タブレットで楽しむ。新しいカーAVのスタイル

カロッツェリアからもうひとつ、タブレットAVシステムなるユニークなアイテムが登場しています。2DINサイズのメインユニット、FH-7600SCがクレイドルになり、8インチタブレットのSDA-700TABを装着すればがっしりと固定。コレで音楽や映像を自在に楽しめるAVシステムとして機能するというわけです。

すでにタブレットを持っている人なら、FH-7600SCだけ手に入れればいいのか? と思うでしょうが、残念ながら組み合わせるタブレットはSDA-700TABが専用。というのも一般的なタブレットに比べて耐熱性と耐寒性を向上。保管温度なら-30度〜80度、動作確認温度で-10度〜60度を確保しています。またタブレット裏のコネクターで、装着時は充電可能。電池の消耗を気にすることがないし、邪魔なケーブルを接続しなくてもスッキリ使えるわけです。


タブレットのOSはAndroidで、使えるアプリは多彩。カーナビアプリから音楽、動画、インターネットラジオ…etc.ユーザー次第で楽しみ方は無限大(タブレットの容量に限りはありますが)です。オンラインでYouTubeの動画を楽しむのもアリだし、Spotifyなどサブスクリプションの音楽配信も楽しめます。よりよい音をというならAmazon Music HDやmora qualitasというテもありますね。CDやDVDのスロットは装備していませんが、もうクルマの中にメディアを持ち込むのは不要。好みのコンテンツが楽しめます。

もし通信量が不安というなら、Wi-Fiがつながる場所でデータをダウンロードしておいて、再生時はオフラインで音楽プレーヤーで再生でもOK。HF PlayerやNePLAYERなどのハイレゾ再生アプリをダウンロードしておけば、ハイレゾ音源も楽しめます。

そのハイレゾ対応ですが、ダウンサンプリングして再生可能。FLACの96kHz/24bitの音源は44.1kHz/16bitにダウンコンバートして再生します。対応フォーマットはFLACやWAVのほか、MP3、WMA、AACの圧縮音源まで多彩。動画もH.264、MPEG-4、MKV、FLV、JPEGと多彩に楽しめます。

専用のアプリ「Pioneer Sync for Tablet」はSDA-700TABにインストール済みで、これを使えば設定や音質の調整など、すべてのオーディオ操作を実行可能。メインユニットとタブレットを別々に操作するような煩わしさがないので、スムースにコントロールできます。Bluetoothも内蔵しているのでハンズフリー通話も可能。また純正のステアリングリモコンで音量等の操作ができたり、バックカメラの映像をタブレットに映したりもできるので、通常のヘッドユニットのようにも使えます。

もちろんタブレットは外して外に持ち出せば、ふつうのタブレットとして使えます。サイズは幅213×高さ125×厚み11.4mmと、一般的な8インチタブレットと比べて分厚い感じですが、耐熱・耐寒性が高いことを考えれば許しましょう(笑)。重さは393グラムで、通常よりも50グラムほど重いかな? という程度です。

内蔵DSPは2.5cmステップで0〜350cmの範囲で調整できるタイムアライメントと13バンドグライコの調整が可能。ハイパスフィルターも内蔵しています。また、スーパー轟サウンドやイージーサウンドフィット、バスビートブラスターという機能も。もちろんアドバンスド・サウンドレトリバーも搭載していて、圧縮音源の音を整えてくれます。

タブレットは高さと奥行きを調整して装着可能。好みの位置にタブレットを固定できます。ただし奥行きの調整は、付属のパーツを組み合わせるというとってもアナログな方法ですが(笑)。3段階の調整が可能です。内蔵アンプは50W×4。3系統のプリアウトを装備しているので外部パワーアンプやサブウーファーの接続もできます。またFH-7600SCはワイドFMに対応したFMチューナーを内蔵し、USBも装備しているので、そちらのコンテンツを聴くこともできます。

以前、クラリオンがオートPCを出した時はタブレットも無く大変でしたが、いまやそれよりも高性能なことがスマホやタブレットでできる時代。タブレットを車内で使っている人も多いと思いますが、クレイドル型のメインユニットと組み合わせることで、よりスマートに楽しめます。そんな新しいスタイルのカーAVです。価格はどちらもオープンですが、店頭ではどちらも32,000円前後で販売される予想。発売開始は7月の予定です。