クラウドで最良の音楽と音場を自動的に提供

もうひとつ、フォルシア・クラリオンで行われたテック・ショーの話題を。2階の試聴室では「コネクテッド・プレミアム・サウンド・テクノロジーズ」のデモが行われていました。

このコネクテッド・プレミアム・サウンド・テクノロジーズは、クラウド技術と音響技術が融合したもの。カメラで乗員の状況を検出し、クラウド処理によって乗員の好みの曲を再生するし、人数によって音響を補正して乗員に合わせた最適な音場を創り出します。言うなれば、ものすごく賢いリコメンド機能といったところでしょうか。


使用していた音源はSpotify。これは、スポティファイの音源には楽曲のジャンルを特定するなど、さまざまな情報が組み込まれていることや、この機能に賛同してもらえたこと、使用料が安いことなど、多くの理由があるようです。Apple Musicなど、ほかのサービスにも話をしていますが、使用料がスポティファイよりも高いなどの問題があるようですね。このあたりがクリアになって、多くのサービスが使えるようになれば、より便利になりそうです。

ドライバーを識別して好みのプレイリストを自動的に選曲してくれるので、ドライバーが曲を探す手間は無し。自動的に音楽を再生してくれます。明確に、聴きたいアルバムが決まっている人には余計なお世話ですが(笑)、クルマに乗るたびに何を聴くか悩むような人には便利ですね。

また1人乗車なら運転席で聴いた時に目の前に音像が定位するように調整するし、4人乗車なら4人で楽しめるような音場を再生します。さらに、再生中の楽曲ジャンルをとステイして、サウンド・レストアラーやリバーブ、トーン・フィルター、ベースといった音響テクノロジーを自動的に最適化して、理想の音を創り出します。ドライバーは、何もしなくても良い音で音楽が楽しめるので、ほんと楽ですね。

これを、クアッドビューのカーナビをベースに行なっていたのがポイント。もちろん、カメラ等のシステムアップは必要ですが、既存のカーナビのプログラムをバージョンアップすることで、すぐに対応できそうなので市販の可能性も高まります。その時には、もっと多くのストリーミング配信サービスも使えることが必要でしょうが、可能性を感じる機能です。

7月中旬からインテリジェントボイスに追加される新サービスも紹介されました。ネイチャーリモというスマートリモコンを使って実現する機能です。これは、カーナビの音声操作で、自宅のエアコンを操作できる機能。「それって必要?」と思うかもしれませんが、切り忘れたエアコンを止めることができるし、家に帰った時にすでに室内の温度が快適になっているという状況は嬉しいと思います。

またいずれは、照明のオンオフとかテレビの操作などもできるはず。アレクサとかグーグル・ホームのクルマ版といった感じでしょうか。インテリジェントボイスやスマートアクセスって、ここまで対応していたんですね。対応カーナビは2017年以降のインテリジェントボイス対応カーナビですが、それ以前のカーナビも順次対応する予定。サービス料は無料なのでご安心を。ただし、ネイチャーリモまたはネイチャーリモミニというスマートリモコンは買ってください。