ケンウッド新ナビのキーワードは「彩速」

ケンウッドが、2DINサイズのAVナビを2機種発表した。発売は2月上旬からの予定だ。(2011/1/11)

MDV-727DT
MDV-626DT

新しいAVナビはMDV-727DTMDV-626DTの2機種。ともにオープン価格で、実勢価格はMDV-727DTが15万円前後、MDV-626DTが13万円前後になるのではないかとのことだ。両者の違いは、Bluetoothを内蔵しているか未搭載か。Bluetooth内蔵のMDV-727DTは、Bluetooth対応携帯電話ならハンズフリー通話ができるし、Bluetooth対応オーディオプレーヤーをお持ちなら、ワイヤレスで音楽のストリーミング再生ができる。他の部分は共通だ。

地図も映像も鮮明
この2機種のキャッチフレーズは「彩速」。美しく彩り鮮やかな地図描画&ビジュアル再生と、高速レスポンスがウリだ。ディスプレイは高精細W-VGA液晶パネルと高輝度ホワイトLEDバックライトの組み合わせで、鮮明な画像を再現するスーパーファインビューモニター。DVDや地デジのコンポーネント信号だけではなく、コンポジット信号もデジタルプログレッシブ処理することで、美しい映像を実現している。通常、画像の解像度が上がると、扱う情報量が増えるため、地図スクロールをはじめとした動作レスポンスは遅くなるのだが、MDV-727DT&MDV-626DTは、新開発のジェットレスポンスエンジンⅡの搭載により、VGAモニター搭載の市販ナビとしては最速のレスポンスを実現した。その速さは、触ってみると実感できる。メニューの切り替わりは驚くほど速いし、地図もスムースにスクロールする。また、インターフェイスが使いやすく構成されていて、直感的に次の操作がわかる。これも、快適な操作を実現している要素のひとつだ。

まっぷるの観光ガイドを収録
地図データを収録するメディアは、メモリーナビとしては最大級の容量の16GBのSSD。ナビデータは、S3フォーマットという方式で圧縮し、最適なデータ収録方法を採用することで、高速レスポンスと大容量を実現している。また、SSDのほかに2つのメモリーを搭載し、役割分担して効率良く処理することで、高速レスポンスを実現しているという。これは、かつてパソコンを製造していたJVCのノウハウが活きているという。ちなみに検索データは住所が約3700万件、電話番号検索が個人宅2850万件+タウンページ約850万件。もちろん名称検索、ジャンル検索、周辺検索もある。観光ガイドデータも充実。「MAPPLE」の観光ガイドデータや、全国SA/PA情報を約7万件収録し、写真や施設の説明などの情報も得られる。


SDカードスロットを装備
AV機能にもこだわった。もともと、ケンウッドのカーナビは、多彩なメディアやフォーマットへの対応力に優れていたのだが、MDV-727DT&MDV-626DTは、その特長をさらに進化させた。今回、新たに対応したのはFLAC(フリー・ロスレス・オーディオ・コーデック)。可逆圧縮の音声ファイル・フォーマットで、音質がいいことからPCオーディオのファンを中心に浸透してきているフォーマットだが、車載機器で初めてこのフォーマットに対応した。もちろんiPhone/iPodやUSBデバイス、SDカードに収録された音楽/動画の再生ができるし、内蔵メモリーへのCDのダイレクト録音も可能。前述のように、Bluetooth経由で音楽のワイヤレス再生もできる。

内蔵の地デジチューナーは、フルセグ受信対応の4チューナー×4アンテナタイプ。チューナー部分をダブルのシールドでカバーし、他のデジタル回路からのノイズをシャットアウトすることで、受信性能を高めたそうで、受信感度は従来モデルの約1.6倍に向上下という。また親局の受信エリアから外れても、自動的に中継局や系列局を探して切り替える中継局・系列局サーチも搭載している。

音質にもこだわった。シャーシは、ナビ部とオーディオ部を分離したセパレートシャーシ。これにより、ナビ基板が発したノイズがオーディオ基板に影響するのを防ぐことができる。また、独自の独立中点回路システムが安定した信号伝達を実現。オリジナル・バックアップコンデンサやオリジナル・オーディオ用電解コンデンサ、高音質ローインピーダンスオペアンプなど、高音質パーツを随所に盛り込んで、安定した高音質を実現している。DTA(デジタル・タイム・アライメント)やクロスオーバー、5バンドイコライザーを内蔵しているので、個々のクルマの音響特性やシステム構成、ユーザーの音の好みに応じたサウンド・セッティングも可能だ。また4chプリアウトを装備し、外部パワーアンプの増設にも対応している。

そして、マップファンのお得地図更新プログラム「KENWOOD MapFan Club」に対応しているのもニュースだ。MDV-727DT&MDV-626DTは同社の従来ナビとは異なり、マップファンのサービスを運営しているインクリメントPの地図データを採用しているのだが、MDV-727DT&MDV-626DTユーザーが「KENWOOD MapFan Club」のサービスのうち、ケータイMapFanコース(月額315円)とPC MapFan.netコース(処刑年額2,079円/継続利用年額1733円)のうちいずれかに加入すれば、最長5年間、最新の地図更新が可能なプログラムだ。たとえばケータイMapFanコースに加入すれば、12ヶ月以上の継続利用で、年1回、カーナビ用更新地図データを無償ダウンロードできるという具合。もちろんケータイMapFanのサービスも使える。従来ナビのバージョンアップキットだと、1回の地図更新が約25,000円以上。対してケータイMapFanコースなら5年間継続しても18,900円。これまでは、ナビを買ったら地図更新せず、古いままでほったらかしという人も多いとおもうが、この程度の出費なら、毎年、地図更新する人も増えるだろう。ケータイMapFanやPC版のMapFan.netのサービスも使えるわけだから、実質、地図更新は無料なのだ。

逆チルトが可能
画面の上部が手前にせり出すように傾く逆チルトは、ケンウッド・ナビだけの機能。ダッシュボードの傾斜がきついクルマに一般的なAVナビを取り付けると、画面が反射して見づらくなってしまうことも多いのだが、逆チルト機能付きのケンウッド・ナビなら、それを解決できる。ほかにも、オプションケーブルで純正ステアリング・リモコンに対応したり、オプションのマルチビュー車載カメラを増設できるなど、便利機能も十分。オービスSDカードのリリースも予定(2011年春)されている。

【関連リンク】
・ケンウッド
・マップファン地図サービス
・FLAC