オーディオ製品は大きくて重いものに尽きると考えている人は多いと思います。そんな人には、これ、どうでしょう。ダモーレエンジニアリングのA1500シリーズです。
2チャンネルのA1500.2と4チャンネルのA1500.4が用意されていますが、どちらも幅590×奥行293×高さ57mmの巨大サイズ。重さは12.6Kgもあります。最近は燃費のために軽量化を図るクルマも増えていますが、音を良くするためにはそこを惜しんじゃいけませんよね(笑)。
作りもしっかりしています。2チャンネル機はLチャンネルとRチャンネルを完全分離したデュアルモノラル設計。ひとつのシャーシに組み込まれていますが、共有するのはシャーシだけで、信号も電源回路も完全に分離。つまりモノラル・アンプが2台、ひとつのシャーシに組み込まれたイメージです。回路を見ると、中央を境目に完全に左右対称のミラーイメージ。これを見ただけでも、いい音がしそうだなぁという雰囲気が伝わってきます。
それを証明するようにスペックも素晴らしい数値。SN比は109dBだし、ダンピンブファクターは4Ω時/20Hz正弦波で700もあります。これだけ制動力が高ければ、引き締まった付帯音のない低音が期待できます。
使用パーツも、ニチコンのFine GoldキャパシタとかMuseオーディオ用キャパシタとか、オン・セミコンダクター社製のバイポーラトランジスタとか、厳選した音響パーツばかりを使用。キャパシタはA1500.2にはチャンネルあたり14個(A1500.4には8個)も使用しているそうで、その物量投入ぶりが伺えます。
2チャンネル機は1Ωドライブ(A1500.4は2Ωドライブ)にも対応。パワーターミナルを見ると、1/0AWGの太いケーブルも接続可能で、スピーカーターミナルは8〜18AWGに対応しています。これを見るだけでも凄さが伝わってきますね。シャーシの側面には静音電動ファンを2基装備しているため、熱対策も万全です。定格出力はA1500.2が4Ω時350W×2、2Ω時675W×2、1Ω時1000W×2で、ブリッジ時は4Ωで1350W、2Ωで2000W。A1500.4は4Ω時325W×4で2Ω時は500W×4、ブリッジ時は1000W×2です。
またトップパネルにはLEDディスプレイ・メーターをチャンネル毎に装備。青色LEDで出力レベルをモニターできるほか、クリップ時にはアンバー色に変わり、過電圧や定電圧、過電流、過温度などでプロテクションがかかった時には赤色LEDで知らせてくれます。このあたりは見せる取り付けに向きそうですね。まあ、でかいので隠す取り付けは難しいでしょうが(笑)。
価格は2チャンネル機のA1500.2が90万円(税別)、4チャンネル機は93万円(税別)。値段も立派です(笑)。燃費のために軽量化なんて関係ない、オーディオはでかくて重いほうがいいと思っている人にはいいかもしれませんね。実際、でかくて重いものには、音が良いモデルが多いのも事実ですから。