iPodもいい音で。高音質CDメインユニット登場

カロッツェリアから抜群にコストパフォーマンスが優秀なハイエンド・カーオーディオ、DEH-P01(105,000円)の登場だ。P01といっても、CDトランスポートとデジタルプロセッサーが分かれた、これまでのDEX&DEQ-P01〜P01Ⅱの構成とは異なり、デジタルプロセッサー内蔵アンプレスCDメインユニットに、小型の外部6chアンプを付属するというスタイル。価格的にもシステム面でも、P01の後継ではなく、新しいカテゴリーの製品と思えばいい。


内蔵デジタルプロセッサーには、高速演算処理が可能な32bit浮動小数点DSPを新規に採用。L/R独立4ウェイデジタルクロスオーバーやL/R独立31バンドデジタルイコライザー、デジタルタイムアライメントといったデジタル補正機能の仕様は、カロッツェリア・カーオーディオのフラッグシップモデル「Xシリーズ」と比較してみても、クロスオーバーのスロープが−36dBまで(Xシリーズは−72dBまで)に変更されている以外は、ほぼ同じ内容だ。加えて、Xシリーズにはないオートタイムアライメント&オートイコライザーも搭載。装着後に試聴位置にマイクをセットして調整をONにすれば、明確な音像定位と自然な音場、滑らかな車内音響特性に自動チューニングしてくれる手軽さも持ち合わせている。

また入力信号を忠実に伝送するリニアテクノロジー社製高性能ハイスルーレートオペアンプ、デジタル信号の時間軸の揺らぎ=ジッターを低減するサウンドマスタークロック回路、高電圧駆動によりダイナミックレンジを確保するハイボルテージボリューム回路、CDメカモジュールをシャーシ全体で押さえ固有振動を吸収&分散することで信号の読み取り精度を高めるダンパー機構、外部ノイズの影響を最小限に抑える銅メッキシャーシなど、音のクオリティに関わるデバイスや装備にも抜かりはない。D/Aコンバーターはバーブラウンではなく国産のAKM高性能24bitアドバンストマルチビット方式DACを採用。最近、ホームオーディオでも評判の国産DACを採用したのは、ブランド名よりもサウンドクオリティを重視した結果。これがハイエンド機ながら10万円という低価格にも結びついている。

パワーアンプはPower MOS FETを採用し、最大出力は50W×6。電源部にはフルカスタム大容量音響用コンデンサーの採用と放熱効果を高めることで、安定駆動を実現。またパワーICを含めた回路を左右独立構成にすることで、信号の相互干渉を抑え優れたチャンネルセパレーションを実現している。

ハイエンドカーオーディオにふさわしい設計にも関わらず、USBを装備してデジタル音源に対応しているのも特筆すべき点。なぜかハイエンド機には、iPodをいい音で楽しむという発想のモデルが皆無だったからだ。このDEH-P01の場合、iPodやUSBメモリーなどのデバイスに保存した音楽ファイルは、デジタルのままDEH-P01に伝送され、DEH-P01内の高性能DACでアナログ音声に変換される。しかもサウンドマスタークロック回路の効果も受けるので、iPodとは思えない高音質で音楽が楽しめる。再生可能なフォーマットはMP3/WMA/AACといった圧縮音源のほか、非圧縮のWAVフォーマットにも対応。もちろん、iPodのWAVファイルもデジタル伝送ができる。だから、より高音質で聴きたいならiTunesに楽曲をWAVファイルで取り込んでおくのがおすすめだ。

もちろんDEH--P01に接続したiPodは充電が可能。最新のiPhone/iPodにも対応しているし、iPhone/iPod側で選曲等の操作が可能なコントロールモードを搭載しているのもうれしい点。CDもiPodもデジタルメディアもいい音で楽しみたい人に、超おすすめのメインユニットだ。