OTOTENへ行ってきました。その2

昨日に引き続き、音展のカーオーディオ体験コーナーのレポートです。アルパイン、JBLと続いたら、その隣はケンウッド。派手にロゴをまとったノアが今回のデモカーです。


このクルマのシステムは、ヘッドユニットが彩速ナビ・タイプM。スピーカーはカスタムフィットのKFC-XS1703(37,000円/税別)で、パワードサブウーファーのKSC-SW30(29,000円/税別)も加えています。また外部パワーアンプのXH401-4(45,000円/税別)も搭載。今回はこれらのシステム1種類のデモでしたが、実は内蔵アンプと外部アンプを簡単に切り替えられるし、サブウーファーはより大型のKSC-SW40(40,000円/税別)も搭載していて、こちらにも切り替えて試聴できるようになっています。

その音は、さすがハイレゾを感じさせる解像度の高さ。多くの人は、これに大満足できるんじゃないでしょうか。なんの不満も感じません。試しに、外部アンプから内蔵アンプに切り替えてもらうと中低域が少し細くなる感じで、外部アンプ付きで聴いた後だと物足りなさを感じます。その点では、外部アンプの効能をよく感じるシステムでした。

ともあれ総額20万円をちょっと超えた程度のシステムでこれだけの音が得られるとは、ヘッドユニットとしてのカーナビの性能はここ数年で大きく進化したと感じられます。内蔵アンプに切り替えた時に音がやや細く感じるということは、外部アンプの効果がしっかりと音に現れるということでもあるので、システムアップした時の効果も十分に感じられるでしょう。操作性も良く、カーナビの能力も高いものです。総合力を考えると十分におすすめできるし、スピーカーも含めてコストパフォーマンスに優れたシステムといえるでしょう。

最後にダイヤトーン。ダイヤトーンでは唯一、2台のデモカーを用意していました。1台はカーナビをNR-MZ300PREMI-2(268,000円/税別)に替えただけでスピーカーは純正そのままのプリウス。もう1台はNR-MZ300PREMI-2にダイヤトーンの最上級スピーカー、DS-SA1000(670,000円/税別)を組み合わせ、サブウーファーのSW-G50(80,000円/税別)も加えた、まさにハイエンドなシステムをインストールしたメルセデス・ベンツAクラスです。パワーアンプはブラックスを2台搭載しています。

プリウスを聴けば、ダイヤトーン・サウンド・ナビの音質がわかるし、デジタル技術を駆使したチューニング能力の高さもわかります。そしてメルセデス・ベンツでは、スピーカーを最上級品に替えた時の音質の向上ぶりとその音の素晴らしさを感じることができます。各イベント等でもうお馴染みのクルマなので、聴く順番を間違える人は少ないと思いますが、まずはプリウスを聴いてダイヤトーン・サウンド・ナビ単体の実力を確認した後で、スピーカーもダイヤトーンに替えた時の素晴らしさを堪能したほうが良いと思います。

その順番に沿って、まずはプリウスから。「えっ? ナビを替えただけで音がこんなに変わるの?」と驚くほどの変わりようです。もちろん、DSPの機能を駆使してしっかりと調整すればという前提がありますが、調整を間違えなければナビを替えただけでも、これだけのクオリティアップが望めるということです。カーナビといえばほとんどオープン価格で価格は、8型モデルだと高くても12〜13万円程度という機種が多い中、268,000円という標準価格で売っているダイヤトーンですが、音に自信があるからこそできること。真面目にものづくりすれば高くなるのは当然で、だからこそ良い音が得られる好例といえるし、本来ものづくりはこうあるべきでしょう。

そしてメルセデス・ベンツAクラス。このクルマは、音の生々しさがまったく異なります。もちろん解像度が高くレスポンスが良いというのはありますが、聴こえる声、楽器がすべて実在感があって、その場で演奏しているようなライブ感が感じられます。これこそオーディオの醍醐味ということを感じられるサウンドです。

このクルマはカーナビを最新型に替えただけで何度も試聴していますが、何度聴いても毎回同じような感動を感じられます。それがミッドレンジのないフロント2ウェイのシンプルなシステムで得られるあたりも驚異的。スピーカー自体は高いですが、3ウェイにしてインストール代を加えたら、より高くなってしまうこともあることを考えれば、取り付けが比較的手軽なフロント2ウェイでこの音が得られるのは、十分な価値があると思います。今年の音展は終了してしまいましたが、今も毎週どこかで試聴会が行われているので、サイトをチェックしてぜひ聴きに行くことをお勧めします。