遅れましたが東京オートサロン2020の報告です

1月10日から3日間、千葉・幕張メッセで行われた東京オートサロン2020へ行ってきました。カーAV関連のブースに限って、その模様をお伝えしたいと思います。

このところのドライブレコーダー人気を反映して、ドライブレコーダー関連のメーカーは増えた気がします。出ていたのはデータシステムやセルスターなど。データシステムでは、リアカメラの映像と、記憶合成した真上から見た画像で駐車位置を確認する1カメラ・スカイトップビューや、わずかな明かりでも鮮明に映し出せるナイトモードを搭載したナイトビューカメラなど、開発中の製品を展示。セルスターも車外と室内を記録できるドラレコやレーザー式取締装置に対応するセーフティレーダーなど、新製品や参考出品を多数展示していました。


それに比べてカーオーディオ・メーカーが減っているのは寂しいところ。カロッツェリア(パイオニア)は昨年も出ていなかったのですが、今年はケンウッドも出ていませんでした。この2メーカーは1月15日からビッグサイトで行われるオートモーティブワールドに出展する予定なので、アフターマーケット(B to C)よりもB to B(企業間取引)に注力するということなのでしょう。ケンウッドは前日に新しい彩速ナビなどを発表したばかりだっただけに、少し残念なところです。

結局、オートサロンに出展したオーディオ・メーカーはクラリオンとアルパインの2社になりましたが、その2社は元気。まずクラリオンはクアッドビュー・ナビとフルデジタルサウンド(FDS)を搭載した2台のデモカーを試聴できました。1台は光岡ビュート、もう1台はスズキ・スペーシアです。

ビュートはメーカー・オプションの8型ナビ&FDSパッケージを装着した仕様。このメーカー・オプションには、ナビ+4スピーカー(292,600円)のベーシック仕様から、8型ナビ+FDSプロセッサー+FDSスピーカーをセット(647,900円)にしたフル仕様まで3パターンが用意されていて、展示されていたビュートはフル仕様にシステムアップ用のサブウーファー(152,900円)を加えたフルフル仕様。8型ナビは無理やり収めた感もありますが(笑)、下部の切り込みなどもしっかりと作られており、純正ならではのクオリティを感じます。

元々のマーチを、数倍の金額で手に入れるビュートのオーナーなので60万〜70万円の追加は余裕でしょう。それで一気に音が良くなるのであれば万々歳。サウンドはドアのウーファーの開口部が実際のスピーカーサイズよりも小さく、それが原因でちょっとこもる傾向がありましたが、FDSらしいクリーンなサウンドを聴かせてくれました。サブウーファー無しでも十分に楽しめる低音で、よりまとまりが良いのはこちら。クアッドビュー・ナビも、画面を4つに切り分けた中心のマークを光岡のロゴに変えたり、背景を光岡車の写真に変えるなど純正オプションらしい仕上がりで、オーナーには満足がいく出来かと思います。

一方のスペーシアは、ディーラーオプションのクアッドビュー9型ナビに、市販のFDSプロセッサー&スピーカーを加えてさらにシステムアップした仕様。ディーラーオプションのナビだと、市販ナビと違って機能や装備を減らしてコストダウンを図ったものが多いのですが、これはデジタル出力を装備したままなので、市販のFDSの追加が可能なんですね。これで、クアッドビュー・ナビの画面で操作ができるしFDSの能力を最大限に引き出せます。

カーナビ本体の取り付けは、それほど音に影響することがないとして、スピーカーは取り付けによって大きく音が変わります。だからスピーカーのインストールは、腕の良い専門店に依頼するのが重要。そんな意味でも、このシステムは理にかなったものだと思います。そのサウンドも、ヌケが良く広がりがあり気持ちよく楽しめるもの。ただ、説明員が「ナビにFDSプロセッサーを内蔵している」など、わけのわからない誤情報を流していたのが気になります。ナビにはFDSは内蔵していないので、お間違えなく(笑)。

アルパインは、アルパインスタイルとしての出展で、2席目以降をエンターテインメント空間に変えたアルファードのコンセプトカーなど、カーナビやオーディオだけではなく、クルマをトータルで仕上げたものを数多く展示していました。それらは説明しませんが、ついにフルチェンジしたビッグXを展示していました。

車種専用にデザインするというビッグXのコンセプトに変わりはありませんが専用スマホアプリで検索した結果をカーナビに転送したり、地図更新がスマホアプリを利用して自動的に簡単にできるようになるなど、進化した部分は多数。またオーディオに関しては、ハイレゾ対応になったのが大きな変更点。それを証明するように、パラメトリックイコライザーの調整範囲は40kHzまで拡大していました。

あのような会場なので試聴できる状態ではありませんでしたが、今後、試聴する機会を作ってなるべく早くレポートしたいと思いますのでお楽しみに。アルファードのコンセプトカーは、モニターや操作部などに新しい技術を搭載するなど、オートサロン出展車らしい仕上がりでした。

もうひとつ。ミラーファンクションというメーカーが用意していたアダプターです。参考出品していたのはミニの純正ナビにスマートフォンの映像を映し出すシステム。純正のコマンダーで操作できるので純正からシステムアップしても違和感なく操作できそうです。ほかに、HDMI入力で純正ナビにスマホのミラーリングなどができるアダプターなども展示。純正ナビに手軽に新しい映像や機能を追加できるアイテムなので、使いようによっては重宝しそうです。

最後に、尾林ファクトリーのデモカーも紹介しておきます。後ろに8台のロックフォード・アンプを積み、リアドアにも20cmクラスのスピーカーを2発搭載したデモカーは、迫力たっぷりのサウンドを発していました。自動車メーカーが入ってきてから、展示車両も変わってきたオートサロンですが、これぞオートサロンならではというクルマですよね。