オーディオフリークならDSPの有用性をよく知っているので、高いプロセッサーを惜しげもなく使ったりしますが、そんなにオーディオに凝りたくないけど、もうちょっと音がよければなぁ…とお悩みの人は多いことでしょう。そんな人にぴったりのDSP内蔵アンプです。
ブラムがRELAXシリーズに追加したRA704DSP Pro(58,000円/税別)というモデルがそれ。こちらは汎用ですが、トヨタのディスプレイオーディオに加工なしで接続できる変換ケーブルをセットにしたRA704DSP Pro D(62,000円/税別)というモデルもあります。
普通のDSPと同じで、タイムアライメント、クロスオーバー、イコライザー の調整が可能。設定はAndroidのスマホやタブレット、iPhone、iPadなどの端末とBluetoothで接続してワイヤレスで操作できるので手軽。今までのDSPの多くはパソコンとUSBケーブルで繋いでセッティングしていましたから、これは楽ですね。
タイムアライメントは0〜230cmの間で調整可能。ステップは1cm単位です。クロスオーバーはスロープが-6dB/octから-24dB/octまでの4段階で-48dB/octとか-72dB/octは設定できませんが、このあたりの急峻なスロープを使用している例はほとんど見ないし、使っていたとしても良い音がしていた試しはないので、正直、不要かと思います。
イコライザーはパラメトリックで7ポイントの調整ができます。グライコのほうが使いやすいと思っている人も多いと思いますが、パライコはポイント数が少ないのでピークやディップに絞った調整ができます。使い慣れてくるとこちらのほうがやりやすいという人も増えるでしょう。
内蔵アンプは定格で50W×4。これは純正ケーブルで接続した時の出力で、バッテリーから直に電源ケーブルを引いてくれば定格で70W×4に出力がアップします。RCA出力も装備しているみたいなので、パワーアンプを追加してシステムアップもできそうですね。
何十万円もするようなDSPをつけてオーディオを大掛かりに加工するつもりはないという人でも、これならリーズナブルなフロントスピーカーを加えても10万円以内で済むでしょう。本体サイズは幅184×奥行114×高さ38mmとコンパクト。配線も簡単です。
オーディオフリークの支持を集めていることからも分かるように、DSPでの調整はカーオーディオの音質向上に効果的。それが手軽にリーズナブルにできるのだから、少しでも良い音で音楽を聴きたいという音楽ファンにはぴったりの製品かと思います。