが、PP-50 DSP+サブウーファーを12万円前後(123,900円に決定)で提供するセット価格も考えているという。これを高いと思うか安いと感じるかは人それぞれだろうが、個人的には、ドライブ中、音楽を聴いていて常に感じているストレスを解消できるならば、けっして高いとは思えない。

なお、ドイツ・メーカーの製品だけに、カプラーが用意されている車種はヨーロッパ車が中心で、日本車は少ない様子。マイカーのカプラーが用意されているかは、こちらで確認するか、輸入元のエムズラインに問い合わせのこと。


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