今日も用賀へ。本来の目的はカロッツェリアTS-Z900PRSの個別試聴だったのですが、メーカー担当者が新しく出たサブウーファーのTS-WX010Aを搭載したデモカーを持ってくるとのことだったので、早めに用賀へ行きデモカーを試聴してみたわけです。
デモカーはニッサン・リーフ。助手席の足元のスペースにTS-WX010Aが置かれていました。写真だけではサイズがいまいちイメージできなかったんですが、実物を目にすると思ったよりも小さい! シートを一番後ろにすると僕の足の長さではTS-WX010Aまで足が届きません(笑)。身長が2mくらいの人だと普通に足が届きそうですが、フットレスト代わりになって良いかもしれません。
この幅230×奥行116×高さ70mmのコンパクトなボディの中に11cm×5cmのトラック型スピーカーや内蔵アンプが組み込まれています。最大出力は160Wとスペックに書かれていますが、定格は50W程度でしょうね。
これで、ホントに低音が鳴るの? と思う人もいるでしょうが、意外や意外、わりとしっかり低音が鳴ります。もちろん大口径のサブウーファーのような本格的な低音ではないし、ローエンドまで伸びる感じはありませんが十分に低音の量感を加えてくれます。
というのも、コーナー音響効果が効いているから。ホームオーディオでも使われる手法ですが、隅っこにサブウーファーを置くことで空気を振動させやすくサイズを超えた低音を再生できるんですね。これも助手席足元という隅っこに置くことで、低音を増強できるんでしょう。従来のサブウーファーとは異なり、ベース・サウンド・クリエイターという呼び方をしていますが、なかなか気が利いたネーミングかと思います。
フロント・スピーカーのすぐそばの、助手席足元にあるのもいいんでしょうね。サブウーファーというと、どうしてもラゲッジルームなどリスナーの後方の離れた位置に置くことが多いため調整も大変なんですが、このサブウーファーはわりとすんなりフロントスピーカーと音がつながります。
最初はフロントスピーカーに120Hzでローカットをかけて、サブウーファーはハイカットせずに出しっぱなしだったんですが、これでも普通に聴けます。もう少し調整してみようとヘッドユニットに使っていたディスプレイオーディオの内蔵クロスオーバーで調整してみたんですが、わりとリニアに音が変わります。結局のところ、リーフの場合はクロスポイント100Hz、-6dB/octで落ち着いたんですが、急峻なスロープで切るよりも-6dB/oct程度のゆるいスロープのほうが良い感じで、クロスポイントは高めのほうがよさそうです。
フロントスピーカーはベーシック・グレードのカスタムフィット・スピーカー、Fシリーズのセパレート2ウェイでヘッドユニットは9型モニター採用のディスプレイオーディオ。総額12万円くらいで、スピーカー+サブウーファーだけだと3万円程度のリーズナブルなシステムです。が、この程度のシステムではものすごく効果のあるサブウーファーです。
もちろん、より本格的なサブウーファーは多々あるし、もっとローエンドの帯域を再生できないと物足りないという人もいるでしょう。そんな人には、より本格的なサブウーファーを導入してもらうとして、安価で手軽に低音を加えたいと思っている人にとっては、調整も楽だし良い製品だと思います。特にビートに重みや厚みを加えたい人には効果的でしょう。
その後、試聴室で聴いたZ900PRSは、カロッツェリア・サイバーナビXシリーズ+RS-A99Xとの組み合わせだったんですが、音像の実在感が素晴らしく時間の制約がなければずっと聴いていたくなる、心地よい音でしたよ。