【レビュー】マッチM-5DSP MK2を聴いた

高いスピーカーがひと段落したので、次は比較的リーズナブルな製品を。純正システムに追加して手軽に音質アップを図るためのアンプ内蔵DSPです。

カローラがディスプレイオーディオ(DA)を標準で採用するなど、純正オーディオの形は変わりつつあります。いや、すでに異形の純正オーディオは増えているし、9インチなどの大画面モニターを純正で搭載したクルマも増えています。それよりも、純正システムを外すとエラーが起きて、ヘタするとクルマが動かなくなる事態もありますよね。もうオーディオをグレードアップするのに1DINや2DINサイズのヘッドユニットに変える時代は終わったのかもしれません。

そんな時代に、純正システムを活かしたままでオーディオをグレードアップするにはDSPを足して、それ以降をグレードアップするという手段があるわけですが、それをより手軽にするのがアンプ内蔵DSP。今回、試聴した中でちょっと驚いたのが、マッチのM-5DSP MK2(95,000円/税別)というモデルです。


ボディは幅110×奥行85×高さ35mmというコンパクトさ。シート下など、どこにでも置ける小ささです。この小さなボディに定格で35W×4+90W(すべて4Ω/ノーマルモード)の5chパワーアンプと7chをコントロールできるDSPを内蔵しています。おもしろいのはノーマルモードの他にハイパワーモードが用意されていること。こちらに切り替えると定格出力は60W×4+160W(サブウーファーのみ2Ω、他は4Ω)に切り替えられます。

スペックを見ると「どうせデッキの内蔵アンプに毛が生えた程度だろう」と思いがちですが、国産モデルでは一般的な表記の最大出力に直すとノーマルモードで70W×4+180W。ハイパワーモードだと180W×4+320Wに達します。十分に外部アンプのスペックですよね。そういえば数年前、モスコニの超小型アンプ、pico2を試聴して衝撃を受けたことを思い出しました。最近のD級アンプ、ものすごく進化していますよね。

今回はハイパワーモードで試聴しましたが、音はまとも。そりゃ、80万円越えのブラックスのアンプや同時に聴いたフェイズ・モガミモデルにはかないませんが、低域から高域まで素直に全域に厚みのある音でしっかりと再生してくれます。内蔵アンプだと、どうしても低域の押しの弱さが気になるところですが、このモデルにそれはなし。低域の解像力も確保されているし、けっこう力もあります。このコンパクトさでこの値段でこの音が得られるなら、満足度はかなり高いと思います。

内蔵アンプが5chだから3ウェイシステムをそのままコントロールすることはできないし、ハイレゾは48kHz/24bitまでしかネイティブで対応していません。そのため使用するには割り切りが必要です。でもフロント2ウェイ+サブウーファーのシステムなら問題なし。僕は調整がめんどうだしミッドレンジが目立つ取り付けはどうにも嫌いなたちで、3ウェイにするなら質の良い2ウェイを探したいタイプなので、これで十分と思っています。ハイレゾに関しては、できれば96/24まではネイティブに再生してもらいたいし、プレーヤーも内蔵しているのが理想ですが、純正オーディオをベースにして手軽に音質を向上させるというコンセプトを考えると十分でしょう。

純正オーディオの入れ替えが難しいクルマがどんどん増えていますが、そんなクルマでも純正システムをベースに手軽に音質向上を図ることができるアンプ内蔵DSPは、今後のカーオーディオにとって救世主といえるかもしれません。