アルパインの最新AVナビ、新型ビッグXに乗った

10年ぶりにフルモデルチェンジしたアルパインの新しいカーナビ、ビッグXのデモカーに乗ってきました。乗ったのはトヨタ・ヴォクシー。ノア/ヴォクシー/エスクァイア専用の11型ナビ、EX11NX-NVEが付いていました。


その第一印象は、デカイ!(笑)です。11型だから画面が大きいのは当然ですが、案内中に表示される文字も大きいので、老眼が気になる人でも文字がはっきり見えます。これは、なにかのCMのように「最近、文字が小さすぎて読めない…」と悩んでいる人にも安心感があると思います。

今回のフルモデルチェンジによって、ナビ部分もオーディオ部分もようやく他社のスペックに追いついた感じです。ナビ部分はスマートフォンに専用アプリの「BIG X CONNECT」をダウンロードすることで地図を自動更新できるようになったし、おすすめスポットなどの地点情報もスマホアプリから送信できます。NaviConを通して送るような手間はいらず、ダイレクトに送信できるので、操作は簡単。スマホを5台まで連携できるから、家族で使えるのも便利です。

そして感心したのはボイスタッチです。つまり音声操作ですが、トリガーとなるボタン操作は要りません。音楽を普通のボリュームで聴いていても、操作したい項目を話せば反応してくれます。これは便利。操作できる項目は限られていて、周辺検索とか地図の拡大/縮小、オーディオの切り替え、2画面表示などだけなんですが、それでも何もボタンに触らず、話すだけで操作できるのは何かと便利。もちろん、限られた言葉だけに反応するので、その言葉を覚えることは必要ですが、話せる言葉は青い枠で囲われ画面に表示されるので、問題なく使えます。

ただし地図スケールの変更は「広域表示」または「詳細表示」だけで1段階ずつしか切り替わらないので、「○○mスケール」のような言葉で一気にスケールを切り替えられるようにして欲しいなど、多少の要望はありますが。また、最初から誤認識があると考えて調整できる機能も備えているあたりは、誠実というか嘘を付けないというか、正しい姿勢かと思います。

交差点拡大図の案内方法も、なかなか斬新です。最初、交差点拡大図に大きく「2」の文字が出てきていて、これは何のことかなぁと思っていました。ところが音声案内を聞いていると「3つ先の交差点を右折です」というんですね。カウントダウン交差点案内というらしいのですが、これで「2」の意味がわかりました。2つ目の交差点を画面で表示しているんですね。これは間違えようがありません。3つ先の交差点と教えてくれるカーナビは、これまであったようでなかったので、なかなか斬新だし親切だと感じました。

さて音です。今回はハイレゾに対応しています。DACやADC、CPUのスペックはカタログ等に書いておらず、教えてくれと頼んでいたもののまだ回答は来ていないのですが、少なくともデモカーの音はハイレゾらしい密度の高いものでした。ただ残念なところもあって、チューニングがナビに内蔵されているヴォクシー用のもので細かいチューニングがされていなかったし、おそらくデッドニングをしていないので低音が膨らんでしまっていたことが気になりました。

それでも16mmエクステンドツィーターと25mmグラファイトツィーター、18cmウーファーを組み合わせたセパレート3ウェイ・システムを組み合わせたビッグXの音は全域で力強く、膨らんでちょっともこもこ気味の低音を除けばクリアなものでした。これはちょっとしたデッドニングと細かいチューニングを加えただけで、ガラリと変わるでしょう。そんなポテンシャルを感じる音でした。

メニューは従来モデルとそれほど変わっていないし、ビッグXはクルマに合わせているから見た目での新しさはありません。それでもスマホで地図更新ができるようになったりボイスタッチが使いやすくなるなど、能力は大きく向上。案内もわかりやすく進化しているし、文字が大きいので年配のかたにも使いやすくなっています。その上、ハイレゾに対応し、音も進化。サイバーナビのような派手な進化はありませんが、着実に変わっているあたりがアルパインらしいと言えるでしょう。