決定! EISAアワード2011〜2012

EISAが選ぶ「EISA AWARDS 2011-2012」が発表された。

EISA(European Imaging and Sound Association)とは、ヨーロッパ19ヵ国の音や映像、写真に関する50の雑誌が集まる団体。オーディオ&ホームシアター、写真、ビデオ、モバイルデバイスなど、いくつかのカテゴリーに分かれて表彰を行うが、そのなかにカーエレクトロニクスもある。

今年のカーエレクトロニクスの受賞製品は、プロセッサー部門がアルパインPXA-H800、パワーアンプ部門がオーディソンVOCE AV5.1k、スピーカー部門がフォーカルPS165、インテグレーション部門(純正システムとの統合を図る機器という意味)がヘリックスPP50DSP、イノベーション部門がJBL MS-2、カーナビ部門がケンウッドDNX9280BT、ヘッドユニット部門がパイオニアSPH-CA01、サブウーファー部門がグラウンドゼロGZPW 10SPLという8機種だ。

日本では未発売のモデルも多いが、間もなく日本でも発売されそうな注目モデルが、オーディソンの新パワーアンプ、Voceシリーズだ。デザインはTHシリーズ風だが、ファンを内蔵しているあたりはオーディソンの最上級アンプ、HV Ventiの要素も。スピーカーのVoceシリーズは16cmセパレート2ウェイのAV K6で52,500円とリーズナブルだから、VoceアンプもTHシリーズより安価なグレードと思われるが、現時点で価格は決まっていないようだ。

受賞製品のAV5.1kは5chアンプで、A級、AB級、D級の3方式を採用。出力は75W×2+140W×2+600Wだから、1〜2chがA級、3〜4chがAB級、サブウーファー用のモノラルチャンネルがD級と思われる。フロント2ウェイ+サブウーファーのマルチアンプシステムを構築するのに適した出力構成だ。またAVシリーズアンプ全機種にビルトインできる別売りのデジタルインターフェイスを用意。これを使えば、bit oneやbit ten Dといったデジタルプロセッサーとデジタル接続が可能になるのも特徴だ。4ch、2ch、モノラルアンプもラインナップする予定。価格が決まり次第、日本でも発売する予定らしいので、期待して待ちたい。

JBLのMS-2も興味深い。詳細な説明が見つからなかったのでイマイチわかりにくい製品だが、イコライザーやタイムコレクションといったデジタル補正機能を内蔵したポータブルDSPで、iPod&iPhoneや他の携帯音楽プレーヤーの音楽を手持ちのカーオーディオで手軽に楽しめるもののようだ。しかも、本体はシャツのポケットに入るようなコンパクトさで、簡単なセットアップで、明快かつ最適なステレオイメージを再現可能。これも、早く試してみたいアイテムだ。

日本でも既発売のフォーカルPS165は、コストパフォーマンスに優れた製品。セパレートタイプのクロスオーバーネットワークを付属したのが特徴で、ヘッドユニットの内蔵4chアンプを利用して、簡単にフロント2ウェイのバイアンプ・システムを構築できるなど、使い勝手がいい。以前、試聴したが、フォーカルらしい明るく柔らかい音色が印象的だったと思う。

ヘリックスPP50DSPは、デジタルプロセッサーとパワーアンプを一体化したアイテム。純正システムに割り込ませるだけで、音質向上を図ることができる。車種別の配線キットを用意していて、対応車種ならカプラーオンで簡単接続が可能。また、HP上でセッティングデータを公開していて、そのデータをSDカード経由で本体に転送するだけでセッティング完了。手軽に、個々のクルマに最適な音響が得られる。これはデモカーの音を聴く機会があった。デッキは純正ナビ、スピーカーも純正の状態で、PP50DSPをオン/オフできる仕様のデモカーだ。PP50DSPオフでは「純正だから、こんなものだよな」状態。ただ音楽が鳴っているだけ。楽しくもなんともないのだが、PP50DSPをオンにすると、いきなり音楽が生き生きして楽しくなる。輸入車用の配線キットも多いので、BMWやアウディなど、純正システムの交換が難しい輸入車の音に不満がある人にはぴったり。中古車ディーラーでPP50DSPを組み込んだクルマを売ってくれればいいのにとも思う。

おそらく日本では売らないだろうが、パイオニアSPH-DA01も面白そう。これはPioneer App RadioというiPhoneアプリを、6.1インチのタッチパネルでコントロールできる仕組み。ナビアプリで道案内しながら、インターネットラジオを聞くなど、アプリ次第でさまざまな機能を追加できるという可能性を感じる。おそらく、将来はこのようなスタイルが主流になるのではないだろうか。