昨日のイース・セミナーで気になった商品をもうひとつ。CDTオーディオのMST(ミュージック・ステージング・テクノロジー)というアイテムです。
コイルとコンデンサで構成されたアナログ回路のMST-1SM(24,000円/税別)と、6オクターブのワイドレンジを再生可能な5㎝ミッドツイーター、MST-02P(48,000円/税別・ペア)の組み合わせで、なにをしているのか具体的なことは残念ながらわかりませんでしたが、耳に少しの情報を加えることで音楽自体の空間的な雰囲気や、音が発せられる場所の情報を加え、より本物に近い音へと改善するそうです。
なにはともあれ、実際に聴いてみました。まずは視聴室で。といってもイベント会場にある会議室なので、視聴室というほどの場所ではありませんが。そこでは、中高域がクリアになるということは感じられました。もともとあるスピーカーにミッドツイーターを追加してなんらかの情報を付加するものなので、もともとのスピーカーの音が良ければ、音の変化が少ないのかもしれません。そんな意味では、純正スピーカーに追加すれば、より高い効果が得られるのでしょう。
デモカーのC-HRでも聴いてみました。こちらもフロントスピーカーを交換していたのですが、視聴室ほど視聴環境が良くないためか、MSTの音を加えた効果をより感じることができました。MST本体のダイヤルで、ミニマムからマックスまで音量を変えられるのですが、ミニマムから徐々に上げていくとある段階でステージが広がり、ボーカルの雰囲気も自然になります。ただし、上げすぎると中高域が強くなって低音が弱く感じられるようになるので、ある程度のところで抑えておくのがベストでしょう。
今や7万円前後で、パワーアンプ内蔵のDSPが手に入る時代に、アナログ回路+ミッドツイーターで同じくらいの金額というのは少し高いようにも思えますが、ピンポイントで緻密に音像と音場を作り出せるDSPと違って、左右の席で自然な音場を楽しめるMSTには、デジタルとは違う楽しさがあると思います。また電源が入らないパッシブタイプなので、取り付けも楽。工賃も含めた全体の費用では、大きく差がでるのではないでしょうか。
純正システムに加えて、少しでも良い音にしたい、スピーカーを少し良いものにしてみたけれど、もう少し音をよくしたいといった人には、良いものかと思います。