ドイツのグラウンドゼロからGZUA SQ-Plusシリーズというパワーアンプが発売されます。2チャンネルのGZUA2.250SQ-Plus(135,000円/税別)と4チャンネルのGZUA4.150SQ-Plus(135,000円/税別)、そして6チャンネルのGZUA6.200SQ-Plus(245,000円/税別)の3モデルです。
アルミヘアラインを配したガングレー・アルマイトのボディは2chと4chが幅360×奥行209×高さ46mmとわりとコンパクト。6chは幅550mmと大きくなります(奥行と高さは2&4ch機と同じ)が、シャープでスッキリしたデザインは良い雰囲気を醸し出しています。
定格出力は2ch機が4Ω時で180W×2。2Ω時は320W×2で、なんと1Ωでも使えます。この時は500W×2の定格出力です。またブリッジ時は4Ωで640W。2Ωだと1200Wだから、SQ(サウンドクオリティ)仕様とはいえ、SPLにも使えそうですね。ちなみに4ch機は110W×4(4Ω)/190W×4(2Ω)で4Ωブリッジ時は380W×2の定格出力です。6ch機は110W×4+160W×2(4Ω)/160W×4+280W×2(2Ω)で、4Ωブリッジ時は320W×2+280Wの3チャンネルアンプとしても使えます。
すべてクロスオーバーを内蔵しており、4ch機と6ch機はバンドバスにも対応。また2ch機にはベースブーストも搭載しており、45Hzを最大12dBブースト可能です。ベースコントローラーも標準装備しているので、サブウーファーを接続した場合は、調整がラクそうです。
そして、このシリーズの最大の特徴は、バリアブル・バイアスコントロール機能を搭載していること。モスコニなどいくつかのアンプも搭載している機能ですが、バイアス電流の流し具合を調整できるんです。これを調整することで、通常のAB級動作から、A級動作の領域まで調整が可能。何Wの出力までA級で動作するのかは資料には書いてありませんが、A級動作領域で使えるのは魅力ですね。ただし、調整のツマミがアンプの底のパネルにあるので、音を聴きながらセットすることは難しそうですが。
実はこのアンプの中の2ch機と4ch機は、オートサウンドWebグランプリの選考のために試聴しています。しかし、僕的には残念ながらあまりピンときませんでした。というのも、同時に聴いたアンプが、あまりにも凄すぎたから。ブラックスのMX4PROは値段が違いすぎるのでしょうがないなとも思えますが、フェーズ・モガミモデルのクオリティがあまりにも高かったので、グラウンドゼロが霞んでしまった印象です。
モガミモデルのレビューはこちらを参考にしてもらうとして、価格は210,000円(税別)のところクーポンコードの入力で126,000円(税別)で出せるというので、それならモガミモデルのほうが断然良いと思った次第。とはいえ、グラウンドゼロが悪いわけではけっしてありません。オートサウンドWebグランプリでは5点を獲得し、みごと受賞しています。とくに脇森さんと藤原さんからは2点ずつを獲得していますから、実力は高いといっていいでしょう。ただ、僕がモガミモデルを聴いてしまったために(他の選者は聴いていません)評価が上がらなかっただけでしょう。
バーブラウンのオペアンプやWIMA社製のハイエンドキャパシタを使うなど、ハイエンド・オーディオ用の最高品質パーツを厳選して使うなど、細部にこだわった作りはドイツ製らしい真面目さを感じます。10〜15万円クラスで質の良いアンプを探している人には、十分に候補になるんじゃないでしょうか。