以前、軽く紹介しましたが、インポーターのイース・コーポレーションから正式に発表されたので再掲します。CDT AUDIOのステージング改善システム、MST(ミュージック・ステージング・テクノロジー)の50mmミッドツィーター、MST-02Pとシステムコントロールユニット、MST-1SMが発売されました。MST-02Pは48,000円(税別)、MST-1SMは24,000円(税別)。合わせて72,000円(税別)です。
このシステムは既存のカーオーディオシステムのフルレンジスピーカー出力をMST-1SMに接続し、そのあとにMST-02Pを接続するだけと設置は簡単。MST-1SMには無段階式のレベルコントロールノブが付き、好みの音量バランスに調整できます。ほかに、シックスオクターブ+モードかイメージツィーターモードに切り替えられる周波数切り替えスイッチや、近い音は近くに遠くの音は遠くに感じさせる遠近感モードとノーマルモードに切り替えできるスイッチもあります。
人間の耳はたくさんの情報を受け取っていて、その情報を処理する脳は、音がどこから発せられているのか、どのような音なのかを瞬時に知覚します。その耳に、少しの情報を加えて、音楽の空間的な雰囲気や音が発せられる場所の情報を脳に認識させることで、音像や音場感を強調するのだとか。タイムアライメントのようなデジタル技術ではなくアナログ回路で行うものなので、視聴位置に合わせて厳密に時間軸を調整して…というわけではありませんが、200Hzから20kHzまで6オクターブに及ぶ広範囲の周波数をダッシュボード上のミッドツィーターから再生することで音場再生は有利になるので、純正システムに加えることで、思った以上の改善効果はあるでしょう。
実際にクルマで音を聴いた時には、フロントドアのスピーカーをいいものに変えていたので、もちろん良い音はしていましたが、これがMSTによるものなのかは正直なところわかりませんでした。デジタル・プロセッサーは使っていませんでしたが、音像が自然に定位して音場感も自然です。またデジタル調整したクルマの音のように、運転席は素晴らしいけれども助手席に座って聴くと格差が大きすぎるということもありません。これは隣に人を乗せて出かける機会が多い人には有利かと思います。
いずれにしても、このモデルは手軽なシステムアップで音楽をより楽しく音場感豊かに聴こうというもの。Hi-Fiサウンドを追求する狙いのものではありませんが、純正システムに追加することでこのような音場感が得られるのならば、アリかと思います。