ケンウッドがD-ILA方式のHUDナビ、MDV-737HUDを発売

昨年からHUD(ヘッドアップディスプレイ)を採用しているカロッツェリアがサイバーナビの2013年モデルを発表したのと同じ5月8日、突然、ケンウッドからもHUD付きのカーナビが登場した。


MDV-737HUDは、フリック&ドラッグなどの操作に対応した最新の彩速ナビではなく、昨年までの通常のタッチパネル操作のナビ本体と、ルームミラーを利用して取付けるHUDユニットのセット。HUDユニットはルームミラーの裏からはめ込み、その横に伸びたステーの先に光学ユニットと映像を映すコンバイナを搭載。ドライバーから見ると、ルームミラーの横に案内画像が見える感じになる。光学ユニットとコンバイナを反転させれば、左ハンドル車にも搭載可能だ。なおHUDの取付け適合車種はこちらで確認のこと。

HUDユニットはルームミラーを利用して装着する
HUDの装着状態
HUDユニットには、JVCケンウッドが独自開発したD-ILAプロジェクターで培った技術を採用。ホームシアター用のハイエンドプロジェクターで、高精細・高コントラスト・高色再現性だと好評価を得ているプロジェクターを小型化したD-ILAデバイスを新たに開発し、HUDユニットに応用している。表示する情報は、右左折の矢印、3D交差点イラスト、ハイウェイエントランスガイド、ジャンクションガイドなど。表示は15,000カンデラと十分な輝度を持ち、ディマーセンサーで自動的に輝度調整するので、外の明るさに応じてみやすい画像を表示する。

ナビ部分は昨年モデルのMDV-737DTがベースで、2012年秋データを収録したバージョンアップソフトを付属。高速道路や大型主要道路の開通予定情報をあらかじめ格納しているので、新規開通道路の標示にも対応している。それ以外の装備や機能はまったく同じで、モニターは7型ワイドVGAの彩り鮮やかなスーパー・ファインビュー・モニター。メモリーは16GBの車載スペックSSDで、心臓部にはジェットレスポンスエンジンIIを搭載。地図データには独自のデータ圧縮技術、S3フォーマットを採用しているので、地図スクロールを始め、様々な操作が素早いレスポンスでできる。

このMDV-737DTとHUDユニットとの接続はUSBで。中間に専用ジャンクションボックスを挟むことで、簡単な接続を可能にしている。HUDの取付け適合車でも、サンバイザーが使用不可だったり、ミラーの自動防眩機能が効かなくなるなど、問題はありそうだが、先進の装備をいち早く手に入れたい人は注目したい。なお、このHUDはUSBで接続するため、最新のZシリーズ等にも展開できるようだが、今のところZ700とHUDのセットを販売する予定は無し。また、HUDユニット単体での販売も予定していないとのことだ。MDV-737HUDの発売は5月中旬の予定。オープン価格だが、実勢価格は25万円前後が想定されている。

ケンウッド