マイクロプレシジョンからモノラル・アンプが登場

昨日、このような物凄い新製品の情報が飛び込んできました。ドイツのハイエンド・カーオーディオ・メーカー、マイクロプレシジョンのモノラルアンプ、7-Series MONO Amplifierです。完全ディスクリート構成のAB級モノラルアンプですが、2台セットでの販売。価格はペア、つまり2チャンネル分で640,000円(税別)です。


マイクロプレシジョンのパワーアンプは昨年の暮れにフラッグシップ・モデルのZ-STudioという4ch機を試聴して、音の良さに驚きましたが、こちらのモデルもまた別のアプローチで音質を追求したモデルだけに期待が持てます。

回路構成ですが、磁束漏れや外来ノイズの悪影響を減らすため、電源部とオーディオ部の基板を分離させたデュアルボード・デザインを採用。電源部にはコレクタエミッタ間飽和電圧VCEが非常に低いサンケン社製のファイナルトランジスタを備えた3段ダーリントン回路で構成しています。

オーディオ部の基板には100μm厚の銅箔に金メッキを施して使用。ムンドルフ社の4700μFキャパシタを2基搭載したり、ニチコン社製のMuseオーディオ用キャパシタを使ったり、サンケン社製のドライバトランジスタを使用するなど、高品位なピュアオーディオ用音響パーツをふんだんに投入しています。

また音質劣化を防ぐために信号経路にはポテンションメーターを設けず、入力レベルはサイドパネルにある金属抵抗分割器を備えたDIPスイッチを使って16通りのパターンから調整できるなど音質を最重要視した設計。

スピーカー出力にバナナプラグを装備しているのは、音がいいとはいえ車載用だと抜けないなか? という心配はありますがRCA入力とともに高純度24金メッキで仕上げており、劣化を防ぎます。筐体の厚さもキモ。ボトムプレートは15mm厚、サイドプレートは10mmの厚みがあり、放熱効果が高いため、長時間でも安定した駆動力を発揮します。

1台あたりのサイズは幅100×奥行340×65mm。2台並べると200×340×65mm、4台並べて4ch仕様にすると400×340×65mmだからけっしてコンパクトなわけではありませんが、バラバラに置けるメリットはあります。スペックにはダンピングファクターも記載されていますが、10W、4Ω負荷で2073という数値。強力な制動力を持っていそうです。

フロント2ウェイ・システムをマルチアンプ・ドライブするとしたら128万円(税別)なので、かなり高価な買い物になってしまいますが、Z-Studioを聴いた限りは良い音が期待できるし、モノラルアンプなのでチャンネルセパレーションの良さも期待できます。カーオーディオにならいくらお金をつぎ込んでも構わないというフリークには注目の製品です。