大阪オートメッセの続きです。アルパインの2号館から一気に奥に進んで、カーオーディオ・ファンの聖地とも言える6B館に入ります。この一角にはカーオーディオ・メーカー、インポーター、ショップのデモカーが並び、試聴できるようになっています。そのなかからまずはソニックデザインから。
この場所は雑誌のオンリーメルセデスとのコラボ・ブース。中には、ドレスアップしたメルセデス・ベンツが数台並んでいます。このなかで注目はW177メルセデス・ベンツAクラス。これに、東京モーターショーで発表したコンセプトモデルが装着されているのです。
このクルマ、スピーカーの交換がとてもやりづらいそうで、もし交換するとしたら大掛かりな加工が必要です。それを嫌って「純正のままであきらめる」という人も多いと聞きます。そんな状況を打破するために作られたのが、ソニックデザインのコンセプトモデル。52mmサイズのフレームレス・フルレンジドライバーを採用した超小型スピーカーです。
このスピーカーにアルミのプレートをくっつけて、もともと付いている純正スピーカーの上にかぶせるだけ。純正スピーカーはそのまま残っているのでリセール時に取り外せば簡単に元どおりになるし、取り付けも簡単です。しかも、ショップの取り付け技術の違いによる音質差が出ないのもいいところ。どこで取り付けても簡単に良質なサウンドが得られるわけです。
さて、肝心のサウンド。「小っちゃいスピーカーだからそれなりのもんだろう」という先入観を持って聴くとド肝を抜かれます。もちろん大口径のサブウーファーを積んだクルマのような低い低音は出ていませんが、77mmユニットを搭載した同社のソニックプラスなどと比べても同等かそれ以上の低音感。しかもクリアでクリーン。ソニックデザインらしい、緻密でスピード感たっぷりのサウンドが車内を満たします。
しかも音場感が素晴らしい。スピーカーはドアの下のほうに付いているだけなんですが、フロントウインドウの高さにステレオイメージが展開します。フルレンジだからもちろん低域と高域で音色に違いが出るわけもなく、非常にまとまった一体感のある音です。
このスピーカー、すぐに発売しても良い感じではありますが、まだ仕様もグレードも、もちろん価格も決まっていません。もちろんスペック等の細かい数値も発表されていませんが、試聴した感じだと77mmスピーカー以上のワイドレンジを確保していそうだし、価格もそれなりになるでしょう。早ければ今年中に販売したいとのことでしたが、早期の発売を期待したいものです。
今回のデモカーはプレートを使って純正スピーカーの上にかぶせる形で装着していましたが、元々はコンパクトなキューブ型。これが単体で専門店でも売れるようになったら、たとえばダッシュボード上を加工して埋め込んだり、さまざまな取り付けが可能になりそうです。取り付け加工の夢を広げるという意味でも、画期的な製品でしょう。