【レビュー】オーディソン THESISIIスピーカーを聴いた

今日は雨が降っているので、部屋でのんびり原稿を書いています。オーディソン からもフラッグシップ・スピーカーの新製品が出ました。THESISスピーカーの新型「THESIS II」の2ウェイモデルです。

この新型、従来同様、ツィーターとウーファー、それぞれ単体に価格が付けられています。ツィーターのTH1.5II Vioninoはペアで125,000円(税別)、ウーファーのTH6.5II Saxはペアで180,000円(税別)。2ウェイ・システムを揃えると305,000円(税別)。結構な値段です。従来モデルはミッドレンジもありましたが、今回も年明けの発売が予定されているようです。


見た目はウーファーが大きく変わりました。振動板が半透明なんです。どうやらTPX(ポリメチルペンテン)という樹脂系の素材で、三井化学の登録商標だそうです。耐熱性と耐薬性が高く、電気絶縁性も優れています。密度が低いのは、素材固有の音が出にくいという点で優れているんでしょうね。

さっそく音を聴いてみます。瑞々しいというか艶っぽいというか、一言で言うととてもエロい音がします(笑)。この中高域にどっぷりハマる人は多いんじゃないでしょうか。ツィーターにはViolinoという名前が付けられていますが、まさにヴァイオリンなんかは極上の響き。ちょっとゾクゾクっとする音色がします。だから弦楽器中心の音楽が好きなひと、バラード系の音楽が好きな人なんかにはピッタリなんじゃないですかね。

このように聴く音楽を選ぶ傾向があるスピーカーなので、僕のようにロックをガンガンに聴くタイプにはちょっと物足りない面もあります。中高域のインパクトはものすごくあるのですが、それに比べて低域のインパクトは弱め。もちろん反応は速いし自然な音色なんですがインパクトが穏やかなんです。僕の場合、スネアの音がバシッと響いてこないとイヤなので、物足りないなぁと感じた次第。このあたりは好みなのでしょうがないかなぁ、と。

聴く音楽や好みがピッタリ合う人には、これ以上のものはないくらいに最上のものだし、音楽が合わなければ「なんだこれ?」なサウンドのスピーカーだと思います。最近は、どんな音楽もまんべんなく鳴らすスピーカーが多く、結果、残念ながらつまらない音になってしまっているものも多々ありますが、そんな中で個性を発揮しているスピーカーは貴重だと思います。

もし、弦楽器だったりバラード系だったりが大好きな人がいたら、このスピーカーはぴったりハマるんじゃないでしょうか。