2010CESで見た、ちょっと気になる最新モデル その2

パワーアンプの注目はフォーカルのFPSシリーズ。以前販売されていたFPシリーズの後継シリーズで、現行モデルのSOLIDシリーズよりは上級となる。ラインアップはFPS2160/FPS4160/FPS2300RX/FPS1500の4種類。FPS2160とFPS2300RXが2チャンネルアンプで、出力はFPS2160が100W×2、FPS2300RXが125W×2。FPS4160は100W×4の4チャンネルアンプで、FPS1500が500Wのモノラルアンプだ。なおFPS2300RXは、とくにKRXシリーズ・スピーカーとのマッチングを考えてチューニングしてあるそうだ。


FPSとは「フォーカル・パワー・シンメトリック」の意味。2チャンネルアンプはモノラルアンプが2つ、同一筐体に収まったような、左右対称の回路構成。4チャンネルアンプは2チャンネルアンプが2つ、左右対称に収まっている。そのため、電源の配線が中央にあり、ライン入力のRCA端子とスピーカー端子は左右が離れて配置されている。ボディサイズは幅353ミリと幅429ミリの2種類(奥行き×高さは254×59ミリで同一)あって、FPS2160とFPS1500が幅353ミリ、FPS4160とFPS2300RXが幅429ミリだ。


特徴はオプションで専用のキャパシタを用意したこと。LANケーブルほどの大きさの4品のカプラーで簡単に脱着できる設計で、左右チャンネルに各1個ずつ、キャパシタを接続する端子がある。四角いケースの中には、4個のコンデンサが並んでいる。

FPS2160を試聴することができた。最初はキャパシタ無しの素の状態。この状態でも、以前のFPシリーズアンプに比べて低域が引き締まって、リズムのノリがいい。中高域の質感も上々だ。ところがキャパシタを接続すると、音は激変する。低域はよりエネルギッシュになるし、中高域の質感も向上。音場の広がりも増すし、音像のフォーカスも良くなる。キャパシタを繋ぐ前は、それでも十分に満足できるクオリティだったが、キャパシタを繋いだ音を聴いた後にもう一度、キャパシタ無しで聴くと、なんかもの足りない。それほど、大きく違う。発売時期は未定だが、今年、話題のアンプに鳴ることは間違いないと思う。