10型は有機ELを搭載したストラーダの最新モデル

 2DINのスペースを利用してパネル交換などの大掛かりな加工なしに大画面を装着できるフローティング構造で人気のパナソニック・ストラーダ。2020〜2021年モデルは、画面を有機ELに変えて、大きく進化しての登場です。

有機ELを採用した10型モデルは前作同様の狭額縁でフルフラット。BDが再生可能なCN-F1XBLDとBDは再生できないDVDモデルのCN-F1XLDの2モデルがあります。価格はオープンですが、実売価格はCN-F1XBLDが21万円前後、CN-F1XLDは19万円前後になる模様。発売は10月中旬の予定です。

CN-F1XBLD


この画面、とにかく綺麗。従来のHDブリリアントブラックビジョンも液晶とパネルの間の空気層をボンディング材で埋めたりAGAR低反射フィルムを採用したりして反射を抑え、それなりに黒が締まった映像を実現していたのですが、有機ELと比べてしまうとモノが違います。バックライトで背面から照らさなければ映像が見えない液晶と違って自発光型の有機ELだから、とにかく黒がビシッと引き締まっています。そして映像も綺麗。BDの映像を見比べるとその違いは歴然です。

地図を見ると、地図データそのものの解像度も関係しているのか、それほど解像度が高いという印象はないのですが、BDを見ると圧倒的に違います。これを見ると、カーナビとはいえ、いまやエンターテインメント性を最重視しているんだなぁということがわかります。この映像の美しさだけでも、十分に「買い」でしょう。そしてBDモデルとDVDモデルなら、やはりBDモデルを選びたいモノです。2万円ほど高くなりますが。

映像ソースは地デジ


ということで、まずは先にエンターテインメント性を述べておきます。HDMI接続ができるので、Fire TV Stickの接続も可能です。つまりYouTubeやサブスク系の動画配信サービスも見られるわけですね。ただしサイバーナビのようなネットワーク機能を持つわけではないので、スマホのテザリングを利用して車内の通信環境を整えることが必要ですが、いちおう見られることは見られます。

サウンドも進化しています。ハイレゾ音源に対応しサンプリングレートコンバーターによって192Hz/24bitに処理して再生するのは従来モデルと同じですが、DSP/DAC専用アースを追加するなどGNDやパターン設計を見直しています。この結果、ノイズが大幅に低減し、高周波のチャンネルセパレーションが1.1dB改善。新たに採用した低DCRチョークも歪率を2.5%改善し、よりクリアな寸土を実現しています。

いちおう音も確認してみましたが、聴いたRAV4はスピーカーが純正のままで「時間がなくて調整もなにもしていない」とのこと。音は案の定、低音がもこもこでしたが、中高域のクリアさは確認できました。もしかしてしっかり調整したら、そこそこ良い音になるのでは? と感じたので、次にデモカーを借りた時にまた報告したいと思います。いちおう来週借りる予定なのですが、それまでにきっちり調整できているかはわかりません(笑)


地図データも、前作と比べて大きく進化しています。今回から市街地図は全国100%を網羅。地方の街へ行っても、市街地図に家形まで表示されるので、地方へ出かけて地図を見たときに道路の線ばっかりで寂しくなるということはありません。この進化は、先に出たパナソニック・ゴリラと同じですがETC2.0車載器を活用した信号情報活用運転支援システムなど、より進化している部分がいくつかあるようです。


案内画面は方面看板表示がピクト表示に対応していて、より一瞬でわかりやすくなっています。また高速道路の看板表示はナンバリングに対応していて外国人でもひと目でわかる設計に。交差点までの残距離が従来よりもひと回り大きくなっているのも、見やすさ&わかりやすさを向上させる配慮です。


安全&安心サポート機能も充実。一時停止や制限速度など、様々な看板表示を大きなポップアップと音声で教えてくれるし、逆走検知や逆走注意アラームも万全。みちびき対応などで測位性能を高めているので逆走検知も万全です。またVICSワイドを利用した渋滞回避も行います。関東1都6県ではプローブ情報を活用した実証実験をおこなっており、進行方向別の時間情報をレーンごとに色分けして表示するなど、きめ細かいサービスを行います。この色分け表示ができるのは、現時点ではパナソニックだけだそうです。

スマートフォン連携も充実。Naviconやその連携アプリで見つけた目的地を簡単に転送できるほか、音声認識もスマホとの連携で可能。またなにげに便利なのがCarAV remoteというスマホをリモコンとして活用できるアプリ。これを使えば同乗者もすきにAV機能の操作ができるので、大勢でのドライブに便利だし、子どももスマホで自由にAVの操作ができて煩わしさから解放されます。

操作レスポンスはケンウッド等の早いものと比べてしまうと、ちょっともっさりした印象でしたが、これは室内で電源が違うためとも考えられるので、デモカーで使用したときに詳しくお伝えしたいと思います。いずれにしても、この映像の美しさだけでも魅力的なことは間違いなし。現行のストラーダF1プレミアム10のBDモデルが16万円前後なので、それよりは5万円ほどアップしそうですが、この映像の美しさは衝撃的です。

なお有機ELではないストラーダF1の9型モデルの2020〜2021年モデル、CN-F1D9VDも登場。BD再生には対応していない仕様で、実売価格は12万円前後と、お求め安い価格設定です。

CN-F1D9VD