純正システムに外部パワーアンプを加えるなら

アメリカのオーディオプロセッサー専業ブランド、オーディオコントロールから、2チャンネル・ラインコンバーター、LC2i(27,090円)が登場した。(2011/4/7)


このLC2iは、いわゆるハイ/ローコンバーター。純正システムはスピーカー出力しかない(RCA端子のプリアウト出力を持たない)ケースが多く、この場合、出力側の電圧が高すぎるため一般的な(ハイレベルインプット対応ではない)外部アンプは接続できないのだが、このハイ/ローコンバーターを純正システムと外部パワーアンプの間に割り込ませることで、純正システムに外部パワーアンプの追加が可能になるというものだ。


一般的なハイ/ローコンバーターと異なるのは、最大400Wのスピーカー出力を入力できること、最大13Vの電圧で出力できること、入力は2チャンネルだが、フロント+サブウーファーの2.1ch出力に対応するとともに、純正システムで失われた低域情報を再合成して出力する新しい特許技術を搭載していることだ。

まず、最大400Wに対応の意味。純正システムでも、オプション品や上級車種などは、ハイパワー・アンプを搭載しているものもある。その場合、一般的なハイ/ローコンバーターは入力オーバーで、歪んでしまうケースもある。そんなハイパワーアンプ搭載の純正システムでも、LC2iなら最大出力400Wまで対応できるというわけだ。最大13Vの電圧で出力できるとは、ラインドライバーの役目を持つということ。音楽信号を高い電圧で伝送すれば、それだけ伝送中のノイズの飛び込みに対して強くなる=S/N面で有利ということがいえる。

そして2.1ch対応と低域を再合成する新技術。通常、ハイ/ローコンバーターというと、入力が2チャンネルだとすると出力も2チャンネル。つまり左右(ステレオ)の信号が、そのまま出力される。LC2iも、通常は、下の図のような一般的なハイ/ローコンバーターと同じ接続でも使える。

その他に低域だけを出力するラインアウトを装備しているので、サブウーファーの増設が簡単にできるのが、LC2iならでは。ゲイン調整は、メインスピーカーとサブウーファーと別々にできるし、オプションのリモートベースコントロールを用意すれば、サブウーファーのレベルを運転席の手元などに設置したコントローラーできるようにもなる。特許技術のAccuBASSの効き具合は、本体のダイヤルでコントロールできる。

このLC2iは、一般的なハイ/ローコンバーターと違い、電源配線が必要。当然、機器の電源ON/OFFが必要だが、LC2iに内蔵したGTOセレクターが音楽信号の有無を検知して、LC2iの電源をON/OFFできる。また、リモート出力も装備しているので、パワーアンプの電源ON/OFFに利用可能。純正システムにはリモート出力がないため、外部パワーアンプをプラスしたときに、アンプの電源ON/OFFのためのリモート信号をどこからとるかが悩みどころだが、LC2iなら心配ない。

純正カーナビや純正オーディオの交換をせずに、パワーアンプの追加&スピーカー交換で、サウンドのクオリティアップを図るなら、ハイ/ローコンバーターは必須。LC2iはハイ/ローコンバーターとしては高価な部類だが、できるだけいい音を狙うなら、いい選択だと思う。

イース・コーポレーション


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