7月13日・14日の2日間に渡ってツインメッセ静岡で行われたハイエンド・カーオーディオ・コンテスト。14日に見物に行ってきました。コンテストの結果はいずれホームページに載ると思うのでそれを参考にしてもらうとして、今日は各メーカーブースに展示されていて新製品を中心に紹介していきます。
まずクラリオン。こちらには、クアッドビューの8型モデルが参考出品されていました。「あれっ? 今まで無かった?」と思うでしょうが、従来のモデルは9型ディスプレイを搭載。8型は無かったんですね、これが。まあ、ダイハツ(だったと思う)のディーラーオプションとしてはすでに供給されているので、正式な発売も間もないと思います。
画面がひと回り小さくなっただけだとなんなので、メニュー等のスキンを変えられる機能も搭載しています。これはSDカードにダウンロードしたデータを使うもの。ダウンロードボイスといい、これができるところがクラリオンのカーナビは良いですね。見た目もけっこう変わります。デジタル出力が付くなど、他の装備や機能は変わりませんが、見た目がかわるので新しくなった気がします。そうそう、ボイスコントロールで自宅のエアコンのオンオフができるネイチャーリモも紹介していました。
ダイヤトーンは、いつものDS-SA1000を搭載したメルセデス・ベンツAクラスのデモンストレーションです。今回、ディーラーデモカークラスでは、DS-SA1000を搭載(ヘッドユニットはカロッツェリアナビ)したアンティフォン制作のポルシェ・カイエンが1位だったようなので、実力の高さがわかります。デモカーにも試聴待ちの列ができていたので、ここでは試聴していないのですが、いつも通りの生々しい音がしていたハズです。
エムズラインには新製品がいろいろと展示されていました。まずはハイエンド・デジタルプロセッサーのBRAX DSP(820,000円/税別)。残念ながら音は聴けませんでしたが、思ったよりはコンパクトでスリムです。これは試聴できたら、すぐに報告したいと思います。HELIXのDSP.3(120,000円/税別)も新製品です。こちらはDAコンバーターとADコンバーターにAKMの32bitタイプを使用し、DSP.2よりも大幅なクオリティアップを果たしています。別売の追加モジュールによってUSBや光デジタル入力などを追加できるます。ハイレゾを楽しむなら必須でしょうね。
イートンのスピーカーも新製品がありました。まずメルセデス・ベンツ用のトレードイン・スピーカー。10cmミッドレンジ+ツィーターの2ウェイシステムがUG-MB100RX/PX(60,000円/税別)とUG-MB100F(90,000円/税別)の2種類あって、さらにシート下用のウーファー、UG-MB195L/R(120,000円/税別)も用意されています。ただし左ハンドル用と右ハンドル用はフレームの形状が異なるので、注文時には取り付けるクルマがどちらか、よく確認しましょう。
イートンからはPRSシリーズのスピーカーも出ていました。16cm3ウェイシステムのPRS-165.3が66,000円(税別)、2ウェイのPRS-165.2が46,000円(税別)です。グラスファイバーとパルプを組み合わせたグラスファイバー・ペーパーコーンは、音質と強度を両立しています。ヘリックスのSシリーズ・スピーカーも新製品です。10cmセパレート2ウェイのS42Cと16cmセパレート2ウェイのS62C、それぞれの単品ユニットがあって、価格は未定です。ちょっとモレルっぽいデザインのツィーターが特徴でしょうか。
イートンのコンパクトなD級アンプもありました。2chのMINI-300.2が55,000円(税別)、4chのMINI-150.4が65,000円(税別)と、わりとリーズナブルなアンプです。音楽性を追求したというし、コンパクトで設置しやすそうなので音を聴いてみるのが楽しみなアンプです。
F2Musicではハイエンド・ケーブルを凌駕するRCAケーブルと同軸デジタル・ケーブルを出していました。RCAケーブルがZERO-Rで0.5m44,000円(税別)、デジタル・ケーブルが同じ0.5mで22,000円(税別)です。ハンダを一切使わないロスレス接続で、3層プレミアム・ロジウムコーティングを施した端子は、ハイレゾ音源を最高音質で伝送してくれるハズです。
ジャンラインではアークオーディオのフラッグシップ・スピーカー、RSシリーズを展示していました。16.5cmウーファーのRS6.0(112,000円/税別)とシルクドーム・ツィーターのRS1.0(72,000円/税別)です。ウーファーが91.5dB、ツィーターが92.5dBの高感度で、ウーファーはセンターキャップの形状が特徴的。ユニットを作っているのはピアレスだそうで、かなり楽しみなスピーカーです。また、モレルの薄型スピーカー、NANOのカーボン振動板を採用したタイプも展示していました。
トライム のブースには新製品らしきものはなかったのですが、ディーラーデモカークラス4位に入賞したAVカンサイのアウディが展示され、試聴することができました。Aピラーにブラムのミッドレンジとツィーターを装着し、ドアのウーファーを加えたフロント3ウェイ構成。ラゲッジルームにはシンフォ二・クアトロリゴのアンプが並んでいます。プロセッサー&ソースユニットはヘリックスのDSPとDAPです。
このクルマの音、素晴らしかったです。声は厚くリアルだし、ハイレゾらしく細かい音まできっちりと再現。広く奥行きを感じる音場も素晴らしいものでした。あいにく、いつ行っても行列ができていて、僕は1位の音を聴いていないのでなんとも言えないのですが、このクルマを試聴した後に「こっちのクルマのほうが断然いい」と言っていた人の声を何度も聴きました。
そうなんです。一見、理にかなっているように見えるコンテストですが、結局は人の感性によって左右されます。だから1位だから良くて4位だから悪いというわけじゃなく1位でも4位でも良いものは良いんですね。それが自分の感性に合っているかどうかという話なだけです。審査員もお腹が空いていれば点数が辛くなるし、食事と休憩後にリフレッシュした後に聴いたクルマは点数が甘くなる…しょうがないと思います。
得点だけで音の良さが決まるなら、レギュレーションを良く読んで、それに違反しない範囲で減点をできるだけ少なくし、得点を増やす方向でクルマを仕上げていけば良い話でしょう。ただし、それが自分の好みの音かどうかは別次元の話ですが、1位を狙うというのはこういうことです。それに合わせて、審査の順番など、運もからみます。圧倒的にクオリティが違っていた場合はまだしも、最初に審査だとどうしても点数が低く抑えられがちでしょうし、審査員の疲労度によっても左右されるでしょうから。なにしろ1日で50台以上も採点するそうですからね。お疲れ様です。
ということを考えると、順位を競うというよりは、同じ趣味の仲間に会いに行くというのが、このコンテストの正しい楽しみかもしれません。せいぜい200〜300人の世界とはいえ、同じ趣味の人たちが全国から大集合していますからね。居心地はいいハズです。
もっと他の人のクルマの音を自由に聴ける時間があればもっと良いとは思いますが、なんとしても1位を狙いに行くというのではなく、久しぶりに友達に会いに行く感覚で参加すれば、それなりに楽しめると思います。できれば、その際には友達を連れて行くのも大事。まだカーオーディオの世界を知らない友達を連れて行ったら、世界が横にどんどん広がっていくハズ。そんな草の根運動で、自分が楽しむだけではなく仲間を広げていきましょう!