三菱から高音質を追求した「ダイヤトーン サウンド ナビ」登場!

三菱が高音質を磨き上げたカーナビ「ダイヤトーン・サウンド・ナビ」を発表。7月4日から発売を開始します。

ダイヤトーンといえば、かつては放送局用のスタジオモニターとして名をはせ、ホーム・オーディオでも多くの名機を排出した名門スピーカー・ブランド。一時期、オーディオ事業から撤退したが、2005年にホーム用のDS-MA1で復活。翌年から車載用の高級スピーカー、DS-SA1やDS-SA3、1台80万円のデジタル・プロセス・センター・DA-PX1、カーボンナノチューブ配合のNCV振動板を採用したスピーカー・DS-G50&サブウーファーのSW-G50を立て続けに発表し、すべてが高評価を獲得。プレミアム・カーオーディオの世界では、すでに確固たる地位を獲得しているブランドです。

上位機種のNR-MZ60PREMIはフレームがDA-PX1のようなブラウン系
そんな「ダイヤトーン」のブランドを冠したナビだから、当然、音質を追求。オーディオ部分はダイヤトーンの開発チームが中心になって創りあげています。驚くのは、DA-PX1に搭載した機能とエッセンスをふんだんに盛り込んでいること。D/Aコンバーターは、従来の24bitタイプに比べて256倍も高精度なデジタル-アナログ変換を行う32bitタイプを採用しているし、DSPは40bit演算精度を実現。機能的にも、マルチウェイ・タイムアライメント、クロスオーバーネットワーク、左右独立GEQ(グラフィック・イコライザー)、メモリーコレクターなど、DA-PX1と同じ機能を持っています。

マルチウェイ・タイムアライメントとは、簡単にいえばパッシブ・クロスオーバーネットワークを使ったシステムでも、トゥイーター/ウーファーなど各ユニットごとのタイムアライメント調整ができるというダイヤトーン独自の技術。タイムアライメントとは、各スピーカーから出た音がリスナーの耳に聞こえるタイミングを補正するもので、タイミングがぴたりと合わないと、それぞれの音がバラバラに聞こえて心地よい音楽になりにくいが、タイミングがピタリとあえば、低域から広域まで音がスムースにつながり、心地よい音楽が楽しめるというわけ。通常タイムアライメントは、スピーカーユニット1個に対してパワーアンプを1ch分使ったマルチアンプ・システムでなければ不可能ですが、ダイヤトーン・サウンド・ナビに搭載したマルチウェイ・タイムアライメントは、フロント用パワーアンプだけで、最大3ウェイスピーカーのタイミング調整が可能です。

メモリーコレクターとは、CDなどのデジタル信号を一旦、大容量のメモリーに格納し、正確な基準クロックで読み出すことでジッターの影響を除去する技術。ジッターとはデジタル信号の時間軸の揺らぎで、音質に大きく影響するため、ジッターの除去がデジタルオーディオでは大きな課題ですが、ダイヤトーン・サウンド・ナビでは、ジッターの除去に成功しています。ちなみに、一旦メモリーに貯めて吐き出すということは、信号の読み取りから音が出るまで、少しタイムラグがあるということ。そのため、DVD再生時は、映像と音のタイムラグが気になるため、メモリーコレクターは通さない仕様になっているそうです。
NR-MZ60はブラックフレーム
ダイヤトーン・サウンド・ナビは、NR-MZ60PREMIとNR-MZ60の2モデルあり、グラフィック・イコライザーとクロスオーバー・ネットワークの仕様が異なります。上級のNR-MZ60PREMIは、フロントチャンネルに32バンド左右独立GEQを、リアチャンネルには左右独立10バンドGEQを採用し、クロスオーバーネットワークはサブウーファーを含む最大4ウェイ・システムにまで対応。カットオフスロープは、−6dB/octから−72dB/octまで選べます。NR-MZ60はグラフィック・イコライザーがフロント&リアともに10バンドずつ(左右共通)で、クロスオーバーネットワークは最大3ウェイまで。ま、フロント2ウェイ+サブウーファー・システムなら、NR-MZ60でも十分ですね。ただ、GEQできめ細かくサウンドをコントロールするなら、NR-MZ60PREMIでしょうか。そういえば、マルチウェイ・タイムアライメントも、NR-MZ60PREMIはフロントチャンネルで3ウェイ+サブウーファーの調整が可能ですから、4ウェイに対応しています。

もちろん、アナログ部分も音を徹底的に追求しています。たとえばダイヤトーン・サウンド・ナビに使用しているハンダは、三菱電機の生産技術部とダイヤトーンの開発チームが試聴を繰り返して共同開発した高音質ハンダ。DS-G50などにも採用しているもので、鉛フリーなのに、以前の鉛をふんだんに使った高音質ハンダと言われるものよりも音がいいとか。外部アンプを接続するためのライン出力も手を抜いていないし、デジタル部だけではなくアナログ部もあらゆる部分に手を入れて高音質を追求しているそうです。

内蔵アンプは最大出力45W×4と、一般的なAVナビの内蔵アンプよりは低い数値ですが、実効出力は30W×4以上出ているそうで、十分な制動力だし、S/Nも優れています。高音質といわれるカーナビの音を表現するとき、よく「内蔵アンプのわりには音がよい」みたいな言い回しをしますが、この内蔵アンプには「内蔵アンプのわりには」のフレーズは不要。純粋に音がいいアンプという印象です。

USBを備え、iPod/iPhoneの音楽も再生可能。USBメモリーなどのUSBデバイスやSDカードでは、MP3/AAC/WMAの圧縮音源のほか、非圧縮のWAVファイルも再生できます。内蔵地デジチューナーは、フルセグ受信対応の4チューナー×4アンテナタイプ。Bluetoothを内蔵しているので、Bluetoothオーディオのワイヤレス再生も可能です。

後回しになってしまいましたが、ナビ部分は16GBのSDカードを採用したメモリーナビで、次に曲がる情報を瞬時に視認できるシンプルマップを採用。スマホアプリ連携など、今流行の機能はありませんが、ナビは目的地まで安全・快適に案内してくれればいいというのであれば、十分な機能です。機能がシンプルなぶん、操作も簡単。おそらく、誰でもすぐにすべての機能を使いこなせると思います。多機能よりも使いやすさを求める人にもぴったりですね。そうそう、バックカメラを増設すれば、高速道路でレーンをはみ出したときに、警告音と画面表示で警告してくれるレーンアシスト機能もあります。モニターは7型ワイドVGAです。

という具合に、ダイヤトーン・サウンド・ナビは、音が良いカーナビというよりは、カーナビ機能が付いた高音質オーディオと言ったほうがしっくりきます。ドライブ中は、つねに地図が必要なわけではなく、通勤や近所への買い物など、普段走り慣れた道を走っている時に、カーナビは要りません。でも、音楽は聴いていると思います。つまり、カーナビといえども、オーディオ機器として活躍していることが多いわけです。ならば、音質基準でカーナビを選ぶという考え方は大いにあり。それならばダイヤトーン・サウンド・ナビは、オススメしたい筆頭です。

ダイヤトーン



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