ケンウッド初のメモリAVナビ、MDV-313登場

ケンウッドから2DINサイズのメモリAVナビ、MDV-313(オープン価格)が登場した。ケンウッドの市販モデルでは初のメモリAVナビだが、自動車ディーラー向けに2DINオーディオとガーミンのPNDを合体したようなナビ+オーディオを発売していたし、海外では数年前から2DINサイズのメモリAVナビを展開している。またケンウッドと経営統合したJVCも、自動車メーカー向けのOEMとして、メモリAVナビを納入している実績がある。そんな背景からできあがった製品が、MDV-313だ。

モニターは約33万画素の61.型ワイドで、メモリは4GB。ワンセグチューナーやFM多重VICSチューナーも内蔵する。フロントフェースにはUSBを装備。ここにはiPhone3GSを含む最新のiPodを接続して音楽が楽しめるし、別売のケーブルKCA-iP240V(4,200円)を使えば、iPodのビデオもMDV-313のモニターで見られる。DVDドライブはCD/DVDビデオの再生ができるほか、CD-R/RW、DVD-R/RWも再生可能。CPRMに対応したDVD-R/RWやMP3/WMA/WAV形式のデータを記録したディスクも再生できる。またフロントフェイス左下のボタンを押すとフェイス全体が外れるが、フェイス側のディスプレイ裏にはSDカードを差し込めるスロットがある。ここに音楽データを記録したSDカードを差し込んで、音楽再生もできる。

メモリは4GBだから、最近のメモリAVナビやPND(8GBが増えた)に比べると容量自体は多くはない。ところが、全国約830都市分の詳細市街地図を収録しているし、バーチャル3Dマップに切り替えれば、ビルが立体的に建ち上がる表示もできる。また検索データは、住所が約3,500万件、電話番号が個人宅約3,000万件&タウンページ約900万件と充実。ほかに約21,000件の施設と提携している駐車場検索、50音検索、ジャンル検索、周辺検索、マップコード検索などができる。つまり容量が4GBといっても、実際のデータ量は「DVDナビを軽く超える」とのこと。ここにはJVCのデータ圧縮技術が活かされているそうだ。

操作レスポンスの速さもMDV-313の特徴だ。メモリナビは全般的にレスポンスがいいのだが、その中でもトップクラスの速さと言っていいだろう。検索等の操作はサクサクできるし、スクロースもスムーズ。ルート探索時の待ち時間も気にならない速さだから、操作していてイライラしない。

ボタン周辺のイルミネーションは、クルマのインテリア等に合わせて好きな色に設定できるバリアブル・カラー・イルミネーション。またディスプレイが可変式ではないので、装着状態に合わせて見えやすいように画面を調整することはできないのだが、取付角度に応じて画面のコントラスト輝度をアップして斜め下からでも見えやすいように切り替えられる、取付角度表示調整機能もある。

外部入力端子を装備しているので、別売の4チューナー&4アンテナ地上デジタルチューナーを追加すれば、高画質な12セグ放送が楽しめるようになるし、リアカメラ入力端子に別売の後方確認用カメラを追加すれば、バック時にも安心。また映像出力端子にリアモニターを接続すれば後席でDVDビデオなどの映像が楽しめるし、デンソー製ETC、DIU-5310と連動して、ナビ画面に履歴を表示できる接続ケーブルも用意している。さらにオービスデータを収録したSDカードも発売する予定だ。

この内容で、実売は9万円前後の予定。約5万円のPNDと約3万円のヘッドユニットを同時購入することを考えれば、1万円ほどのプラスでDVDビデオが見られるし、iPod、バックカメラ、リアモニターなどの発展性も手に入る。というわけで、PNDの購入を考えている人は十分に検討する価値があると思う。