1500万円の高級車、レクサスLC500コンバーチブルがモデルチェンジしました。レクサスといえばオーディオはマークレビンソンと思いきや、なんとLC500コンバーチブルの標準装備のサウンド・システムはパイオニア製。TAD(テクニカル・オーディオ・デバイセズ)の技術も搭載されているんですよね。もちろん、リファレンス・サラウンドシステムとしてマークレビンソンも用意されていますが。
さてパイオニア製のプレミアムサウンド・システムですが、自動車メーカー的に言うと12スピーカーシステムということになりますが、インパネの両サイドに9cmCSTユニットが付きフロントドアに16cmウーファーを装着。インパネのセンターには9cmミッドレンジもあります。またリアシートバックにも9cmCSTが付き、25cmサブウーファーもあります。つまりオーディオ的にいえば、フロントスピーカーはCST(同軸2ウェイ)+ウーファーの3ウェイ構成。これにサブウーファーが加わるという4ウェイ構成で、センタースピーカーとリアスピーカーも付いているという感じでしょうか。
ここで注目したいのは、やはりCSTです。TADのリファレンス・スピーカーにも搭載されている技術です。CSTとはCoherent Source Transducerの意味。コヒーレントとは整合性とか論理的一貫性といった意味を持ちますが、この場合、位相が整っているという意味で使われているものと思われます。9cmミッドレンジとツィーターを同軸上にまとめたシステムで、KEFのQシリーズみたいなものといえばわかりやすいでしょうか。9cmミッドレンジのセンターキャップの部分にツィーターがあり、コンパクトに2ウェイがまとめられている上に位相もぴったり合うというスピーカーです。
9cmなので、TADのマイクロ・エボリューション・ワンに搭載されているCSTドライバーと同じサイズ。残念ながら振動板の材質は公表されていませんが、音波の乱れを排除し、点音源のサウンドを奏でるという作りは同じなので、位相が整った、安定した高音質が楽しめるのは間違いないでしょう。
となると、気になるのはこのCSTドライバーが市販機にも採用されるのかということですが、これはまだわかりません。ただ、せっかくの技術を持っているパイオニアなので、これをLC500コンバーチブルのためだけに止めておくのはもったいないと思います。市販でもぜひCSTドライバーを出してもらいたいと願うばかりです。