【レビュー】イクリプス録ナビAVN-D10Wに乗った

イクリプス「録ナビ」AVN-D10Wのデモカーに乗る機会があったので報告します。デモカーはトヨタ・ハリアー。このクルマ、ディーラーオプションで9.2型ナビが用意されていて、それを装着するスペースがあるので、7型ワイドのナビだと周囲に余裕があります。横幅200mmのボディだと、右サイドのハードキーの部分までフルフラットで、見た目はスッキリ。これは良いですね。ハードキーが出っぱったモデルが、急に古臭く感じてしまいます。


このAVN-D10Wというモデル、録ナビというサブネームが付いているように、ドライブレコーダーを内蔵しているのが特徴です。付属のカメラはフロント用のひとつだけですが、オプションのバックアイカメラを追加すれば後方の録画もできます。映像は前方も後方も、ナビの画面で確認できるから便利ですね。後方映像は鏡像なので、バックミラーに映ったのと同じような映像で記録されます。

カメラの画素数は約200万画素。フルHDなど目に付く表記はありませんが、クリアな映像で記録できます。暗くなってからは試していないのでわかりませんが、日中であれば、前方のクルマのナンバープレートの細かい文字もくっきり映ります。フレームレートは1秒間に28フレームなので全国どこでもLED信号機の色が消える問題はなさそうだし、画角は水平117度×垂直70度と、もっと広い画角を持つモデルもあることはありますが、十分な広さです。

このドラレコ内蔵ナビの良いところはカメラがコンパクトなところと配線が楽なところでしょうか。本体がナビの中に入っているから、カメラはコンパクト。一体型のようにディスプレイがないので、視界のじゃまになりません。また接続はナビ本体にケーブルをつなぐだけ。ケンウッドやカロッツェリア、パナソニックなどドラレコ連携のカーナビは多々ありますが、それらはカメラがコンパクトでもドラレコ本体をどこかに置くことが必要ですから、それよりはずっと配線が楽です。トヨタ/ダイハツ車なら接続ケーブルを同梱しているので、さらに楽でしょうね。

だからカーナビを替えるついでにドラレコもと考えている人には、候補に入れる価値はあるんじゃないでしょうか。カーナビ部分は正直いって「ここがすごい」という部分は見当たりませんが、わかりやすさとか使いやすさを重視した設計のようで、スムースに使えます。画面上にオーディオの表示をしたり、曲送り/戻しボタンを配置しているのも、画面を見て瞬時にわかることを意識したものでしょう。ナビ操作とAV操作のキーが上下2段に別れていて、それぞれ個別にフリック操作できるのも、操作回数を極力減らす工夫でしょう。

Wi-Fiを内蔵して「つながる」機能も持っています。できるのは、毎月の地図の自動差分更新や施設情報、イベント情報、自車マークなどのダウンロード。Gracenoteから最新のCDDBの取得もできます。デモカーの自車マークはピンク色だったので、おそらくかぐや姫のアイコンでしょうか。こういうのを見ると、富士通テン時代のカーマーティの犬のアイコンを思い出して、懐かしく感じます。ただ、ヘディングアップにしていると、後ろ姿しか見えないんですよね(笑)。だからと言ってノースアップに変えると、かつて紙の地図を使っていた人以外はわかりづらいと思います。そこがもどかしいところです。

地図の自動更新は、テザリング可能なスマートフォンをお持ちなら、テザリングして簡単にできます。2022年10月までは無料。それ以降は、年1回の地図データ年と更新版を有料で販売する予定です。

音もチェックしてみました。それほど大きな声で高音質をうたっているわけではありませんが、ヌケの良いクリーンなサウンドは好感が持てます。もちろんタイムアライメントは簡易タイプだし、イコライザーはパラメトリックの7バンドだし、ちょっと使いづらい部分もありますが、車内音響特性のピークやディップを抑えるのには十分。中心周波数やQを変えられるので、音響特性を整えるには十分でしょう。本気でカーオーディオをシステムアップしようと思ったら物足りないでしょうが、お得な価格で買えるなら、奥さん用のクルマとかセカンドカーに簡単にナビをつけようと思った時に、ドラレコも付いていることだしアリかもしれません。

オーディオ部同様、ナビ機能もとくに突出してすごいというところはありませんが、使いやすくてわかりやすいモデルなので、そんなナビが良い人には好まれると思います。ただ、最初にも言ったように7型モデルしかないんですよね。つくづく、そこが残念です。