ステッグからもデジタル・シグナル・プロセッサー登場

ステッグの新製品もフィナーレを迎えました。最後はマルチアンプ・システムの要となるデジタル・シグナル・プロセッサーです。

このSDSP68(95,000円/税別)は8ch分の出力を持っていて最大4ウェイ・システムのコントロールが可能。入力はRCAが6chのほか、6chのハイレベル入力にも対応しています。ほかに3.5mmジャックのAUXも装備しているし、光デジタルと同軸デジタルも各1系統用意。幅196×奥行120×高さ40mmのコンパクトなボディですがUSBが無い以外は十分な装備と言えるでしょう。


中に使っているデバイスは、シーラスロジック社製の24bit A/DコンバーターおよびD/Aコンバーターとアナログデバイセズ社製の295MHz 32bit DSP。工場火災によって供給に影響が出ているAKMのデバイスを使っていなくてよかったですね。これなら、問題なく生産できそうです。

調整できるのは、よくあるDSPと同じくクロスオーバー・ネットワーク、イコライザー 、タイムディレイの3つ。クロスオーバーはヨーロッパ製のDSPらしくリンクウィッツ、ベッセル、バターワースの3つの肩特性を用意しているのが特徴で、イコライザーは各チャンネル31バンドの調整が可能なグライコなんですが、Q特性も0.27〜15の範囲で変えられる特徴を持っています。

タイムディレイは0.02m secステップで、0〜25m secの範囲で調整可能。距離が書いていないので、たぶん調整はm secでがデフォルトなんでしょう。距離での調整に慣れている人にとっては、ちょっと使いづらいかも、です。また0または180度の位相反転もできます。

設定・調整にはWindows PCが必要とのことですが、バージョンがいくつまで対応しているのかは資料に書いていないので、購入を検討しているかたは販売店等にご確認のこと。また、ボリューム調整や入力切り替え、プリセットメモリーの切り替えができるコントローラーのSTEG DRC for SDSPは8,000円(税別)で別売なので、こちらも合わせて必要です。

車載DSPといえば、オーディソンが早くから出していたし、モスコニのDSPもちょっと高いけどなかなか良い音でした。というくらいイタリア製のDSPは侮れないものがあります。今はヘリックスの勢いが強いようですが、選択肢がさらに増えるのは良いことかと思います。