ジャンライン&パートナーズのブースには、モレルのスピーカー&アンプを搭載したデモカーを展示していました。なんと、このクルマに搭載しているモレルのスピーカーは、ヨーロッパで始まり今や世界中29カ国の61の雑誌等で作った団体「EISA」の2019〜2020アワードでイン・カー・スピーカー・システム部門を受賞したElate Carbon603の進化版、Elate Carbon PRO603というモデル。まだ試作の段階で最終品ではないそうですが、数ある試作の中から最終品に近いものを急遽送ってきたそうです。つまり、世界にたった1台のモデルというわけです。
このスピーカーは、28mmツィーターと10cmミッドレンジ、16.5cmウーファーを組み合わせたセパレート3ウェイシステム。詳細はインポーターでもまだわかっていないそうで(笑)EISAのサイト等にある情報を必死に集めてみると、ツィーターはシルクドームのソフトドーム型、10cmミッドレンジはDPCコーンを使い、ウーファーは一般的にはアルミを使うボイスコイルのフォーマーにチタンを採用したほか、ダブルマグネットを搭載。音の透明感とパワーを両立しているそうです。
インストールを担当したのは福井・敦賀のマリノサウンド。実は取り付けもバタバタで、当初送られてきていたミッドレンジのサイズに合わせてバッフル等を事前に作って用意していたものの、実物がきたら微妙に違っていて最初から作り直すなど「本当に完成するのか!?」という状況だったそう。どうにか作り上げたものの、調整する時間がなかった…。とのことでした。
それもあって、おそらくスピーカーのポテンシャルをフルに引き出している状態ではなかったのでしょう。それでも、このスピーカーの能力の高さは感じることができました。全体的にはシルクドームツィーターならではの自然で優しい音。そして中〜高域の楽器や声は密度感があり、厚みを感じます。十分にハイエンドは音を感じることができました。
パワーアンプはモレルのMPS4.400が2台。サブウーファーはモレルのULTIMO Ti 104で、サウンドコントロールにはアークオーディオのPS8PROを使用しています。音源再生はA&KとソニーのDAPです。
モレルにはこのアンプしかないのでしょうがないでしょうが、アンプが6万円台のものだったのも、ちょっと物足りない部分。このアンプ、6万円台としては音がしっかりしているし、悪くはないのですがスピーカーがスピーカーだけに、もっとハイエンドなパワーアンプを繋いで、ポテンシャルをフルに引き出してもらいたいものです。
とはいえ、ポテンシャルの高さは確認できたので、エージングが終わった頃に再び聴いてみたいと思います。それが期待できる音ではありました。できれば、もっとハイエンドなアンプに変えておいてもらえると嬉しいのですが(笑)。
室内にはなんだか怪しげな制音材をルームミラー裏などあちこちに貼ってありました。これについては、詳しく聞きそびれましたので後ほど詳しく聞いておきたいと思います。いずれにしてもモレルの新スピーカー、魅力的なのは間違いありません。ただし、価格も発売時期もいまのところ未定です。