サイバーナビXシリーズは地図を最新にして新型に

ハイエンド・オーディオに属するカーナビ、サイバーナビXシリーズもモデルチェンジしました。8型モニターを搭載したAVIC-CL902XSIII(278,000円/税別)と7型モニターのAVIC-CZ902XSIII(248,000円/税別)の2モデルです。


モデルチェンジといっても、従来モデル902XS〜902XS IIをベースにして地図データを最新版に変えたものといっていいでしょう。型番を見ても数字は902のままですから、現在のサイバーナビの910〜911の一世代前。Wi-Fiルーターになる最新のサイバーナビとは違います。手法としてはダイヤトーン・サウンド・ナビがMZ300PREMI〜PREMI2〜PREMI3と進化していったのと同じですね。

とはいえ、開発時に音を最重視して作り上げたモデル。その時の最高のオーディオ性能のものを出したわけですから、毎年変わることはないと思います。むしろ音に関する部分に関して変わっていないのは自信のあらわれと言ってもいいのかなと思います。

それを裏付けるように、まずノイズを徹底的に遮断。製品の側面と背面だけではなく、オーディオ基板とカーナビ基板を分離する内部の中間シャーシにも銅メッキを採用しています。製品の右側面に集中的に銅メッキビスを採用しているのもノイズの低減に貢献しています。これはオーディオブロックへノイズが回り込まないようにコントロールするためで、トライ&エラーを繰り返してこの方法を採用しています。

背面のヒートシンクにも銅メッキを使用。さらに絶縁シートを加えることで、カーナビ基板とオーディオ基板のGNDシャーシ間にノイズが回り込まないようにしています。このように徹底的かつ緻密にノイズをコントロールすることでS/Nの良いクリーンな良音を実現しているわけです。

製品の裏にはファンを搭載していますが、ノイズを極力減らすために静音タイプを採用。固定用ビスを追加することで、振動そのものを抑制するとともに振動や騒音が音にもたらす影響を徹底的に排除しています。背面に配置したT字スリットも振動を抑制するため。堅牢かつ振動に強いシャーシ構造で、高音質を追求しています。

電源ケーブルやAV入出力ケーブルにはOFCケーブルを採用。端子には金メッキ処理を施し、安定した電源供給とロスの少ない信号伝送を実現しています。オペアンプには新日本無線のMUSEシリーズ・ハイエンドオーディオ用オペアンプを搭載したのもサイバーXならでは。I/V変換回路にはバイアス電流の低いMUSE8920を搭載して低ノイズ&低歪率と高スルーレートなどを実現し、LPF回路にはMUSE8820を搭載することで、自然かつ豊かな音楽表現を実現しています。

ほかにもサイバーX専用のフルカスタムオーディオ電源用アルミ電解コンデンサーや超低位相雑音特製のサウンドマスタークロック回路、リップルフィルターなどを搭載。DSPはフルタイム52bit高性能トリプルコア浮動小数点タイプで、D/Aコンバーターはバーブラウンの32bitアドバンスド・セグメント方式電流出力型。SN比-123dBのスペックを持っているので大幅な低ノイズフロア化を実現し、ダイナミックレンジと静粛性は圧倒的です。

もちろんハイレゾ音源の再生が可能で96kHz/24bitまでネイティブ再生が可能。チャンネル間独立の31バンド・グラフィックイコライザーは±0.5dB単位で調整できるしタイムアライメントは0.35cm単位で調整できるなど、細かい調整が可能です。またネットワークモードでは3ウェイ・マルチアンプ・システムの調整に対応しています。

また2023年4月30日までにMapFanスマートメンバーズへ新規入会すれば、最新データのバージョンアップ期間が最大3年から4年へと延長。最大年6回配信のバージョンアップを、2024年10月31日まで受けられます。

Wi-Fiでつながる最新のサイバーナビが良いか、音質を追求したサイバーナビXシリーズが良いか、実際に比較試聴したわけではないのでわかりませんが、どっちを選ぶかはけっこう悩むところ。今年は単体の車載Wi-Fiルーターも出たことだし、個人的にはカーナビをサイバーXにして車載Wi-Fiルーターを加える手もあるかな? と考えています。