カロッツェリアからHVT方式の極薄パワードサブウーファー

カロッツェリアが新開発したパワードサブウーファーが、なかなか面白そうだ。

このTS-WH1000A(52,500円)は、HVT(ホリゾンタル・ヴァーティカル・トランスフォーミング)方式をを採用したもの。すでにカー用のサテライトスピーカーやホームシアター用としては、この方式を採用したスピーカーを発売しているが、パワードサブウーファーでは今回が初めてだ。

HVT方式により高さ45mmの極薄ボディを実現
HVT方式とは、リンク機構により、横の動きを縦に変える方式だ。一般的なスピーカーは、振動板があり、そこに振動板を動かすためのボイスコイルおよび磁気回路があり、振動板とボイスコイルは同じ方向に動く。そのため、最低でも振動板の奥行+ボイスコイル&磁気回路の長さぶんの奥行が必要なのだが、HVT方式は横方向のボイスコイルの動きを、リンク機構を介して縦方向に替え、振動板を動かす。だから、振動板+リンク機構の厚みさえあればOK。しかも振動板はフラット。スピーカーユニットの厚みを思いっきり薄くできるのだ。

このTS-WH1000Aの厚みは4.5cm。従来のトランク用薄型サブウーファー・TS-WX77Aの厚みが82mm、シート下にも設置可能なコンパクトサブウーファー・TS-WX110Aでも75mmの厚みだから、いかに薄いかがわかると思う。この薄さのおかげで、シート下に設置できる可能性が高まるし、ラゲッジルームに置いても荷室容量をさほど減らさなくてすむ。

HVTユニットは従来のスピーカーに換算すれば20cm口径相当の両面駆動タイプ。このユニットを200Wアンプで駆動し、20〜200Hzの帯域を再生する。音は、本体横の3方向から放出する方式。そのため、シート下に設置しても、低音の音圧がシートに伝わって、シートがムズムズと震えることもない。

以前、サテライトスピーカーの発表時に、HVTユニットを使った試作の無指向性スピーカーのデモをしたことがあった。楽器のようなボードにHVTユニットをくっつけ、それをクルクル回しても再生音はまったく変わらないし、スピーカーの前を人が横切って遮っても、やはり音は変わらないという驚きの体験だったのだが、このTS-WH1000Aの音にも、そんな驚きがあるに違いない。

【主な仕様】
●最大出力:200W●再生周波数帯域:20〜200Hz●出力音圧レベル:89dB●ローパスフィルター:50〜125Hz(カットオフスロープ:−12dB/oct)●最大消費電流:14A●本体質量:5.28キロ●サイズ:幅360×奥行270×高さ45mm


カロッツェリア