カロッツェリアのフラッグシップ・スピーカー、RSシリーズがフルモデルチェンジ。11月上旬から発売される予定だ。
現行のRSⅡシリーズの発売が2007年だから、モデルチェンジは4年ぶり。前回のRSからRSⅡへのモデルチェンジは、同じフレームを使ったマイナーチェンジだったが、今回は一から新設計したフルモデルチェンジ。トゥイーター以外の振動板はクロスカーボンに代わり、フレームは新しい形状に変わるなど、大きく変わっている。
カロッツェリアTS-Z1000RSはセパレート2ウェイシステムで登場 |
そのTS-Z1000RSだが、トゥイーターは従来と同じデュアルアークリング方式。振動板の素材も同じくDLC(ダイヤモンド・ライク・カーボン)処理を施したチタンを採用する。が、振動板の口径は、従来機の3.5cmから3cmへとサイズダウン。そのおかげで、トゥイーター自体のコンパクト化を果たしている。従来のトゥイーターは大きすぎて取付けるのに躊躇していた人にも受け入れられるかもしれないサイズだ。亜鉛ダイキャストフレームや真鍮削りだしイコライザーといったあたりは、従来機を引き継いでいる。
ウーファー部はクロスカーボンと紙の2層構造。コーン部とセンターキャップは一体型とすることで、高剛性とトランジェント特性を高めた。エッジは、従来同様のコルゲーション・エッジを採用する。フレームは6本のV字型リブで構成した新デザイン。素材は亜鉛ダイキャストで、非面積極型ポイント支持構造の採用などで、徹底的に無共振化を図った。
付属のクロスオーバーネットワークは、バイアンプ接続に対応。ウーファーとトゥイーターそれぞれに、パワーアンプを接続できる。デジタルプロセッサー使用のシステムなら、このネットワークで帯域分割を行いつつ、タイムアライメント調整を併用することもできる。低インピーダンス化を図るため、基板のパターンは厚み70ミクロンの銅箔を採用。音響用チョークコイルや音響用コンデンサー、大型フィルムコンデンサーを採用するなど、音質を追求した設計だ。
ミッドレンジのTS-S1000RSは6.6cm口径にコンパクト化 |
25cmサブウーファーのTS-W1000RS。クロスカーボンの一体型2層構造振動板を採用 |
25cmサブウーファーのTS-W1000RSも、振動板はクロスカーボンと混抄コーン、センターキャップとの一体型2層構造。取付寸法が従来モデルの75mmから100mmに深くなるなど、トゥイーターやミッドレンジとは異なり、やや大型化したイメージだが、推奨エンクロージャー容量は17mmと変わらないため、奥行きをぎりぎりで設計した箱でない限り、TS-W1RSを組み込んでいたエンクロージャーをそのまま流用できる。磁気回路はネオジウムマグネットの内示型で、フレームは亜鉛ダイキャスト。ボイスコイルは30.7mmのロングボイスコイルで、OFCショートリング等の採用により、正確な低域再生を実現する。
いずれにせよ、設計コンセプトは優れたトランジェント特性とワイドレンジ再生を実現し、不要共振や固有共振を排除することで、原音に忠実な音楽再生を行うこと。従来RSスピーカーも、かなりのハイレベルで実現していたが、それがどのように進化したか楽しみだ。
【主な仕様】
■TS-Z1000RS
●瞬間最大入力:120W●定格入力:50W●再生周波数帯域:160〜33,000Hz●出力音圧レベル:88dB●インピーダンス:4Ω●取付寸法:直径151×奥行68mm(ウーファー部)
■TS-S1000RS
●瞬間最大入力:50W●定格入力:15W●再生周波数帯域:33〜48,000Hz●出力音圧レベル:89dB●インピーダンス:4Ω●取付寸法:直径67×奥行40mm
■TS-W1000RS
●瞬間最大入力:300W●定格入力:150W●再生周波数帯域:21〜3,700Hz●出力音圧レベル:86dB●インピーダンス:4Ω●取付寸法:直径238×奥行100mm
・カロッツェリア
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