ソニーのPND、nav-u(ナブユー)がモデルチェンジ。4.8型ディスプレイを採用した主力の高性能モデルは、NV-U76VT/U76Vから、NV-U77VT/U77V(オープン価格)へと変わる。なお、東日本大震災の影響で、発売日は未定だ。(2011/4/2)
数年前から売れ行きを順調に伸ばしていたPNDだが、このところ売れ行きは鈍っているようだ。その要因は、フルナビからの買い換えニーズが一段落した、2DINサイズのメモリーナビの価格が低下しPNDのお買い得感が薄れた、スマートフォンの普及によりスマホ+ナビアプリで十分と考える人が増えたなど、さまざまあると思う。そのためPNDは、ほかのPNDとの差別化以外に、2DINメモリーナビやスマートフォンとの差別化も図らなければならなくなった。
その点、ソニーの高性能PND、NV-U76VT/U76Vは、すでにライバルに対する優位な点をいくつか持っていた。2DINメモリーナビに対しては、車速配線不要の簡単取付で、車速を配線したカーナビに勝るとも劣らない自車位置の測位精度を実現していたし、他のPNDやスマートフォンに対しては、測位精度もそうだし、渋滞対応力で、高性能を実現していたのだ。
ソニーNV-U77VT。市場推定価格は55,000円前後(U77Vは45,000円前後)発売日は未定 |
VTはFM VICSチューナー標準装備 |
ただし、がっかりするのは早計。自車位置の測位精度は、車速信号を配線せずに簡単に取り付けたPNDとしては、ダントツの高性能だし、NV-U77VT/U77Vはマップマッチングのアルゴリズムを改良したことで、より自車位置の精度が高まっている。またリルートは25%速度を向上。スクロール速度の向上も図るなど、細かい改善を積み重ねているのだ。
他のPNDに対する優位点のひとつである渋滞対応力だが、NV-U76VT/U76V同様、渋滞統計情報を収録。この情報に基づき、最短時間で目的地に着けるルート探索ができる。またFM VICSを標準装備したVTならば、リアルタイムの渋滞情報の表示が可能。さらにVICSビーコン・ユニットを別売していて、これを追加すればドライブ中に刻々と変化する渋滞情報に応じた渋滞回避ルートの探索もできる。
日時指定ルート探索も便利。到着時刻を指定してルート探索を行えば、だいたい何時頃に出発すればいいかの目安がわかるからだ。持ち運びが簡単なPNDだから、家で事前にルート探索してみて出発時間を決められるなど、使い勝手がいい。他にもオービスのデータを収録していて、音声で場所を教えてくれたり、1331エリアの詳細市街地図を収録するなど、ナビ機能に関しては、2DINメモリーナビに対して遜色のない内容だ。
音楽、動画、写真、ワンセグが楽しめる |
映像+地図の2画面機能もあり |
Bluetoothも内蔵。対応携帯電話をお持ちなら、ナブユー本体に内蔵したスピーカー&マイクでハンズフリー通話ができるし、電話帳転送機能により、ナブユーのタッチパネルで電話の発信/着信操作も簡単だ。また、auのEZカーナビリンクにも対応。対応携帯電話をお持ちの人なら、携帯電話で検索した位置情報を、Bluetooth経由でナブユーに転送して、目的地に設定することもできる。さらにA2DP対応のカーオーディオをお持ちなら、カーナビのガイド音声をBluetoothで飛ばし、ワイヤレスでクルマのスピーカーからガイド音声を出すこともできる。
10冊分のガイドブックをプリインストール |
徒歩ナビとしても利用可能。電子コンパスを内蔵しているので、自分が向いている方向に合わせて地図が回転するし、地下道や歩道橋、公園など、クルマが通れないルートの探索&案内もできる。通常時は画面オフで、画面にタッチするとすぐに画面が点くスーパースタミナモードなら、内蔵バッテリーで約6.5時間の使用が可能だ。
大きすぎないデザインもスタイリッシュ。静電タッチパネルの反応もいい。そして高性能。とくに車速配線のない簡単な取付で、これだけ自車位置を正確に表示してくれるナビは他にはない。2DINメモリーナビの装着が不可能なクルマにお乗りの方、ナビを常設するつもりはないが必要な時に使いたいという人、複数のクルマで1台のナビを共用したい人などにはオススメしたいモデルだ。
・山手トンネルを走ってみた動画はこちら
・交差点案内の動画はこちら